最新のアップデートに適応し、進化した戦術を見せるイカたち

 数々のドラマを経て、後半戦へと突入した“第5回スプラトゥーン甲子園”。日夜バトルにいそしむイカたちにとって大きな出来事だったのが、年明け早々に『スプラトゥーン2』のアップデートが行われ、さまざまなブキにバランス調整が入ったこと。果たして、甲子園に参加するチームの編成や戦術は、どう変わったのか。多くのイカから注目が集まる中、2020年2月8日・9日に関東地区大会(場所:東京都大田区 大田区総合体育館)が開催された。

 関東地区大会のDAY1には、甲子園2連覇を達成している王者“GGBoyZ”が、いよいよ参戦。その戦いぶりに観衆やライバルからアツい視線が送られた。また、意外なチームの躍進もあり、濃厚な試合が続出することに。本記事では、アップグレードされた戦術で、より深みを増した2日間のバトルの模様を、詳しくお届けしよう。

 なお、大会のルールや対戦ステージについては、第5回スプラトゥーン甲子園の特設サイトでチェックしてほしい。

DAY1:王者“GGBoyZ”が見せる圧巻の塗り! その進撃に立ちはだかるチームとは

 関東地区大会は、8ブロック各32チームでの予選トーナメントからスタート(合計256チームが出場)。トーナメントは3回戦までは並行して試合が行われ、4回戦はメインステージ上で戦うという流れで進行した。ステージに上がり、見事に4回戦を突破したチームはブロック代表となり、準々決勝へ臨めるのだ。

・ニコニコ生放送“「第5回スプラトゥーン甲子園」関東地区大会 DAY1【メイン放送】”

恒例となった、予選トーナメントの1回戦を勝ち抜いたチームへのインタビュー。参加チームが多いだけにピックアップして……ということはなく、なんと128チームに怒涛のインタビューを敢行! つぎつぎとチームの魅力を引き出していくMC陣は、さすがのウデマエである。

 今大会は、イカ研究所の助手3号さんと助手4号さん、ファミ通の世界三大三代川とライターのヴァニラ近藤が解説を担当した。北海道地区大会でプチブレイク(?)した助手3号さんは、今回も視聴者目線の解説で和ませ役に。一方、第5回甲子園初参加となる助手4号さんは、スマートな戦術分析で大会を盛り上げる。また、会場には横浜DeNAベイスターズのマスコット、DB.スターマンが応援に。あちこち駆け回り、来場者の思い出作りに一役買っていた。

左が助手3号さん、右が助手4号さん。ともに試合を解説する一方、ウデ自慢たちのテクニックに思わずうなってしまう場面も。
DB.スターマンが歩けば、そこには人だかりが。応援やファンサービスにいそしむほか、イカス文化祭のゲームにチャレンジする一幕もあった。

 第5回甲子園と言えば、自由なスタイルで『スプラトゥーン』愛を表現する“イカ自慢コンテスト”も名物だ。過去3会場ではDAY2に開催され、各地で圧巻のパフォーマンスがくり広げられてきたが、関東地区大会では、2日間ともコンテスト開催という贅沢な展開に。DAY1では、本格的な造形のパブロやダイナモローラーが披露されたほか、トランペットによる“フライ・オクト・フライ”の演奏に、ホテルニューオートロのティータイムをイメージしたフェイクスイーツも登場と、さまざまな角度からイカへの愛がほとばしった。コンテストで最多票を獲得したのは、羊毛フェルトを使い、フワフワでかわいいインクリングを作った、てこってさんだ。インクリング本体はもちろん、アタマのギアのひれおくんや、クツの裏までしっかりと再現された人形は、大喝采を浴びるのだった。

“イカじまんコンテスト”を制した、てこってさん。インクリングは各部に関節が設けられていたり、交換可能な目が14カラー分用意されていたりと、公式グッズなのでは!? と思ってしまうほどのクオリティーの高さ。

 過去の大会で実績がある選手も多数参戦した今大会。その中でも注目度が高かったのは、全国決勝大会を2連覇している“GGBoyZ”だ(第3回はオンライン代表、第4回は関東地区DAY2代表として出場)。過去の2大会からメンバーがひとり交代したが、その強さは不変。最近の対戦環境にきっちりと対応しており、エクスプロッシャーを軸に、L3リールガンやパブロ・ヒューを取り入れた編成で勝利を重ねていった。“GGBoyZ”をはじめ、決勝トーナメントに進出したのは、以下の8チームだ。

関東地区大会DAY1 ブロック代表チーム

Aブロック:OG
Bブロック:GGBoyZ
Cブロック:蒼
Dブロック:TERA HORNSα
Eブロック:れじぇんどのぼうし。
Fブロック:PIYP
Gブロック:ふぁんたじすた
Hブロック:LC3

OG
GGBoyZ
TERA HORNSα
れじぇんどのぼうし。
PIYP
ふぁんたじすた
LC3

 準決勝1試合目は、“GGBoyZ”対“蒼”。優勝へ絶対の自信を見せる“GGBoyZ”のリーダーに対し、“蒼”のリーダーは、憧れの王者とこの舞台で戦えると、テンションが上がっている様子だ。1戦目のステージは、コンブトラック。“蒼”が序盤からスペシャルを重ねて前に出ようとするも、“GGBoyZ”はこれを手堅く迎撃。N-ZAP85のインクアーマーで守りを固めつつ、対面での強さを見せて盤面はみるみる黄色に染まっていく。“蒼”は打開を狙うも、冷静に対処され、なかなか前に出られない。王者が一枚上手の戦いぶりを見せるが、残り時間わずかというところで“蒼”は連続で相手を倒し、グッと塗り広げる。終始劣勢の中、ワンチャンスをつかんで“蒼”が劇的な逆転勝利を見せた。

 意外な展開に会場が騒然となる中で迎えた2戦目のステージは、バッテラストリート。ここで“GGBoyZ”は、さすが王者と言える修正力の高さを見せる。1戦目の勝利の勢いそのままに攻め込んでくる相手を、2対1での挟み込みや、後ろからの的確なフォローで、“GGBoyZ”が的確に対処していく。“蒼”はしだいに押し込まれ、自陣付近から前に出られない状態に。終盤、スペシャルを合わせて打開を狙うが、すべて潰されて1戦目の再現はならず。“GGBoyZ”が徹底的に相手を封じ、1本取り返した。

 3戦目のステージは、海女美術大学。序盤、果敢に攻め込んだ“蒼”が数的有利を取るが、人数差が生まれても“GGBoyZ”は大崩れせず、踏みとどまって塗り広げていく。“蒼”は攻撃の手をゆるめず、ふたりがボムピッチャーを重ね、ジェットパックも撃ち込むが、いずれも“GGBoyZ”は慌てずにさばき、攻め切るにはいたらない。“GGBoyZ”は終盤、イカスフィアを連続で使い、さらに奥へ進攻。そのまま圧力をかけ続けて勝利し、決勝へとコマを進めるのだった。

準決勝第1試合、“GGBoyZ”対“蒼”。

 準決勝2試合目は、“れじぇんどのぼうし”対“LC3”。子どもふたり、大人ふたりで構成された“LC3”は、8歳のリーダーがカーボンローラーデコで大暴れし、ここまで勝ち上がってきた。その攻撃力の高さに注目が集まる中で迎えた1戦目のステージは、海女美術大学。“LC3”は、インクを塗り広げてカーボンローラーデコが動きやすい状況を作り、攻め込んでくる相手を迎撃していく。しかし、“れじぇんどのぼうし”は相手の戦術に対策を取り、ロングブラスターネクロのメインやマルチミサイルを駆使して、だんだんと塗り返していく。後半は“LC3”のカーボンローラーデコが自由に動けなくなり、チームの攻撃力が低下。最後まで押さえ込んで“れじぇんどのぼうし”が1本先取した。

 2戦目のステージは、チョウザメ造船。“れじぇんどのぼうし”は、全員がL3リールガンという驚きの編成で勝負に臨んだ。これに対し、“LC3”は、全員がそれぞれのブキで自分の役割を果たし、優位に立つ。エクスプロッシャーが的確に相手を倒せば、その援護を受けつつ前線へ出たカーボンローラーデコも大暴れ。さらに、キャンピングシェルターが前でも後ろでも守りを固め、スプラシューターベッチューは攻め上がる相手をきっちり迎撃した。“れじぇんどのぼうし”に流れを明け渡すことなく、“LC3”が1本取り返す。

 3戦目のステージは、エンガワ河川敷。ここで“LC3”のリーダーは、なんとも言えない渋い表情に。ここまで猛威を振るったカーボンローラーデコも、ここでは活かせないと、N-ZAP85に持ち替えた。やや攻撃力の落ちた“LC3”に対し、“れじぇんどのぼうし”は、L3リールガン3人の攻撃で序盤から優位に立つ。複数人で相手を囲む戦いかたで、反撃のチャンスを与えない。終盤、“LC3”が数的有利な状況になるが、攻め切るにはいたらず、中盤までのリードが奏功し、“れじぇんどのぼうし”が決勝進出を決めた。

準決勝第2試合、“れじぇんどのぼうし”対“LC3”。

 決勝戦は、“GGBoyZ”対“れじぇんどのぼうし”。1戦目のステージは、チョウザメ造船。“れじぇんどのぼうし”は、準決勝と同じく全員がL3リールガンを持ち、立て続けに前に出る戦術を取る。“GGBoyZ”は、ここも冷静に対処し、エクスプロッシャーカスタムが攻撃の軸になりつつ、パブロ・ヒューがステージ全体を駆け回って、だんだんと塗り広げていく。終盤、お互いに敵陣に入り込むような展開になり、双方のインクが入り乱れるも、盤面を整える力は“GGBoyZ”が上。最後は相手を各個撃破して優勢のまま試合を終え、1本先取した。

 2戦目のステージは、ムツゴ楼。序盤、“れじぇんどのぼうし”が対面で打ち勝ち、流れをつかむ。ジェットパックの撃ち合いや、お互いのマルチミサイルが飛び交う激しい戦いの中、ステージの各地で倒し、倒されの状況が続くことに。残り30秒で数的有利をとったのは、“れじぇんどのぼうし”で、グッと塗り広げる。やや連携を乱された“GGBoyZ”は、最後になんとか打開しようと攻撃を仕掛けるが、相手に跳ね返され、うまくいかず。“れじぇんどのぼうし”が意地を見せ、1本取り返した。

 何が起きるかわからない、甲子園ならではの展開に、準決勝に続いてざわつく会場。迎えた3戦目のステージは、コンブトラック。“GGBoyZ”は、2戦目終盤の劣勢がウソのように、序盤から一気に攻め上がり、優位に立つ。大きく前線を上げ、相手を自陣付近に押し込めた状態で戦い続けた。“れじぇんどのぼうし”は、状況をうかがいつつ抜け出そうとするが、ステージ全体を見る力に優れている“GGBoyZ”に、すぐさま対処されることに。“GGBoyZ”は、倒される場面はあるものの、味方が耐えているあいだに素早く合流し、大崩れせずに試合は終了。経験と実力を存分に発揮し、昨年に続き“GGBoyZが”関東地区大会を制した!

決勝戦、“GGBoyZ”対“れじぇんどのぼうし”。
観衆の高い期待に結果で応え、ひと安心といった表情の“GGBoyZ”。新加入のれんぞーん選手は、第4回甲子園では近畿地区大会DAY1に“シャボンボース”のメンバーとして参加し、優勝した実力者。ダイナモン選手が“最強の助っ人が入ってくれた”と語るだけに、早速そのウデマエをいかんなく発揮した。

関東地区大会DAY1 優勝チーム“GGBoyZ”インタビュー

Q:今回、チームにれんぞーん選手が加わりました。新メンバーは、どのようなコンセプトで探したのでしょうか?
A:それは……うまい人です(笑)。はじめはざっくりと、うまい人は誰だろう? とみんなで話し合っていました。その中で、れんぞーん選手はガチでうまいから、声をかけてみようという話になり、誘ったんです。使っているブキも、僕らのチームに合うブキだったので、よかったんですよね。

Q:れんぞーん選手は、チームに入ってみて、練習のしかたなどはいかがでしたか?
A:雰囲気がよくて、練習も毎日できたので、とてもやりやすかったです。最初はプレッシャーもありましたが、練習を重ねる中で、だんだん感じなくなりましたね。

Q:戦術として、いままでの大会よりも前線に上がっているように見えました。
A:ナワバリバトルの環境が変化したからだと思います。今年はこれまで以上に、相手を倒す力が求められますよね。そのため、みんなが中衛から前衛みたいな戦いかたになりました。

Q:1月のアップデートで、L3リールガンは少し性能が抑えられました。ブキ編成に影響はありましたか?
A:改めて編成を考えはしましたが、まだL3リールガンでいけるなと思い、そのまま使いました。ずっと使ってきたブキということもありますし。スプラシューターなども試しましたが、射程が重要なので、L3リールガンに落ち着きました。

Q:ダイナモン選手は、エクスプロッシャーカスタムを持ち続けていましたね。
A:(カスタムではなく)エクスプロッシャーを使うことも考えたのですが、イカスフィアが万能なので、結局、通してエクスプロッシャーカスタムを使いましたね。

Q:こうなると、打倒“GGBoyZ”という空気がより強くなってくると思います。何か対策は考えているのでしょうか?
A:全国決勝は、出場するチームがわかっているので、このチームに対してはこう戦う、という対策をそれぞれ取るつもりです。

Q:全国決勝に向けて意気込みを聞かせてください。
A:全国……2連覇してますからね。ここまできたら、もう3連覇するしかないと思っているので、絶対勝てるように、がんばります!

第5回スプラトゥーン甲子園 関東地区大会DAY1 優勝チーム“GGBoyZ”のメンバー。(左から)たいじ選手、ダイナモン選手、えとな選手、れんぞーん選手。