2020年5月8日、任天堂は自社のホームページで、“2020年3月期 決算説明会(カンファレンスコール) 質疑応答(要旨)”を掲載した。

 決算説明会のたびに掲載をしているものだが、今回は新型コロナウイルスの感染拡大による影響が出ているニンテンドースイッチの生産状況や、発売10日間で1177万本を販売した『あつまれ どうぶつの森』のダウンロード版の販売比率などが明かされている。本記事では、該当部分をピックアップ。全文については、下記を参照してほしい。

“2020年3月期 決算説明会(カンファレンスコール) 質疑応答(要旨)”

ニンテンドースイッチの生産状況について

ニンテンドースイッチの生産状況改善は夏頃がメド。『あつまれ どうぶつの森』ダウンロード比率は5割。任天堂が“2020年3月決算説明質疑応答”を公開_02

 新型コロナウイルスの感染拡大で、ハードの出荷に遅延が発生したニンテンドースイッチ。業績全体に対する影響は軽微だったとしつつも、一部部品の調達が十分ではないため、想定している生産数すべてを生産できてはいない状況だという。

 しかし、生産状況は徐々に改善を見せ、生産への影響は夏頃にはある程度収まり、販売計画に沿った数量の生産が可能になる想定とのこと。一方で、仮に影響が長期化、深刻化した場合は、生産数量が減るという可能性も言及している。

 Amazon.co.jpなど、一部のECサイトでもニンテンドースイッチ、ニンテンドースイッチ ライトの在庫がときおり復活している状況。転売による高騰化などもあるが、徐々に改善しているとのことなので、ニンテンドースイッチが欲しい人は、生産数の回復を待ちつつ、定価で買えるタイミングを探してほしい。

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3月後半から4月にかけて、新型コロナウイルス感染症の影響が世界各地に広がったことにより、一部の部品について十分に調達ができていないものがあります。この影響で、現時点では私たちが実際に生産したいと思っている数量すべてを生産できているという状況ではありません。しかし、徐々に改善の兆しが見えていますので、新型コロナウイルス感染症による生産への影響は夏頃にはある程度収まり、通期では当期の販売計画に沿った数量の生産が可能になるという前提にしています。仮に影響が長期化、深刻化して部品の調達や生産に再び影響が及べば、現在の業績予想を満たす数量を生産できない可能性もあります。
出典:“2020年3月期 決算説明会(カンファレンスコール) 質疑応答(要旨)”

『あつまれ どうぶつの森』のダウンロード版販売比率

ニンテンドースイッチの生産状況改善は夏頃がメド。『あつまれ どうぶつの森』ダウンロード比率は5割。任天堂が“2020年3月決算説明質疑応答”を公開_01

 決算短信で、2020年3月期の販売本数が全世界1177万本と発表された『あつまれ どうぶつの森』。2020年3月20日の発売日から約10日でこの数字というのは、任天堂も“Nintendo Switch向けソフトウェアでは過去最大の滑り出しを見せています”と発表している。

 そんな『あつまれ どうぶつの森』のダウンロード版販売比率が、“日米欧で実際に購入されたお客様の約5割がダウンロード版を選ばれています”と、約半数がダウンロード版で購入していることを明かしている。

 『あつまれ どうぶつの森』は、長期的に遊ぶゲームのため、ソフトの入れ替えが発生しないダウンロード版が向いていることや、各国の“Stay Home”対応がその要因だと言及した。

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 前期の第4四半期に実績におけるデジタル売上高比率の高さは、『あつまれ どうぶつの森』の発売による影響が非常に大きかったと考えています。このソフトは、日米欧で実際に購入されたお客様の約5割がダウンロード版を選ばれています。「どうぶつの森」シリーズがダウンロード版と相性が良いことに加え、発売のタイミングが、各国で「Stay Home」(自宅待機)が奨励されていた時期であったため、ダウンロード版を選ばれたお客様もいらっしゃると思います。非常に高いデジタル売上高比率はそのような特殊要因もあったためだと考えており、このまま継続するという前提では業績予想を組んではいません。一方で、ダウンロード版ソフトの利便性を一度経験されたお客様は、その後もダウンロード版を選ばれる傾向がありますので、ビジネス全体に対するデジタル売上高比率は上昇していくのではないかと考えています。
出典:“2020年3月期 決算説明会(カンファレンスコール) 質疑応答(要旨)”