昨今、自宅から仕事したり学習できるようにするにあたって、環境の構築に苦労した人は少なくないはずだ。しかし未来のVR技術を使えば、どこでもリアルな仕事机以上の環境を構築できるようになるのかもしれない。Facebookが公開したMR(複合現実)デスクトップのコンセプト映像が話題を呼んでいる。

 映像は10秒足らずのものだが、Facebookで研究が進められているVRヘッドセットのプロトタイプを使ってMRデスクトップで仕事作業をしている様子が収められている。

 テスターの前には各種アプリ起動用のアイコンバーやWindowsのものと思われるバーチャルウィンドウが浮かんでおり、手でつまむジェスチャーでウィンドウの移動も可能。自分の周囲の空間に自在にウィンドウを配置できるわけだ(ただし、こういったバーチャルデスクトップ機能は多少の制限こそあれすでに実現している)。

 その外側には部屋の風景が見えるのだが、コレは恐らくヘッドセットの外側のカメラからの映像だろう(一瞬、OculusのVRホームらしい映像が端に見切れるのも確認できる)。

 Oculus Questなどの現行のVRヘッドセットも着用中の周囲の確認等の目的で同様のパススルー機能を実現しているが、現行のものがグレースケールであるのに対してコンセプト映像のものは暗部が潰れているもののカラー映像になっており、より普段使いを考慮したものになっているのがうかがえる。

MR(複合現実)空間の中のバーチャルウィンドウをつまんで移動。

 また物理キーボードを使ったタイピングも行っていて、恐らくキーボードそのものを検出し、それぞれどのキーなのかキートップがMR的にオーバーレイされているのがわかる。この辺りも機能発展が進んでいくと面白いことができそうだ。原稿書きとしては、エンターキーを「ターン」と押すたびにドーンといい感じのエフェクトが出たりすると気分が盛り上がりそう。

色味が異なることから恐らく別のデモ(または別のモード)。バーチャルアプリバーがあるのと、恐らく物理キーボードを検出して入力に使おうとしているのは同じ。

 一方Facebookは果てしなくリアルなVRアバターの研究も進めていて、“本人はVRヘッドセットを被っているのに、ヘッドセットのない素の状態の顔のアバターが表情変化も豊かに反映して話す”というデモ映像を公開している。

 つまりこういったものを使えば、バーチャル空間を通じたVRミーティングを限りなく実際に会っているかのような見た目で行えるわけだ(本当にリアルな本人の顔である必要はあるのかという点はともかく)。

 新型コロナウィルスを契機に“出勤”や物理オフィスの再検討が進み始め、沈静化後も自宅作業可を打ち出している企業も出てきている中、もしかするとこうした技術が未来の仕事のカタチを支えてくれるのかもしれない。