いまから14年前の2006年(平成18年)7月13日は、プレイステーション2用ソフトの『ペルソナ3』が発売された日。
『ペルソナ3』は、アトラスから発売されたRPG。人気の『ペルソナ』シリーズの第3作だが、怪奇映画のようなどこか不気味な雰囲気があった前作までとは打って変わり、ポップでスタイリッシュなデザイン・レイアウトにモデルチェンジ。あまりの大胆な路線変更だったがゆえに、当時のファンはかなり驚かされたものだった。ちなみに、キャラクターデザインは以降のシリーズでもおなじみの副島成記氏が担当している。
仲間たちと交流しながら絆を深めていく“コミュニティ”が追加され、日常生活を楽しむパートが強化。アドベンチャーゲームやノベルゲームを読み進めるような感覚で、ゲームを堪能し、物語に夢中になっていった人も多いんじゃないだろうか。恋愛シミュレーションのような側面も併せ持っているため、筆者のように女の子と恋人関係になるためだけにコミュニティランクを上げていた輩も大勢いたことだろう。
どちらかと言えば、“アトラスゲー”は難度が高くマニアックな部類という印象だったが、本作での路線変更を皮切りにファン層を一挙に拡大。『ペルソナ』シリーズの人気も、不動のものになっていったと思われる。
プレイヤーはペルソナ能力を有した者だけで結成された“特別課外活動部(S.E.E.S)”の一員となり、“影時間”に出現する異形の怪物“シャドウ”との戦いに身を投じていく。なんと言っても銃型の召喚器でアタマを撃ち抜くペルソナ能力の覚醒シーンは、シリーズの中でも屈指の名場面。衝撃度で言うならシリーズ随一と言っても過言ではないので、いまでも鮮明に覚えているユーザーも多いのではなかろうか。
『ペルソナ2』ではなくなってしまっていたペルソナ合体が復活。バトルも洗練され、メンバーがコミュニティランクと連動して特殊行動を行うようになるなど、コミュニティで築いた絆が大きな戦力となるのがユニークだった。戦闘曲である『Mass Destruction』は「ベイベベイベ」で始まるイントロが相当のインパクト。ボーカル入り楽曲というのも新鮮だったため、話題を呼びいまでも人気の高いBGMとなっている。
2007年4月19日には新要素を加えた『ペルソナ3 フェス』が、2009年11月1日にはプレイステーション・ポータブル向けのリメイク版『ペルソナ3 ポータブル』が発売された。20018年5月24日には、リズムアクションゲームの『ペルソナ3 ダンシング・ムーンナイト』も発売になっている。
劇場版アニメ『PERSONA3 THE MOVIE』も全4部作として制作されており、2013年11月23日から順次封切られた。声優の蒼井翔太さんと阿澄佳奈さんが、男性主人公と女性主人公をダブルキャストで演じた舞台も2014年から上演され、当時話題となった。