ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の最新アップデート情報が公開されるプロデューサーレターLIVEが、2020年4月24日に実施。『漆黒のヴィランズ』完結編となる最新メインクエストの概要や、アライアンスレイド“YoRHa: Dark Apocalypse”第2弾コンテンツの雰囲気など、パッチ5.3でリリースされる新要素の中身がこの日初めてお披露目された。

 今回は新型コロナウイルス感染症への対策として、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターと室内俊夫グローバルコミュニティプロデューサーがそれぞれ別の部屋から出演し、その模様を左右2分割した画面に映し出すという形で開催。プロデューサーレターLIVEとしては史上初の、スクウェア・エニックス本社内での二元放送となった。

吉田氏と室内氏は並んで座っているように見えるが、じつはふたつの映像をつなぎ合わせた画面だ。

パッチ5.3のリリースは6月以降に?

 冒頭で吉田氏は、新型コロナウイルス感染症の流行を受けた現在の開発状況を説明。すべてのスタッフが自宅で円滑に業務を行うべく準備を進めているため、パッチ5.3の開発作業が現時点で1ヵ月程度遅れていることを明かした。リモートワークの詳細とアップデートの進捗に関する同氏のコメントは以下の通り。読みやすさを高めるため少なからず編集を加えてあるので、その点にご留意いただきたい。

吉田氏のコメント(要旨):
 先日コメントを出させていただいた通り、パッチ5.3は当初6月中旬にリリースする予定でした。パッチの開発自体は、全体の7割を超えていたくらいのところまで進んでいます。

 4月の2週目くらいから、いわゆる“P/Dチェック”と呼ばれる全コンテンツの確認作業がスタートしています。僕が提出したフィードバックを踏まえたうえで、各種修正作業を行うとともに、コンテンツの難度とバランスを調整していこう……まさにそのタイミングで、全スタッフの完全在宅勤務への移行に着手したという形です。

 パッチ5.3のメインシナリオの全言語ボイス収録に関して、現在、世界中で強制力の強いロックダウンが行われているなか、ドイツやフランスなど各国の声優さんに自宅での収録にご協力いただきました。その結果、パッチ5.3に関しては、すべてのボイスの録音を終えられました。現在、サウンドチームが(音声を)きれいに加工し、それらを実装するところまで到達しています。

 開発チームのメンバーは、各個人が起動できるローカルサーバーを持っています。自身が担当するコンテンツやプログラムに関しては、まずそこでテストを行い、最低限のバグを取り除いたうえで、本体とも言うべき巨大サーバーにそれをコミットする……そんな流れになっています。

 日本社会では“仕事は職場でするもの”という強い意識が存在するため、外部環境からのアクセスを遮断することでセキュリティーを保つという考えかたが、いまも国内企業の大勢を占めています。『FFXIV』も、そういう環境下で開発が進められてきました。スクウェア・エニックスもセキュリティーをものすごく厳重に管理しているので、たとえば僕が使っている開発用マシンを自宅に運んでネットワークにつないだとしても、「お前は何者だ?」となってしまい、会社にすぐアクセスできるわけではありせん。

 開発に用いる各種ツールも、不正な立ち上げを防ぐべく、サーバー側の認証を経て起動が行われるくらい厳重なセキュリティー管理がなされています。そのため、自宅にPCを持ち帰ったとしても、すぐにツールが立ち上がりません。

 初期の段階では、個人の環境下でサーバーを独立して起動させても、それをチェックすることすらままならない状況でした。この問題を解決すべく、数十人規模の選抜メンバーでテストを実施。その結果、ほぼセキュアー(安全)な状態で各種ツールやローカルサーバーを起動できるところまで漕ぎ付けています。

 これにより、可能な限り自宅にPCを持ち帰り、本格的にリモートで開発作業が行える態勢が整いつつあります。もしかすると効率は8割くらいまで低下してしまうかもしれませんが、そうした一連の動きをいままさに進めており、この部分に関する復旧作業は間もなく終わるのではないのかなという感じです。

『FFXIV』はすでにライブサービスを行っているタイトルなので、スクウェア・エニックスのインフラチームは、まさに不眠不休で対応してくれました。そうした努力のおかげで、少しずつではありますが、アップデート作業が復旧に向かいつつある……これがいまの状況です。

 我々の前に大きく立ちはだかるカベは、ほかにもふたつ存在します。ひとつは、先ほどお話しした、全員が接続して各種チェックを行う、巨大サーバーに関する問題です。ここにデータをアップロード/ダウンロードするには、各家庭に持ち帰ったPCの環境を揃える必要があります。

 巨大サーバーは1日に何度か更新が行われており、社内であれば、出社してPCを起動したときに自動的にダウンロードが実行されます。これは、社内の超高速なLAN環境下であればこそ可能なことです。個人で契約しているネットワーク回線を使って、外部からそれを行おうとすると、はたしてどれくらいの時間を要するのか……。いままで20分で終わっていた更新作業に、たとえば4時間を要するスタッフも出てくるかもしれません。これが、つぎに我々が超えねばならないカベです。

 この部分に関しては、負荷や時間帯の問題もあると思うので、とにかくテストの件数を増やし、どこまでやり切れるのかを精査します。たとえば、複数回だった更新を1回にまとめることでうまく回らないものか……といった解決法を探っていきます。いずれにしても、現状復帰に向けた作業をできるだけ短い期間で終えられるよう引き続き努力します。

 ふたつ目のカベは、個人の環境への対応です。日本の住宅は海外に比べて狭いこともあり、「爆音と高熱を発するPCを置くスペースがありません」や「建物(集団住宅等)の構造上、インターネット回線がすごく弱いために速度が出ません」など、さまざまな問題が起こります。

 また、「業務で使うものを個人で投資するんですか?」といった線引きもすごく難しいので、そうした課題をどうやって克服すべきか、スタッフたちと対話を重ねていきます。これをあきらめてしまうと、いつまで経ってもリモートワークが実現しないので、ひとつひとつ丁寧に解決するつもりです。

 復旧に向けた作業はかなり進んではいますが、もうひと押しが必要……皆さんには、そう認識していただきたいなと。一連の環境整備を実施したことで、いまの僕の感覚ではパッチ5.3の開発スケジュールが確実に1ヵ月はズレ込んでいる感じです。

 我々にとって初挑戦なことばかりなので、この先やってみないとわからないこともあります。たとえば、在宅で勤務する24人のスタッフが同時にアクセスして、アライアンスレイドのバランスチェックができるのか、といった感じです。その結果、「やっぱりこうしないと難しいよね」みたいなことが今後起こるかもしれません。ですが正直に言えば、いまはやってみるしかない状況です。

 いまはまさに社会全体が経験したことのない非常時で、今後何が起こるのか予測がつかない状況下にあります。このため、さきほどもお話ししましたが、現状ではワークフローが“やってみないと作れない”状態です。そうしたこともあり、コンサバティブ(控え目)に予測したとしても、さらなる遅延が何週間か……1週間になるのか2週間になるのか出てしまう可能性があります。パッチ5.3のリリースが確実に1ヵ月は遅れているだろうという目算に加え、個別の案件をひとつずつ潰していく必要もあります。

 しかし、スタッフのモチベーションはすごく高く、張り切ってくれている人もたくさんいるので、がんばります。パッチ5.3はすばらしい内容のアップデートなので、引き続きリリースに向けて努力していきます。もし今後状況が変化したら、テキストベースになるかとは思いますが、オフィシャルブログも活用して順次お知らせしていきたいなと。経験したことのない事態だからこそ、楽しむ気持ちを忘れずに作業を進めていきますので、ぜひよろしくお願いします。

“新生エリア”での飛行がついに実現!

 続いて、この日に発表されたパッチ5.3の新要素をそれぞれの項目に分けて紹介。箇条書きで記載したコメントは、すべて吉田氏によるものだ。

パッチ5.3のタイトルは、クリスタルの残光。

メインクエスト

  • 『漆黒のヴィランズ』の物語はパッチ5.3で完結する
  • 新生エオルゼア』のメインクエスト改修にともない、パッチ5.3の最新シナリオを楽しむためにはクロニクルクエスト:クリスタルタワーのクリアーが必須になる
  • 条件を満たしていない人を対象に、メインクエストの区切りのいい場面で「クリスタルタワーをプレイしてみては?」みたいな提案が行われるようになる
  • はたして『漆黒のヴィランズ』の物語がどこに着地するのか。ぜひその目でお確かめいただきたい
  • パッチ5.4で、つぎの新たな展開に向け走り出していくことに
パッチ5.3のメインクエストを楽しむには、サブクエスト“念願のマイチョコボ”の完遂も必要に。
かつてハイデリンとゾディアークを生み出したとされる古代人が集まっている。

インスタンスダンジョン

  • 新たなインスタンスダンジョンの名称は、漆黒決戦 ノルヴラント
  • メインクエストに関連して登場する
  • フェイスに対応
レイクランドの風景に似ているが、なぜかイル・メグで見受けられる草人の姿も。はたしてこの場所は……?

蛮族クエスト

  • ドワーフ族の蛮族クエストが公開に
  • クラフター向けの依頼が受注できる
  • 既存のドワーフ族の集落でないところに専用エリアが設けられる
クリスタリウムを訪れたドワーフ族は、何かに驚いているようだ。

クロニクルクエスト

  • ウェルリト戦役の第2章がリリースされる
  • 今回はストーリーを中心に進行
  • 専用のイベントバトルが用意されている
  • パッチ5.3の討伐・討滅戦は、メインクエストに関連して登場。物語に深く関わるため、コンテンツの名称は秘密
  • パッチ3.3でお目見えしたニーズヘッグ征竜戦と、パッチ4.3で公開されたツクヨミ討滅戦は、登場する相手が事前にある程度予測できた。今回は、そうした部分の予測が難しいかもしれない
  • “『FF』感”で行きます。ぜひ皆さんに驚いていただきたい
エメラルド色に輝くこの機体は……!

アライアンスレイド

  • YoRHa: Dark Apocalypseの第2弾が登場
  • タイトルは、人形タチノ軍事基地。英語タイトルはThe Puppets' Bunker
  • 見たことのないギミックや機構が姿を現す。前回は『ニーア オートマタ』ぽさが感じられるくらいを狙ったが、いよいよそのタガが外れてくる
このバンカーとおぼしき巨大建造物が存在する場所とは!?

ジョブ調整

  • 今回もPvEとPvPの双方に調整が入る
  • 細かい部分は、次回のプロデューサーレターLIVEやパッチノート朗読会の手前くらいで公開予定
パッチ5.3の公開に合わせて、デイリーチャレンジ:フロントラインの対象コンテンツがフロントラインの全種に拡大される。

サブストーリークエスト

  • セイブ・ザ・クイーンのアップデートが行われる
  • まだ決めきれてはいないが、パッチ5.35など、いわゆる中間パッチでリリース予定
  • いわゆるレジスタンスウェポンの強化が可能に
  • 南方ボズヤ戦線呼ばれる、エリアを使った大規模コンテンツが実装される
  • 「みんなで戦線を勝ち抜いていくぞ!」みたいところが楽しめる
  • 禁断の地エウレカと同様に、巨大なフィールドを用意
  • 名称がまだ確定していないのでお伝えしづらいが、新しい仕組みも用意されている
  • レベルに近い概念が存在する
  • エリア内でのみ効果を発揮するアクションの追加も、今後検討していきたい
  • 南方ボズヤ戦線での戦いに参加しながら武器が強化できるほか、エリアの外で空き時間を見つけて鍛えていくパターンも別途用意。ただし、強化を進める際の効率はそれぞれ異なる
  • 後者の強化パターンを進める際も、南方ボズヤ戦線のシナリオをプレイする必要がある
セイブ・ザ・クイーンに関しては、次回のプロデューサーレターLIVEでより詳しい内容が公開される予定。

クラフター&ギャザラー関連

  • レシピからコマンドを選択することで、素材を持っていなくても製作を試せる模擬製作システムが実装
  • 模擬製作システムは、どこでも利用できるようになる予定
  • “高難易度レシピ”の練習レシピを、全体に広げたイメージのものになる
  • お得意様取引の最新版がお目見え。テーマとなるNPCの名前は、まだ秘密
模擬製作システムを使えば、手持ちの装備やマクロで対象のアイテムが作れるのかどうかを事前にテストできるわけだ。
収集品として納入できるアイテムの種類が、今後変動しなくなる。材料集めが楽になりそう。

イシュガルド復興アップデート

  • パッチ5.3公開後に実施される追加アップデートで、第三次復興がスタート
  • 新たな職人ランキングが開幕。ランキング技巧点が手に入るアイテムが一新されるため、事前に材料を集めても意味はない
  • スカイスチールツールも更新される。主道具のさらなる強化が可能に
職人ランキングの上位入賞者には、今回もアチーブメントと称号が贈られる。

新生編のメインクエスト改修

  • パッチ2.0からパッチ2.55までのあいだにリリースされた、いわゆる新生編と呼ばれるメインクエスト群を全体的にスリム化する
  • 『新生エオルゼア』を開始してからアルテマウェポンを撃破するまでのシナリオは、その先のストーリーに関わるNPCと知り合う状況がすごく多い。このため、消滅させるクエストの数自体は全体の13%程度にとどめた
  • ただし、ToDo(クエスト完遂までに要する手順)を間引きしてあるので、サクサクとは進められる
  • コスタ・デル・ソルのゲゲルジュは意外と人気が高いうえに、その後の物語で頻繁に顔を出すので、“珍味集め”のくだりは改修後も存在する。とはいえ、楽にクリアーできる努力はした
  • 新生編で行き詰まってしまうイメージを抱いている人は多いが、じつはパッチ2.0よりもパッチ2.1以降のほうが、途中で離脱する人の割合が高い
  • 現状では、パッチ2.1とパッチ2.2のふたつが、とくに寄り道の多い作りになっている
  • パッチ2.1以降のメインクエストについても、本筋とは関係ないものはズバズバと切り取られている。アルテマウェポンを倒した後もストーリーに没入したまま一気に駆け抜けられるのではないかなと
  • 主要人物と初めて対面するシーンはきれいに維持されているので、既存のプレイヤーが“つよくてニューゲーム”で物語を再度確認するまでもない
  • 改修対象のクエストをちょうど受注していた場合、(パッチ5.3公開後に)ToDoが突然消滅していたりする。受注しているクエストがクリアー不能に陥ってしまうこともあるので、そうした場面に遭遇した際には「依頼は消滅したので、このように対処してください」みたいな一文が表示されるようになっている。その指示に従って進めれば、本来の導線に必ず復帰できる
  • メインクエスト完遂時に得られる報酬も大幅に見直される。経験値がたくさんもらえるようになるので、メインクエストを進めるだけでレベル50に到達できる
蒼天編、紅蓮編、漆黒編についても、メインクエストで得られる報酬が今後見直されるとのこと。

フライングマウントに対応

  • 新生編の舞台となる地域(新生エリア)の改修をパッチ5.3で実施。『新生エオルゼア』のすべてのエリアで飛行が可能に!
  • 拡張パッケージを発売するタイミングでなければコスト的に難しいかなと思っていたが、「その時期は拡張パッケージの開発で手一杯!」とスタッフから言われたことがきっかけで、この時期にフライングマウントへの対応を行うことになった
  • メインクエスト“究極幻想アルテマウェポン”をクリアーした時点で、すべての新生エリアでフライングマウントが利用可能になる。
  • エオルゼアの民からすると新生エリアは未開の地ではないので、“風脈集め”は存在しない
  • 新生エリアのフライングマウント対応にともない、対象フィールド内の環境音がすべて貼り直しになった。きびしいスケジュールのなかサウンドチームがすごくがんばってくれたが、環境音がおかしい場所が一部に存在する。これらについては、今後随時修正していく
モードゥナの全景が、ついに上空から見渡せるように。
フライングマウントの開放に紐づけられている“マイチョコボ、大空へ”のクエストは、パッチ5.3のリリース後に廃止される。

幻討滅戦&ソーチョーの幻想盤

  • 以前“極クロの空想帳”みたいな仮称でお話したコンテンツを発展させたものが、幻討滅戦(げんとうめつせん)。
  • 幻討滅戦は、真や極に続く新たなジャンルの討滅戦
  • レベル80にシンクされた既存の“極蛮神”と戦うことに
  • 単純な数値の変更にとどまらず、ゲームバランスの側にも調整が加えられている
  • スタッフたちの中には幻タイタン討滅戦を実装したいという空気もあったが、難度が高くなりすぎることが予想されたため、今回は幻シヴァ討滅戦となった
  • 幻討滅戦をクリアーすると、幻想盤というミニゲームを遊べるようになる
吉田氏は、「幻想盤をどうにかすると、揃ったラインの数に従って報酬がもらえる」と話していた。

そのほかのアップデート

  • パッチ5.3ではシステム系のアップデートも行われる
  • パーティ募集機能に“ジョブ重複なし”の項目を追加。今後は、その旨を示す一文をコメント欄に記す必要がなくなる
  • 傘の種類がパッチ5.3で結構増える。これにともない、マウントと同様の新たな専用メニューが追加され、そこに傘が格納されるように
  • テストを実施しているわけではないが、たとえばお盆を持って歩くなど、将来的に武器以外のものを持ってロールプレイを楽しめるようにしたい。このため、傘専用のメニューというよりも、“オシャレ枠”みたいな形にしたほうがいいのではないかと考えている
  • パッチのリリースが見えてきたら、第59回プロデューサーレターLIVEで実機を交えて皆さんに詳細をお届けする
パーティを組んだ状態のまま、ほかのグループの募集に加入できるようになる。
それぞれの都市で各種アラガントームストーンの取り引きが可能に。

“YoRHa”制作の舞台裏が語られる動画が公開

 パッチ5.3の概要を紹介した後は、プロデューサーレターLIVE恒例のお知らせコーナーが開幕。今回はキャンペーンを中心とする最新ニュースが発表された。

無料ログインキャンペーンが5月17日まで開催中。ゲームをお休みしている人は、いまが復帰のチャンス。
『FFXIV』の各種ダウンロード版が、お値打ち価格で販売されている。
『漆黒のヴィランズ』の制作秘話が明かされる動画が公開中。
YoRHa: Dark Apocalypse開発の舞台裏を語り尽くすボーナス映像が4月30日に配信予定。
齊藤陽介氏(写真左)とヨコオタロウ氏(写真中央)をゲストに迎えて、吉田氏とともに最新コンテンツの裏側を深堀り。

 第58回プロデューサーレターLIVEで発表された新情報は以上の通り。世界各地で猛威を振るう新型コロナウイルス感染症は、『FFXIV』のアップデートにも多大な影響を及ぼしている。その一方で、ハイデリンで形作られたコミュニティーが、未曽有の危機に立ち向かう多くの人々に元気と希望を与えていることも確かな事実だ。最後に、放送内で吉田氏が読み上げた、とあるプレイヤーからの手紙をご紹介して記事を締めくくりたい。

プレイヤーからの手紙:
吉田直樹様。お世話になっております。新型コロナウイルス感染症の外来を担当している医師です。数年前に『FFXIV』を始めて、新型コロナウイルス感染症が流行する前まではときどきログインして、仲間たちと遊んでいました。流行にともない、リモートワークを導入していただいているとのご報告を拝見いたしました。ご協力、まことにありがとうございます。

 ニュースでは「医療崩壊が切迫している」などと言われておりますが、すでに多数の新型コロナウィルス感染症の患者さんが、入院先がなく待機されておられるなど、医療崩壊は目に見えぬところで始まっています。

 毎日、自宅と職場を往復するだけで、帰宅するとすぐに寝てしまいます。支えになるのは、『FFXIV』で出会った仲間から送られてくる「仕事がんばって」や「応援している」というメッセージです。彼らは感染の恐怖を抱えながらも、『FFXIV』や、そこから繋がったSNSでの関係でなぐさめ合い、冗談を言い合いながら自宅での生活に耐えています。

 私たち医療従事者は、患者さんの健康を守ることが使命ですが、オンラインで人と人との繋がりを濃厚に保てる『FFXIV』は、この局面では、精神の健康を守る効果を十分に発揮されておられると感じます。いつも私たちの心の健康をありがとうございます。私自身も『FFXIV』に支えられて日々を過ごしています。

 この局面を無事に生き延びられるのかと思うこともあります。底を突き始める防護具を見て、もうダメかもしれないと思うこともあります。つねに不安はありますが、吉田さんからの現状のご報告を拝見し、『FFXIV』運営チームの皆さんが、プレイヤーの笑顔のために維持してくださっているエオルゼアにまた帰りたいと強く思いました。もう少しがんばらないとダメですね。心強いメッセージとご報告、まことにありがとうございました。

吉田氏は手紙を読み上げた後「むしろ僕たちのほうが、世界中で新型コロナウイルス感染症と戦っている医療従事者の皆さんにお礼を申し上げたいです」と感謝の気持ちを伝えていた。