2020年7月3日、パソコンショップ“ドスパラ”を運営するサードウェーブは、同社のPCブランド“GALLERIA(ガレリア)”シリーズの新モデルおよび新プロジェクトに関する発表会を開催した。発表の目玉は、ガレリアシリーズの新筐体“SKケース”。
7年ぶりに刷新される新ケースは、剛性と排熱性、使いやすさに力を注いで開発された。プロジェクトにつけられたキャッチコピーは「BRAKE THE NORMAL(常識を打ち破れ)」だ。
キャッチコピーが示す通り、一般的なパソコンが持つ黒くて無骨なイメージからの脱却を図るため、筐体デザインは自動車を手掛ける工業デザイナーに発注している。筐体に込められたキーワードは“相棒-Sidekick-”。発売は2020年7月10日予定とのこと。なお、価格はパーツ構成によってさまざまなため、公表されなかった。
新筐体の発表に合わせ、ガレリアのロゴリニューアルも明かされた。これまでのデザインを踏襲しつつ、エンブレムとロゴのカラーを“金×黒”から“金×青”に変更。ロゴのエッジが多少丸みを帯び、親しみやすい雰囲気になっている。
ゲーミングPCと言えば輝くLEDの装飾。ガレリアならではの表現方法
発表された新筐体のデザインで目を引くのは、前面のLEDライト。フロントパネルの外周を囲うように配置されたライン状のLEDは、暗がりに筐体を設置したときにシルエットを浮かび上がらせてくれる。派手すぎず、かといって落ち着きすぎず、絶妙なデザインだ。
なお、会場でお披露目された筐体はブルーのLEDが光っていたが、後日専用ソフトウェアを公開し、ユーザーが任意に変更可能になる予定とのこと。
そしてもうひとつの特徴は、前面上部に配置されたコンソールパネル。斜めにカットされた筐体に電源ボタンとリセット、USB(4つ)、ヘッドフォン(In/Out)を集約。筐体を机の上に置いても、机の下に置いても操作しやすい設計だ。
光りものパーツファンに嬉しい筐体設計
筐体の左側面は一部がアクリルパネルになっており、ケースを開けずにPC内部を確認できる仕様となっている。従来のケースではオプション(別売)で対応していたが、新筐体からは標準装備。近年増えている“光るパーツ”を外から眺められるのは、ガジェット好きにとってうれしい配慮だろう。
筐体のカラーラインアップは、ヘアライン加工済みのアルミ素材を使用した“SK-Premium(シルバー)”と、ガンメタリック塗装を施した“SK-Standard(ブラック)”の2種類。それぞれサイズはミニタワーとミドルタワーを用意している。
このほかにも、PCゲームファンがもっとも気になる排熱問題についても熟考されている。歴代モデルでは前面に配置していた吸気口を両側面に移動し、標準ファンを12cmから14cmに大型化させた。
これにより、冷却効率の大幅アップに成功。側面から取り入れた空気を、効率よく上面から逃がすエアフローだ。
また、外見からはわからない変更点だが、筐体内部にグラフィックボードを固定する支柱が備わっている点にも要注目。大型のグラフィックボードを搭載した筐体を移動させると、衝撃で外れてしまうことがある。しかし新筐体はグラフィックボードを固定できるため、簡単には脱落しない設計になっている。内部機器の破損を防止する考えられた機能だ。
ガレリアとゆかりのあるケイン・コスギ氏、DeToNatorのYamatoN氏、SPYGEA氏が登場
発表会の後半は、ガレリアとパートナーシップを締結しているゲストによるトークショーが行われた。
登壇したのはプロゲーミングチーム“DeToNator”に所属するストリーマー(配信者)のYamatoN氏とSPYGEA氏。そしてブランドのアンバサダーを務めるケイン・コスギ氏の3名。
YamatoN氏は「PCはストリーマーや選手にとって生命線」と、パソコン性能の重要性を熱弁。ちょっとしたラグが勝敗を分けることもあるため、活躍するには高性能な機器が必要不可欠だと述べる。
一方、SPYGEA氏は配信者目線で重要性を語った。SPYGEA氏は視聴者に美しい映像を見せるため、ゲームの画質に注意して配信を行っているそうだ。高画質の映像でプレイし、さらに配信を行うには高性能なハードが必須。SPYGEA氏は「配信映えのする負荷に耐えられるパソコン」と語った。
そして、ケイン・コスギ氏は、「いままで2年くらいガレリアを使っているが、トラブルは一度もない。どんなゲームをプレイしても問題がない。頼りがいのあるパソコン」と太鼓判を押した。
今回発表された新筐体について問われたYamatoN氏は、「派手すぎずに光っている。ゲーマーは光っているのとシンプルなのが好き。ゲーマーに刺さるデザイン」とコメント。そしてSPYGEA氏は「高級感があるところと、中が見えるのがいい」と好印象な様子だった。
また、会見では少々気が早い質問も飛び出した。「今後ガレリアと共同プロジェクトをするとしたら?」という質問だ。この問いに対してSPYGEA氏は「配信に特化したマシン」、ケイン・コスギ氏は「(持ち上げて筋トレに使えるような)ハンドル(取っ手)がついているマシン」と冗談交じりで答えた。
筋トレPCはさておき、配信特化型PCとはストリーマーならではの視点だ。実現するかは定かではないが、今後のガレリアの展開に期待したい。
このほかに、eスポーツ選手やストリーマーが新筐体の感想やガレリアとの思い出を語るビデオレターが公開された。
ガレリアは全国の高校生プレイヤーを応援
発表会ではサードウェーブが行っている“全国eスポーツ部支援プログラム”についても紹介された。高校にゲーム部を作りたいが機材が備わっていない学校を対象にした施策だ。先着500校を対象に、ガレリアのデスクトップPC3台と、ゲーミングモニター3台、サードウェーブ光(インターネット回線)をセットにし、1年間無償レンタルする太っ腹な企画(申し込み締切りは2020年8月31日)。
松原昭博氏は「製品だけではなく、いろいろな活動を通じてeスポーツを定着させたい」とコメントした。