新型コロナウィルスの拡大を防ぐために世界的に外出自粛が行われている中で、大きく伸びているのが自宅などからのビデオ会議だ。しかし、毎度普通にやるのはなんか面白くない。そこでゲーム系のPCツールを使って遊んでみてはいかがだろうか?

バーチャル背景でゲームの世界から参加すべし

 外出自粛が広まってから利用が大きく伸びているビデオ会議ツール“Zoom”では、Webカメラからの映像の背景を画像に置き換える“バーチャル背景”機能がついている。

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バーチャル背景の設定はメインの設定画面の中に用意されている。

 Zoomは無料である程度の機能が使えて、またこのバーチャル背景の性能が結構良くてバッチリ置き換えてくれるので、かなり手軽。ゲームメーカー各社が最近バーチャル背景用の背景画像を提供しているのは、Zoomを使う人なら画像の読み込みだけで済むというのも大きいだろう。

フォトモードでオリジナルのバーチャル背景を作り出せ!

 ではメーカーが公式に配布しているものしか使えないのかというと、もちろんそんなことはない。元々壁紙として配布されているものを使うのだっていいし、フォトモードがついているゲームなら自分オリジナルの背景を作り出すことができる。

 まぁ自分が撮って気に入った画像を使えばいいのだが、より自然な背景っぽくするポイントは以下のような感じ。何パターンか撮っていろいろ試してみるといい。

  • できるだけ背景のみにする
    • キャラを消すオプションがあるなら有効にする
    • あるいはカメラを調整してキャラが映らないようにする
  • フォトモードのレンズ画角をWebカメラのものより広くする
    • USBカメラなどでは60~80度ぐらいが多い
    • 画角を広げながら何枚か撮る
  • フォトモードのカメラの高さをWebカメラぐらいに合わせる

Zoom以外でバーチャル背景を使うには?

 では、Zoom以外のビデオ会議ツールを使っている場合はどうすればいいか? Skypeで背景をぼかすことはできても任意の背景に置き換える機能はついていないし(※)、Googleハングアウトでもそのままでは背景を弄れない。これはちょっと工夫や投資が必要だが、同じようなことをやる方法はある。(※4月11日午後2時追記:Microsoft Teamsでも本日よりカスタム背景機能が追加された

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ご覧の通り、Googleハングアウトでバーチャル背景を実現。これをどうやったかと言うと……。

背景除去と置き換え機能がついているソフトを経由する

 まずは背景除去&置き換え機能がついているバーチャルカメラソフトを使う方法。こういったソフトを経由して、Webカメラ→バーチャルカメラ→ビデオ会議ソフトという流れで映像を入力すればいい。

 例えばストリーミング配信用ソフトウェアで有名なXSplitは“vCam”というソフトも販売している。そのものズバリの背景の除去機能と置き換え機能がついているので、好きなゲーム画像を背景にしてしまえばいい。

 ただしこのソフトは基本的に有料で、試用状態では全面にロゴの透かしが入る。価格は1ヶ月3ドル95セントから(XSplitのプレミアムライセンスを持っている場合はそれに含まれる)。

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vCamは無料だと全面に透かしが入る。試してみるのには十分だが。

 もうひとつChroma Camというソフトも同様の機能を持っており、背景の除去と置き換えが可能。ロジクールのWebカメラ“C922”に付属していたりもしたので、持っている人もいるかもしれない。

 こちらも試用版と有料版があり、購入する場合は29ドル99セント。試用版ではvCamほどではないもののロゴの透かしが入るほか、背景の置き換えで任意の画像を指定することはできない(のだが、グリーンバックで置き換える方法がある。詳細は後述)。

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ChromaCamの仕様版でSkypeにカメラ映像を入力。仕様版では任意の画像を指定することはできない。……ところでこの記事、俺の顔ばっかりでスイマセンね。

グリーンバックを使う

 無料ストリーミング配信ソフトのOBSには、特定の色を透過させるクロマキー機能があり、画像の読み込み機能があり、さらにOBS自体をバーチャルカメラ化できるプラグイン“OBS-VirtualCam”がある。これらを組み合わせて商用バーチャルカメラと同じことをやるのだ。

 ちょっと力の入ったゲーム配信者なら、グリーンバック(クロマキー合成をやるための緑の布)を持っていたりすると思う。これを自分の後ろに敷いて撮影した映像をリアルタイムに加工するのだが、流れとしては以下の通り。

  1. Webカメラの映像(本人+グリーンバック)
  2. OBSのフィルターで緑にクロマキーを適用(本人だけになる)
  3. OBSのレイヤーでバーチャル背景にしたい画像を下に敷く(本人+背景)
  4. OBSの“ツール”からバーチャルカメラで出力(※要プラグインインストール)
  5. OBSのバーチャルカメラをビデオ会議ツールで読み込む

 そして実は先程のChrma Camは仕様版でも背景をグリーンバックに置き換えられるので、リアルなグリーンバックを敷かなくても同じことができる。つまりWebカメラ→Chroma Cam→OBS→OBS-VirtualCam→ビデオ会議ツールという流れだ。

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Chrma Cam仕様版から無事グリーンバックの画像を読み込めたので、クロマキーを行う。クロマキーは、適用したい映像ソースを右クリックして“フィルター”を選び、“エフェクトフィルタ”から設定できる。

自分がゲームのキャラになっても良し!

 ここからは「ゲームのバーチャル背景を敷くだけでは足りない!」という命知らずな上級者のためのさらなるエクストリームな手段を紹介していこう。

無料ソフトSnap Cameraでオーバーウォッチのマーシ―やPUBGキャラになれ!

 まず、無料かつ簡単にゲームのキャラになったり変わったエフェクトをかけてビデオ会議に出られるのがPC用ソフト“Snap Camera”。

 Snap Cameraはスマートフォン向けカメラアプリのSnapChatが出している無料ソフトで、“レンズ”と呼ばれるさまざまな映像効果を適用し、バーチャルカメラとしてビデオ会議ツールなどに読み込ませることができる。

 レンズには世界のクリエイターが公開しているもののほか、ゲームメーカーが関わっているものもあり、『オーバーウォッチ』のマーシーになれたり、『リーグ・オブ・レジェンド』のTeemoの帽子や、『PUBG』のヘルメットを被れる公式レンズも公開されている。

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ほんと汚い絵面ですまない。

 まぁ本人の外見が変わってしまうので編集部合同の割と大事なビデオ会議にSnap Cameraで紫のオーラを出しながら聞いていた時は意外と平気だったが、まともな会社や学校でやると怒られるかもしれない。万が一怒られても本誌や筆者は責任を取らないのであしからず。

 なおクリエイター向けに“Len Studio”というソフトが公開されており、コレを使えばレンズを自分で作って公開することができる。3DCGソフト系の知識が必要なのでかなりの上級者向けだが、腕に自身がある人はトライしてみるといいんじゃないだろうか。

FaceRigで美少女や犬になれ!

 簡単にVTuberっぽいことができることで知られている『FaceRig』もまた、バーチャルカメラとして使えるソフトのひとつだ。このソフトはWebカメラからの映像を解析して、使用者の顔の動きに合わせてアバターモデルを動かしてくれる。Steamでの価格は1480円。

 『FaceRig』ではデフォルトで付いてくるモデル以外にも、無料DLCとしてValveのアクションシューティング『チームフォートレス2』のキャラが配布されていたり、Steamワークショップを通じてコミュニティが作ったアバターを導入することも可能だ(個人的にはデフォルトで付属する犬や、何のために作られたかわからないハンバーガーキャラがお気に入り)。

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『チームフォートレス2』のスパイになってみた。

 また2次元アバターのLive2Dに対応するモジュールがDLCとして販売されており、こちらの価格は398円。導入するとアニメ風の二次元キャラクターになりきってビデオ会議に出られるという寸法だ(FaceRig自体にボイスチェンジャーがついているので、頑張れば声もアニメ美少女になりきれるかもしれない)。

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母ちゃん、俺も今日から美少女だぜ。

ゲームメーカーなどのバーチャル会議用背景

ソフマップ

サイゲームス

コジマプロダクション

コーエーテクモ

セガ

Team Grounding

D3 PUBLISHER

アークシステムワークス

サイバーコネクトツー

Yoster

PUBG MOBILE

リネージュM

DeToNator

エヴァンゲリオン

刀剣乱舞-ONLINE-

大川ぶくぶ

タニタ