NetEase Gamesが運営するスマホ用バトルロイヤルゲーム『荒野行動』で、eスポーツ大会“荒野CHAMPIONSHIP-王者の絆”が開催中。賞金総額は2500万円オーバー、その規模は国内最大級だ。

 オンラインでの全国予選が始まったのは2020年3月。2ヵ月の時を経て、ついに王者を決める段階に突入。5月10日には、日本一を決める荒野王者決定戦への進出権をかけた西日本王者決定戦が開催された。

 5試合を行って生存順位やキルによって得たポイントで9位までに入り、つぎのステージに駒を進めるのはどのチームか。5月17日には東日本王者決定戦が待っている。まずは西日本の王者が決定する瞬間を見て気分を高めよう。

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この記事は『荒野行動』の提供でお送りします。

 生配信のMCを務めるのは、タレントの百花繚乱氏とコスプレイヤーのえなこさん。えなこさんのかわいらしいコスプレ姿が、本大会ひとつ目の見どころといって差し支えないだろう。

 そして、昨年に引き続き、アナウンサーの柴田将平氏と『荒野行動』公認実況者のBocky氏が実況解説を務めた。

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えなこさんはゲーム内スキン“悪魔な女子”のコスプレを披露。
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MCを務めた百花繚乱氏。
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実況解説の柴田将平氏(左)とBocky氏(右)。試合開始時の「荒野、行こうや!」の掛け声も定番と化した。

 このような大規模なオープン大会がスタートしたのは、2019年のこと。変わらない安心感もありつつ、大会の見せかたは大きく進化していた。

 有志のトッププレイヤーによって定期的に開かれているリーグ戦“Fennel Friday League(FFL)”で実況を務めているV3氏が、本大会では各試合の振り返り解説を担当。この演出が凝っていて、しかも解説は非常にわかりやすかった。

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リプレイ画面を見ながら、試合を決定付けた要素を抜き出して詳しく解説。

 モニターはタッチパネルになっていて、V3氏自身が操作をしながら上位3チームの行動ルートを辿りつつ分析。野球やサッカー、ラグビーといったスポーツの解説と同じように、各チームの戦術を視聴者に深く伝えることができる。

 本大会のためにNetEase Gamesが開発したシステムだという。

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トップ選手のプレイが“なぜすごいか”を理解できると、大会を視聴する楽しさがグッと上がる。

 真面目な解説だけでなく、お茶目な冗談も交えてくれるV3先生。最後の詰めで先陣をきって突入した際、やや孤立して逆に倒されてしまった選手に対して「この選手はチームプレイよりキルマシーン賞の賞金を優先しまいましたね」とコメント。

 Bocky氏も「甘えてしまいましたか」と、これに乗っかって笑いを取りに行く和やかな場面も見られた。

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「甘えるな!」と選手に喝を入れるBocky氏。

 試合はと言うと、そこかしこでバチバチと火花が飛び散るような熱い戦いが行われていた印象だ。相手をキルしたときの獲得ポイントが最終的な順位に大きく関わることから、多くのチームが積極的に前に出る展開が目立った。

 上位陣ならではの牽制や水面下での戦いも、それはそれで興奮するものだが、バチバチにぶつかり合ってくれると初心者でも楽しみやすい。そういう意味では、多くの人にとって“観ていて楽しい大会”だったのではないだろうか。

【基本ルール】

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 配信のアーカイブはこちら。以下の大会リポートと合わせて、激戦の模様を楽しんでほしい。

『荒野CHAMPIONSHIP - 王者の絆』西日本王者決定戦

第1試合:積極的にキルを狙う姿勢が勝利をつかむ!

 2019年に行われた“荒野Championship-元年の戦い”の荒野王者決定戦では、第1試合開始から約8分間にわたって生存者数が100名の状態が続くという慎重な立ち上がりが印象的だった。

 しかし、本大会の第1試合では慎重な空気はなりを潜め、開始直後に1名が脱落。その後も小競り合いが頻発し、各チームが確実にキルを重ねていく展開となった。

 そんな中でもとくに多くのキルを重ねていたのが“鶴田家”と“Apostel666”だ。最終局面では、そんな2チームがぶつかることに。

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 この時点での生存人数は鶴田家が4名、Apostel666が3名。鶴田家が有利かと思われたが、アドバンテージを取ったのはApostel666だった。狭くなった安全地帯に入るやいなや、相手に集中砲火を浴びせて瞬時に3名をキル。

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 一気に形勢が逆転し、すぐさま残りの1名を取り囲むApostel666。絶体絶命の鶴田家だが、ただではやられないのが真の猛者というものだ。攻撃を受けながらもApostel666の1名を道連れにキル。最後まで貪欲にキルポイントを稼ぐ執念を見せつけた。

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第2試合:高台を制するものは試合を制す!

 マップの特性によるものか、先ほどよりもスローペースな立ち上がり。撃ち合いの強さだけでなく、有利な場所を先に抑える先見性が必要となる、バトルロイヤルゲームらしい展開になった。

 その先見性を見せつけたのがオンライン予選2位通過の強豪“Zinc”だ。試合中盤までしっかりと5名全員が生存しており、かつ有利な高台を確保。解説のBocky氏は「このまま安全地帯が南(Zinc側)に寄れば、彼らの独壇場となるでしょう」と予想した。

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 そんな言葉を知ってか知らずか、つぎの安全地帯は南寄りに。果たしてBocky氏の予言は的中した。Zincが猛攻を仕掛けたのだ。

 残り生存者数が10名となったとき、その内の5名がZincメンバー。ほかは“AnG”、“No.name”、“BD”が1名ずつ、“LastDinner”が2名。独壇場とも言うべき優位を最後まで保ち続け、Zincが第2試合を堂々と制した。

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第3試合:まるで特殊部隊による実戦!? 神がかったチームプレイ

 第3試合の舞台は“東京決戦”。高いビル群が立ち並び、高低差が特色のマップだ。高所からの狙撃に警戒する必要があるほか、建物の多さから室内戦が起こりやすいマップでもある。

 序盤から積極的に動いたのはオンライン予選1位通過の“梶原家”。まずは接敵した“Freedom”を壊滅させると、すぐさま“teamXavier”と戦闘開始。これも撃破し、試合開始から10分も経たないうちに10キルという大戦果を挙げた。

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梶原家のこあえら選手は、オンライン予選での平均キル数が5.20。ダントツの数値だ。

 その後も順調にキル数を伸ばす“梶原家”。しかし最終局面で有利に立ったのは5名生存のApostel666だ。

 安全地帯はここからBD方面(画像右下)に向かってさらに狭まっていった。Apostel666も移動しなければならないが、建物から出れば、当然BDの銃弾を浴びることとなる。

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 そこで、Apostel666はスモークグレネードを使ってBDの視界を奪った。さらに、突入は3名に任せて、残りの2名がBDに向かって毒ガス弾を投擲。BDを窓際に近寄らせないことで突入を援護するという完璧なチームプレイを披露した。

 突入後も鮮やかな動きでBDを制圧。そのまま梶原家もキルすると、なんと5名生存で第3試合を制した。Apostel666は第1試合に引き続き2度目の1位獲得で圧倒的なポイントを獲得。そして梶原家も最終的に18キルかつ2位で、1位のApostel666に匹敵する高得点を叩き出した。

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第4試合:ランキング上位陣が下剋上によってつぎつぎ脱落

 第1試合に引き続き、この日2度目の“激戦野原”マップでの戦い。あまり広くないマップということもあり、やはり序盤から戦闘が頻発した。

 そんな中、“Fermi”はこの時点で総合得点ランキング3位につけている“鶴田家”と衝突。いきなり3名をキルされてしまう。解説のBocky氏が生き残ったふたりは逃げた方がいいと状況を分析するも、Fermiは勝機を見出していた。

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 固まっていた鶴田家目掛けて毒ガス弾を投げ込むと、すぐさまバイクで突撃。ひとり、またひとりとキルを奪い、なんと鶴田家を全滅に追い込んでしまったのだ。

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 鶴田家の脱落を皮切りに、梶原家やApostel666ら上位陣がつぎつぎと姿を消す波乱の展開に突入。ここで頭角を現してきたのがBDだ。安全地帯が狭くなり乱戦模様となると、5名生存の人数を活かして猛攻を仕掛けた。

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 正面の敵をすばやくキルすると、すかさず丘の上に潜んでいた別チームを発見してキル。最後に残ったteamXavierも人数差を活かして確実に囲み、まるで詰将棋のような丁寧さで試合を決めた。

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第5試合:一発逆転を狙ったリスキーな試合展開で順位が大きく変動

 荒野王者決定戦への出場をかけた最後の試合。現時点でのポイントランキングは以下の画像のとおり。

 昨年の荒野王者決定戦を経験している“Risky”や“BsTgrizzly”といった強豪が、出場権を得られる9位以内に入っていないことがわかる。

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 この2チームを含めて、少しでもポイントを稼ごうとするチームは多かった。同じく“嵐の半島”で行われた第2試合とは打って変わり、積極的な戦闘が展開される。

 試合中盤、この日いちばんの大乱戦が勃発。有利なポジションを先んじて確保したZincに、Fermiが車で強引に突撃した。車が爆発炎上しながらもZincに襲いかかった。そこへRiskyが横から乱入。3チーム入り乱れる大乱戦へと発展する。

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 この戦闘を制したのはRisky。キルポイントも大いに稼ぎ、荒野王者決定戦進出に近づいた。

 そんなRiskyに触発されるかのように、BsTgrizzlyも意地を見せる。最終局面まで4名が生存し、さらに有利な高台を抑えることに成功したのだ。

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 終盤の安全地帯は崖の上下に分かれた地帯だった。上側ではBsTgrizzlyがRiskyを制圧。崖下にはNo.nameが控えていたが、もはやこれにて勝負あり。角度的に下から上は狙えないのだ。

 圧倒的に有利な場所を抑えたBsTgrizzlyの一方的なキルにより、最終戦の幕は下ろされた。

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西日本の王者はApostel666に決定!

 第5試合の結果で順位はどう動いたのか!? 最終的な結果は以下のとおりだ。

【優勝】
Apostel666

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【準優勝】
梶原家

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【3位】
No.name

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【キルマシーン賞】
Apostel666Mple

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 全体的に好成績を残し続けたApostel666が堂々の優勝。梶原家やNo.nameは勝利した試合こそなかったものの、大量のキルポイントで上位入賞を果たした。

 そして最終戦で1位に輝いたBsTgrizzlyや大きくキルを稼いだRiskyが順位を大きく上げ、無事に2年連続の決勝進出を達成。反対に、第4試合を制したBDが9位以内に入れないなど、最後まで順位が読めず、気の抜けない大会となった。

 さて、来週5月17日には東日本王者決定戦が行われる。猛者たちの白熱した戦いが見られるのはもちろんのこと、西日本王者決定戦では視聴者プレゼント企画も豊富だった。

5月17日開催“東日本王者決定戦”配信ページ(YouTube)
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 おそらく東日本王者決定戦でも何かしらのキャンペーンが行われると思うので、こちらもぜひ期待したい。それでは、また来週をお楽しみに!