アクティビジョンは、アクションゲーム『クラッシュ・バンディクー4 とんでもマルチバース』(英題: Crash Bandicoot 4: It’s About Time)を2020年10月2日に発売する。対応プラットフォームはプレイステーション4とXbox Oneで、ボイス&テキストの日本語フルローカライズが行われる。

It's About Time!! クラッシュ・バンディクーが完全新作で復活だ!

 本作を開発するのはカリフォルニアのゲームスタジオToys for Bob。ゲームとしては、ノーティードッグが開発した最初の3作品(『クラッシュ・バンディクー ブッとび3段もり!』として3作セットのリマスター版が出ている)の流れを引き継ぐ完全新作の正式ナンバリングタイトルとなる。

 ストーリー的にも『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周』のエンディングから繋がっており、同作のラストで遠くの星にぶっ飛ばされた悪役サイドのいつもの面々(ネオ・コルテックス、ウカウカ、エヌ・トロピー)が、なんとかして脱出したついでに宇宙の時間バランスを崩してしまったことで、クラッシュと妹ココの新たな冒険が始まる。

 『クラッシュ・バンディクー』シリーズといえば、画面奥や手前(※)に突っ走っていって障害をクリアーして進んでいく、比較的シンプルな操作でプレイ可能なのにやりごたえのある絶妙なプラットフォームアクションが特徴。(※横スクロールステージや縦にジャンプしていくステージなどもある)

 本作ではそのスピリットを受け継ぎつつ、ウォールラン(壁走り)やロープを使ったスイングジャンプなどの新アクションなどの新要素を導入しているほか、主人公のクラッシュとココ以外にも新たなプレイアブルキャラクターが複数用意されるという。

 そのうちひとりは、なんと長年の宿敵ネオ・コルテックス! 本来はラスボス級の存在である彼がどんな因果でプレイアブルキャラとして登場するのか気になるところだ。

開発インタビュー:旧作の親しみやすさとチャレンジを受け継ぎ、新たなクラッシュを届ける

 開発元Toys for Bobは『スカイランダーズ』シリーズなどで3Dアクションに実績のある老舗スタジオだが、久しぶりの『クラッシュ・バンディクー』をどう作るのか? 同スタジオのチーフ・クリエイティブ・オフィサーで共同スタジオヘッドを務めるポール・ヤン氏に本作の開発について聞いた。

ポール・ヤン

Toys for Bobのチーフクリエイティブオフィサーで共同スタジオヘッド。

3の直後から始まるマルチバース設定の“真の続編”

――本作は初期三部作の“真の続編”という扱いですが、シリーズには日本で4として発売された“さくれつ!魔神パワー”(原題: Wrath of Cortex)や同じく日本での5“クラッシュとコルテックスの野望”(Twinsanity)などもありました。この辺の作品との関係がどうなっているのか教えてください。

ポール 今作は『クラッシュ・バンディクー3 ブッとび!世界一周』の直後から始まります。なぜそこなのかと言うと、やはりノーティードッグが開発した最初の三作品が商業的に成功して評価も高かったシリーズにとって特別なものだったので、そこに立ち返ろうということです。

 今作の副題は“It’s About Time”(時間だぜ)という言葉遊びになっているんですが、それはまずリマスターやスピンオフを除けば12年ぶりの新作(※)という意味があります。リマスターは素晴らしかったですが、今度はオリジナル新作の時間だぜ、という感じですね。
※2008年の日本未発売作『Crash: Mind over Mutant』以来

ポール それと同時に、本作が実際タイムトラベルや歴史改変を扱う「“時間モノ”だぜ」という意味でもあります。

 3のエンディングでネオ・コルテックスとウカウカとエヌ・トロピーはどこか遠くの星に漂着したわけですが、どうにかして脱出する方法を見つけたはいいものの、それによって宇宙の時間に穴を開けて多元宇宙(マルチバース)を露出させてしまうんですね。

 というわけで、その宇宙のバランスを元に戻すためには、クラッシュとココが強力な4つのクアンタム(量子)マスクを再び集められるかにかかってくるというわけです。「3以降の作品の扱いは?」という点については、それがまったくなかったことになるというよりは、それはそれで別の世界線で起こったことになります。

――となると、マーベルコミックのようなマルチバース設定で話を一回リセットするような作品でもあるわけですね。

ポール そうですね、「ソフトリセット」と表現する人もいます。ともかく我々としては、作品の時間軸上の関係としても冒険のつながりとしてもゲームのプレイ要素としても、ノーティードッグの作った作品から繋がるものとしてフォーカスしています。

シンプルにまとめられた操作と、それを駆使するチャレンジ

――シリーズを再始動するにあたって旧作の何が良かったのか見返したと思うんですが、『クラッシュ・バンディクー』のコアってなんだと考えていますか?

ポール まさに「この新しいクラッシュに何を取り入れよう? 何を再びやるべきだろう?」といろいろ考えました。後のゲームでは探索的な要素が入ってきたりもしたし、他のプラットフォームアクションゲームでも探索は大きな要素になっていたりするし、あるいは戦闘にもっとフォーカスするということもありますよね。

 でも初期のクラッシュのゲームプレイに立ち返った時に、明らかに他とは違っていたのが精密なプラットフォームアクションでした。進んでいくのは一本道であっても、そこにプラットフォームアクションとしてのチャレンジがギッチリ詰まってて、何が求められているかも割とはっきり示されているわけです。

 それはもうリズムのようにプラットフォームのチャレンジが出てきて、それにテンポよく対処していくのはアクションゲームのミュージカルのような美しさがあります。

 それに気がついてからステージの作りを見返してみると、足場の配置とか障害の出てくるタイミングとかが本当に流れるように設計されているんですね。これは遊んだことがある人なら何となく通じると思います。それで、こういうものって今あまりない。これこそがクラシックなクラッシュのコアだったんだなと思っています。

――クラッシュ・バンディクーって今の視点から見ると結構尖った作りで、障害でミスったりすると割と即リスタートになったり、アクションの種類がかなり絞られてたり、ほとんどランゲームみたいなシンプルさを持っていますよね。

ポール はい、そのシンプルで遊びやすい点も大事にしたい所です。今時のゲームってメニュー画面でコントロール解説を見ないと必要な操作がわからなかったりしますけど、その必要がほとんどないっていうのが今や逆に新鮮ですよね。

 アクションの種類は限られているのに、ステージの設計が緻密に作り込まれているおかげで、その限られたアクションをいかに組み合わせて使うかというチャレンジがしっかりある。それも重要な要素です。

――個人的にリマスター版の1ではちょっとジャンプが難しい場所があったのですが、今回は大丈夫ですか?

ポール まず、本作はリマスターと異なりアンリアルエンジン4でイチから作っていますので、挙動などは異なります。それと本作では二段ジャンプが可能になっているので―もちろんそれを前提にしたステージになっているわけですが―最初のジャンプで少しミスっても二段目のジャンプでうまく修正して切り抜けるようなこともできるでしょう。

新アクションや、新プレイアブルキャラも!

――そのほかの新アクションはどうでしょう?

ポール 本作のクラッシュとココですが、これまで通り走ってジャンプしてスピンアタックしてダイブできます。
 一方で二段ジャンプ以外にも新しいプラットフォームアクションを入れています。あるタイプの壁を走れたり、レールの上を滑ったりつかまって移動するようなステージもあります。ロープを使ったスイングジャンプ的なものもあります。複雑になりすぎないようにしつつ、楽しいチャレンジを提供していきたいと考えています。

――トレイラーにネオ・コルテックスがプレイアブルキャラクターっぽく出ていたような気がしますが……?

ポール はい、あれは彼です。今回はネオ・コルテックスをお見せしましたが、新たなプレイアブルキャラクターはほかにも予定しているのでお楽しみにお待ち下さい。

――能力的な違いはあるのでしょうか?

ポール クラッシュとココはスピン、スライド、ダイブ攻撃、ダブルジャンプなどの能力を共有していて、いつでも切り替えられます。一方でネオ・コルテックスはクラッシュやココとはまったく異なる能力を持っていて、彼のために設計されたステージが待っています。

 ネオ・コルテックスはマッドサイエンティストとして知的で頭脳とガジェットを使うキャラとなっていて、障害物にビームを当てることで足場やジャンプ台を作り出せる光線銃を持っています。なので先に進んでいくにあたって、光線銃をどのタイミングでいかに使うかというひらめきが求められるようなゲームプレイになっています。新キャラは、そのように新たなフレーバーを加えるものとなります。

――モダンモードとレトロモードがあると聞いたのですが、これはどういったものなのでしょうか?

ポール ゲームの最初で選択できるものなのですが、これはライフの扱いが異なります。

 レトロモードは旧作のスタイルに従ったもので、決められた数のライフを持ってスタートし、リンゴ(ワンパフルーツ)などをゲットしていくことで増やせますが、ゼロになるとゲームオーバーで、コンティニューはできるけどステージの進行がリセットされるという形です。

 モダンモードは死亡回数に制限はありません。その代わり各ステージのクリアーまでの死亡回数をカウントしていて、100回でも0回でもそのステージのクリアー自体はできるんですが、さらにステージごとにセットされた条件をクリアーすると報酬があります。

 このモードも用意することによって、残機制のゲームに慣れていない人にも遊びやすいものに維持しつつ、アクションをマスターした人にはちゃんと相応に報いるというバランスが取れると感じています。