NetEase Gamesが開発、運営するTPSバトルロイヤルゲーム『荒野行動』で、不可解な現象が発生した。それはゲーム内のチャットウィンドウに特定の文字列を入力すると、金券(課金で得られるゲーム内マネー)が獲得できるというもの。
この情報はSNSですぐさま拡散され、多くのプレイヤーに知られることとなった。なお、この問題は2020年4月14日現在、すでに解消されている。というのも、これはハッカーを題材にした、『荒野行動』新シーズンの大掛かりな演出だったのだ。
では、この騒動がどのように広がっていったのか。本記事ではその流れを追っていくことにする。
重大なバグなのか……?
ことの発端は2020年4月12日。とある攻略サイトが「バグを発見した」という旨の発言をSNSに投稿した。チャットウィンドウに“addgold”と入力すると、ランダムな金額の金券が獲得できるのだという。
【速報】金券無限バグ発生中!!
・金券を大量に無料で獲得できるバグ
・実は開発者用コードが流出
#荒野行動 #荒野金券バグ 詳細▼
https://t.co/7YJCUJQ2Qj
— 荒野行動NEWS【非公式】最新情報・攻略 (@knivesout_news)
2020-04-12 15:06:03
この投稿が話題になると、同様の手順で金券を獲得したプレイヤーが続出。どうやらこれは眉唾な噂ではなく、実際に発生した事象のようだ。
インフルエンサーの発言も重なり、どんどん広まっていった。
金券バグはやばすぎwww
荒野運営さん流石にこれ大問題にならん?www
子供達に優しいなぁwww
拡散しろー!!!!
#荒野金券バグ #荒野行動 https://t.co/o2sJiFGnow https://t.co/tjgOw4ieFh
— 超無課金/αD代表 (@tyoumukakin7)
2020-04-12 15:20:30
金券バグ試してみようと思ったけど、流石に俺がやるのやばいよなと思って五分間広場眺めてたwwwww
なんとか誘惑に勝ったわ
— Bockyサブ (@bocky_sub)
2020-04-12 16:53:17
なお、『荒野行動』公式アカウントはこの件についてシステム修復中とアナウンス。すぐに調査に乗り出したらしい。
ゲーム内で発生している金券バグについて、現在全力でシステム修復中です。
皆さんにご迷惑をおかけして申し訳ございません。
もっとも公平かつ合理的な解決案が出せるよう、もう少々お時間いただけますと幸いです!
ご理解のほど、よろしくお願い致します
— 荒野行動-『KNIVES OUT』公式 (@GAME_KNIVES_OUT)
2020-04-12 16:32:14
しかし、事件は収束するどころか、4月13日に新たなバグ(?)が発見されたことで、より勢いを増していく。
それは12日に発見されたものと同じように、チャットウィンドウにある文字列を入力すると金券を獲得できるというものだった。今度の文字列は、“code11”。一種のお祭り騒ぎ状態はなおも続いた。
これは本当にバグなのか。それとも仕様なのか。多くのプレイヤーのあいだで話題を呼び、これがバグならば、発生前の段階まですべてのデータを巻き戻す“ロールバック“が行われてもおかしくないなどの考えをした人もいただろう。
『荒野行動』運営チームが真相を激白
4月14日に事態は急変する。突如コード入力が無効になり、金券は獲得不可能に。と同時に、ゲーム内でイベント画面が表示されたのだ。
そして、運営チームから今回の騒動に関して説明が行われた。
結論から言えば、今回の件はバグではなく、新シーズンのスタートを盛り上げるべく意図的に仕掛けられた演出だったのだ。
金券コード流出の件はあるハッカーと関係していたことが判明しました。
しかし、その人の正体は判別できません。
彼が残した暗号箱には手がかりがあるかも?
皆さんの力が必要です!謝礼として、金券をプレゼントします
— 荒野行動-『KNIVES OUT』公式 (@GAME_KNIVES_OUT)
2020-04-14 11:02:38
『荒野行動』はバグを装った演出によって大勢の関心を集めることに。これが本当にバグだったとしたらメーカーにとっては大問題だが、結果的にプレイヤーはバグなのか仕様なのかわからないサプライズ演出を体験したことになる。なお、前述の攻略サイトやインフルエンサーの投稿なども、今回の演出に関するプロモーションだという。
また、今回発表された新シーズンのテーマは“Cyberhack:code11(ハッカー侵入)“であり、それを踏まえた、世界観に合わせた演出だったということだ。
言ってしまえば、ログインすると金券がもらえる“ログインキャンペーン”の一種。だが少なくとも、この数日間でプレイヤーたちが見せた盛り上がりは、ふつうにログインキャンペーンを行なっただけでは実現できない規模だった。
イベントとして盛り上がり、ユーザーは“金券“を獲得できるという直接的なメリットも得られたわけで、この演出を楽しんだ人もいるだろう。事実、SNSでは「神運営」やそれに類する喜びの声も見受けられた。
シーズン11“Cyberhack:code11(ハッカー侵入)”概要
『荒野行動』のシーズン11は2020年4月16日にスタートする。テーマはサイバーハック。警察とハッカーのスキンが今シーズンの象徴だ。ハッカーは『荒野行動』の秩序を乱すために妨害活動を実施。金券のコード漏えいも計画の一部の可能性がある。
このハッカーが、シーズン11のメインキャラクターであるようだ。バグ(に見せかけた演出)で獲得できた金券は、ハッカーがプレイヤーのために奪い取ったものだという。
すでに気づいた人もいるかもしれないが、4月13日に発覚した“code11”というコードは、シーズン11とかけられたヒントになっていたわけだ。この段階で事情を察した名探偵はどれくらいいたのだろうか。
このような仕掛けによって話題はゲーム外へ飛び出し、SNSを中心にディスカッションを起こさせた。既存のプレイヤーに普段とは違う楽しみを提供するのと同時に、まだプレイしていない層および過去にプレイしていた層にまで『荒野行動』を巡る話題を届けた。
これこそが、今回の演出における大きな目的だったのではないだろうか。
ホンマヤン
#荒野金券バグ https://t.co/w6bp1KGxBo
— ウェル (@O_F_WEL)
2020-04-12 18:36:31
単発であててくぅ
KOFか猛虎か迷うな
#荒野金券バグ https://t.co/8v8RvfGGOF
— 卍星野中毒極卍 (@Ran_15_Rh_18)
2020-04-12 18:30:43
@GAME_KNIVES_OUT あれ?荒野の運営人変わった?
考えること凄い
— くま (@Kumanano_)
2020-04-14 11:05:28
2日間の金券バグ企画に協力下さり誠に有難う御座いました。
想像以上に盛り上がり、話題性を掴めました。
— 超無課金/αD代表 (@tyoumukakin7)
2020-04-14 11:59:07
なお、4月14日よりゲーム内で金券宝箱の解除イベントが始まっている。すでにプレイしている人はもちろん、これから始める人も、久しぶりに復帰する人も、いまがうってつけのタイミングだ。
とりあえずログインして、ハッカーがばら撒いた金券をもらっておこう。