月額980円で、雑誌やマンガ、書籍が読み放題になるAmazonのサービス“Kindle Unlimited”。ステイホームでおうち時間を楽しむために加入しているという方も多いのではないでしょうか(ちなみに週刊ファミ通も読めます)。

 現在読み放題対象作品は10万件以上! 何を読めばいいのか迷ってしまいますよね。

 そこで本稿では、Kindle Unlimitedのオススメ作品を個人的チョイスで紹介します!

 今回紹介するのは、ドラマ化でも話題のあの作品です。

“Kindle Unlimited”の導入はこちら(Amazon.co.jp)

主人公に向けられる言葉に精神粗削り…… だけど読んでしまう魅力とは?

 天才になれなかったすべての人へ――。今回ご紹介するのは、心えぐるクリエイター群像劇『左ききのエレン』。

 同作は『SNSポリスのSNS入門』などで知られる、マンガ家・かっぴーさんの初の長編漫画です。その名を耳にしたことのある人も多いと思いますが、果たして見どころは……?

【Kindle Unlimitedオススメマンガ】心えぐるクリエイター群像劇『原作版 左ききのエレン』、“天才になれなかった凡人”は覚悟して見るべし!?_01
『原作版 左ききのエレン(1)』Kindle Unlimited版(Amazon.co.jp)

 cakesクリエイターコンテストで“特選”を受賞し、2016年3月より電子メディア媒体“cakes”での連載がはじまった同作。2017年10月からはWEBマンガ誌“少年ジャンプ+”にてリメイク版が配信され、2019年10月には実写ドラマが放送されました。

 同作は現在も集英社のマンガサイト“ジャンプ+”にて好評連載中。まだ物語は完結していませんが、Kindle Unlimitedではジャンプ+に連載される以前のバージョンである、『原作版 左ききのエレン』を最新刊まで読むことができます。

 主人公は、大手広告代理店に勤める駆け出しのデザイナー・朝倉光一。いつか有名になることを夢みながら働くものの、現実はなかなかうまくいきません。そんなときにふと、高校時代に出会った天才少女・エレンのことを思い出して……。

 同作は先述した通り、“天才になれなかったすべての人”に向けた作品です。マンガの主人公であれば何かしらのチート能力を持っていたりしますが、光一はただの凡人。だからこそ彼に感情移入しやすく、光一に向けられた言葉に思わず心揺さぶられます。

 たとえばコミック4巻で見せた岸あかりの“ある台詞”。

【Kindle Unlimitedオススメマンガ】心えぐるクリエイター群像劇『原作版 左ききのエレン』、“天才になれなかった凡人”は覚悟して見るべし!?_02
『原作版 左ききのエレン(4)』Kindle Unlimited版(Amazon.co.jp)

 あかりはファッションモデルとして活躍する“魅せる天才”で、光一とは真逆の存在です。イベントの企画から運営、スポンサー探しなどあらゆる仕事を手掛ける光一に対し、あかりが放ったひと言は「いろいろできちゃう人って、かわいそう」。

 さらに彼女はその後、光一に追い打ちをかけるように「使えない“できるコト”かき集めて…… 何も捨てられず ガラクタ数えて安心しよーとして…… そんなに自信ないんだ 自分に」と言い放ちます。

 つい読んでいるこっちまで“チクショー!”と叫びたくなる言葉ですが、どこか図星を突かれた気持ちにもなりませんか?

 実際にネット上でも「ひとつひとつの台詞が心臓にグサグサくる」、「天才たちが吐くセリフが毎回強烈」、「読めば読むほど精神を削られるのに、なぜか読むのをやめられない」といった声が続出していました。

 ちなみに原作版は作者曰く“絵の拙さが気にならず、そのライブ感を楽しめる懐の深い人にオススメ”とのこと。加えて、描かれる視点や時間軸がバラバラのため、読む人によっては評価が大きく分かれると思います。

 しかしその妙に生々しい世界観やセリフ選びは、画力などまったく気にならなくなるほど魅力的。まだ読んだことのない人は、ぜひ“心えぐられる覚悟”でご覧になってみては?