読者のみなさんは“eスポーツ”と聞くと何を想像しますか? FPS、格ゲー、MOBA、パズル? いろいろなジャンルはあるけれど、どれもモニターの前に座って、キーボードやジョイスティックで戦うゲームを連想すると思います!

 しかーし、今回紹介する新世代のeスポーツ“HADO Xball”は、全身で楽しむ競技。eスポーツの常識をくつがえす(かもしれない)競技なんです。

 はい、いま「それは単なるスポーツでは?」とツッコミを入れた人、続きをどうぞ!

 HADO Xballは競技者がヘッドマウントディスプレイを装着し、仮想現実世界(AR)に入って戦う競技。身体を使うスポーツだけど、視界の中はゲーム画面。これは“新世代のeスポーツ”と呼んでもいいのではないでしょうかッ!?

 HADO Xballのルールをわかりやすく紹介すると、“仮想現実世界で競い合うハンドボール”のような球技。ヘッドマウントディスプレイを着用し、ふたりひと組のチームがコートで向き合ったら準備完了。お互いの陣地の最終ラインには自軍のゴールが設置してある。

 ここからがHADO Xballのおもしろいところ。一般的な球技はボールを使うが、HADO Xballはボールの代わりに“光の球体(エネルギーボール)”を投げあって戦う。ふつうの人間でエネルギーボールを撃てる方はいない(と思う)が、仮想現実世界は不可能を可能にしてくれる。

 この光の弾を撃つ仕組みがとてもいい。まるで子どもの頃に誰もが遊んでいた“ごっこ遊び”のような感じだ。競技中に特定のポーズをとると、まるで『ストリートファイター』シリーズのリュウやガイル、『ドラゴンボール』の孫悟空のように、手から技が飛び出すのである。仮想現実世界ってスゴいよ!

 ザックリ説明するとこのような感じなのだが、これ以上いくら文章で伝えてもわかってもらえないと思うので、以下のイメージ映像を見てほしい。

【熱狂を強さに変えろ】観客参加型ARスポーツ「HADO Xball」

 ね、楽しそうでしょ?

近未来の競技“HADO Xball”を観戦してきた!

 2020年2月1日、HADO Xballの試合を取材できる機会に恵まれた。現役eスポーツ選手やゲーム実況者たちによるエキシビション“HADO XBall 良ースポーツ杯!! ~集えesportsプレイヤー~”が開催されると言う――。

 取材班が現場に到着すると、すでに選手たちはウォーミングアップを行っていた。インストラクターからレクチャーを受けているようだったが、大会の賞品が日清食品カップヌードル100食分とあって、みんな眼が真剣だ。eスポーツ選手のみなさんは、勝負事には負けられない性分なのだろう。そして、エキシビジョンに出場するのは以下の4チームだ。

●G-star gaming
●父ノ背中
●チームスマブラ
●チームOMEN

 開始時刻の16:30になると、実況を担当するトンピ?氏とOooda氏の司会進行による開会式が行われた。トンピ?氏によると、各チームは3人で構成され、試合に出場するのはその中から2名。試合時間は100秒で、先に2勝したチームがトーナメントを進めるBO3で進行する。

 相手チームのゴールにエネルギーボールを入れたら1ポイントを獲得し、制限時間内に多く得点したチームの勝利となる。

 なお、試合中はエネルギーボールのほかに、“ブレード”と呼ばれる刀のような弾と、強力な必殺技“エックスボム”も使用可能。これらの攻撃が被弾した選手は一定時間行動不能になるため、ゴールの防御が手薄になってしまう。そのスキを狙ってポイントを取るのが、HADO Xballのセオリーのようだ。ブレードは何度でも使用できるが、エックスボムは規定回数しか発動できない。

一試合目から攻撃の応酬! しかし試合後は……

 一試合目のカードはG-star gamingと父ノ背中。各選手がヘッドマウントディスプレイを装着し、いよいよ試合がスタートした。

 両チームとも序盤から激しい攻撃を仕掛け、1ポイントずつ得点を重ねていく。拮抗が破られたのは8点目。G-star gamingのシュートがゴールを外したのをきっかけに、父ノ背中が得点で優位に立った。さらに、父ノ背中は相手のシュートをキャッチし、見事なカウンターを決めて得点差を広げる。結果、9対11で父ノ背中チームが勝利した。

 試合時間がわずか100秒では、我々観客には物足りない。あっと言う間に感じるくらい楽しく観戦できた。実際に試合を見ていると4人の選手がコート内を動き回っているだけだが、会場に設置されたモニターの中ではエネルギーボールやブレードが飛び交っている。初見の感想は、「何これ! 超楽しそう!! オレもやりてー!!!」だった。

 目の前のリアルな風景と、モニターの中の仮想空間の風景があまりにも違いすぎるため、不思議な感覚になれる。まさに次世代の競技といった感じ。

 観戦しているコチラは気楽なものだが、選手たちは疲れ切ったようで床にダウンしていた。とくに勝利チームの父ノ背中はなかなか立ち上がろうとしない。想像以上に疲れる競技のようだ……。しかしルールはBO3、倒れている暇はない。ガブガブと水を飲んで、2試合目に挑んでいた。

 エネルギー切れを起こしたのは父ノ背中だけではない。2試合目に出場したチームスマブラと、チームOMENも同様だった。この試合に勝利したチームスマブラは、ゼェゼェ息を切らしながら勝利者インタビューに応えていた。

疲れが隠せない選手たち。果たして優勝チームは!?

 そんなこんなでトーナメントが進行し、いよいよ父ノ背中とチームスマブラによる決勝戦。両チームともスタミナ切れで辛そうだったが、優勝の栄冠に輝いたのはチームスマブラ。ここまでチームスマブラは3人目の選手を一度も器用しておらず、決勝戦まで温存していた。相手チームの体力が限界に達した最終試合にフルHPの選手を投入する作戦が見事にはまり、勝利をもぎ取ったのだった。

 どの試合も「疲れた」とか「動けない」とか言いつつも、楽しそうに試合に挑んでいたのが印象的だった。想像以上に楽しい競技なのだろう。

 大会の最後に、HADO Xballは2021年にプロリーグを発足することが発表された。2020年2月29日からプレリーグが開催され、現在は出場選手を募集中。興味のある読者は公式サイトから応募してほしい。

最後にみんなで記念写真。チームOMENのNottinTV氏はお仕事の関係で先に退出したので、左上に追加しておきました。

 完全に余談だが、優勝チーム以外の選手にも会場内でカップヌードルが振る舞われた。試合で疲れ切った後のカップヌードルは、とても美味そうでした!

HADO XBall 良ースポーツ杯!! ~ 集えesportsプレイヤー ~