ソニーが決算資料を公表
2020年5月13日、ソニーは2019年度決算・業績説明会資料を公式サイトにて公開。プレイステーション5発売時期などについて言及した。
資料内では、ゲー&ネットワークサービス分野の2019年度の業績について、売上高は前年度比3333億円(14%)減少の1兆9776億円、営業利益は727億円減の2384億円となったと発表。
プレイステーション Plusは増収しているものの、2013年(日本は2014年)発売のプレイステーション4ハードウェア、ソフトウェアが減収。
また、新型コロナウイルス感染拡大に対する影響については、
新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響に関する現状認識
- PS4のハードウェア生産に関して部品のサプライチェーン上の問題により、生産に若干の影響は出ているものの、現状の在庫で足元の需要には対応しており、販売は堅調に推移しています。
- ゲームソフトウェアのダウンロード売上やPS Plus及びプレイステーション ナウ(PS Now)の会員数は大幅に増加しています。
- プレイステーション5の立ち上げについては、社員の在宅勤務や海外渡航制限などにより、一部の検証作業や生産ラインの確認などに制約が出ていますが、必要な対応策を講じており、2020年の年末商戦期での発売に向け、準備を進めています。
- 自社スタジオ及びパートナー各社のゲームソフトウェア開発スケジュールに関しては現時点で顕在化している大きな問題はありません。
として、ゲーム分野においては大きな影響は出ていないとの認識を示した。
質疑応答
また、質疑応答では、プレイステーション関連で以下のような質疑が行われた(質疑応答の一部を抜粋・要約)。
Q.プレイステーション5の生産と需要において、新型コロナウイルスによる影響はあるか?
A.生産についてはほぼ予定通り進んでいる。需要についてはコメントを控える
Q.プレイステーション5のサプライチェーンなどに新型コロナウイルスの影響は出ているか?
A.在宅勤務、海外渡航制限という制約があるので、一部の検証作業や生産ラインの確認等に制約が出ている部分もあるが、必要な対策は講じている。年末商戦の発売に向けて間違いなく準備を進めている。
Q.新型コロナウイルスの影響で市場投入の遅延や、次期以降への影響はあるか?
A.ゲームに関しては、ファーストパーティ、サードパーティともに開発という意味では顕在化している問題はない。ただし、いろいろな制約のもとで開発を続けているので効率は落ちるという面はあるから、スケジュールに遅れが出るというリスクについては注意深く見守っている。
Q.コロナ後の世界、あるいはコロナとともに生きていく世界の中でゲームなどのコンテンツ産業はどう変化していくか。
A.環境がどういう風に変わるか、いろいろな説があるが、在宅時間が増えて外出時間が減るのではないか。いろいろな作業が“リモート”を鍵にして変わっていくと思われる。我々もネットワーク、リモートに関するビジネスは多くやっており、プレイステーションネットワークは大きなオンラインコミュニティーとなっている。今後、より強化していく可能性があるし、大きくなっていく伸びしろがある。
2020年度連結営業利益 試算では3割減
資料では、“2020年度の業績見通しについては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現時点で合理的な算定が困難であるため、未定とします”としながらも、いくつかの前提条件をもとに算出した結果を“試算”として紹介している。
それによると、仮に“6月末に感染拡大がピークアウト”し、“第2四半期末(9月末)にコロナウイルスの影響がほぼなくなる”という前提を置いた状態での試算では、2020年度の連結営業利益は、2019年度実績から“すくなくとも3割程度の減益”になるというきびしい見かたを示した。