PC用オンライン対戦ゲーム『リーグ・オブ・レジェンド』(以下、LoL)国内プロリーグ“League of Legends Japan League(以下、LJL)”。その2020年度の春季シーズン“LJL 2020 Spring Split”開幕戦が、2020年2月8日に開催される。

 開幕を間近に控えた2月3日、LJLに参戦するプロチーム“Rascal Jester(以下、RJ)”『LoL』部門の新体制発表会が新ゲーミングハウスで行われた。

 まずは簡単にRJについて解説しておこう。RJはサードウェーブがオーナーを務めるプロゲーミングチーム。『LoL』と『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』の2部門で活動しており、『LoL』部門は2013年のLJL設立初期から活動する、いわば古参の名門チームだ。しかしながら、近年は大きな活躍が見られず、低迷の時期が続いている。昨シーズンも8チーム中7位という振るわない結果に終わってしまった。

 そんな中で、1月7日に発表された新たな布陣は、多くのファンを驚かせただろう。昨シーズンにCrest Gaming Act(CGA)で大きな活躍を見せたhachamecha選手とArt選手に加え、“Interregional Movement Policy レジデント”(※)に認定された韓国人プレイヤーのviviD選手が加入し、大きな補強を図ったのだ。

※LJLに日本居住者として参加できる資格のこと。外国人選手はチームごとに人数制限があるが、外国人枠ではなく、日本人枠で参加できる。

◆RJのLJL 2020 Spring Splitの布陣
TOP:Cogcog(Rascal Jester)
Jungle:hachamecha(Crest Gaming Act)
Mid:Ninja(Rascal Jester)
ADC:Art(Crest Gaming Act)
Support:viviD(V3)
Coach:Savage(V3)
Coach:Langlo(ROX Gaming)

※カッコ内は前所属チーム

 今回の発表会では、サードウェーブ代表取締役社長の尾崎健介氏から、韓国のプロチーム“ROX Gaming”と戦略パートナーとして協力体制を築くことが告げられた。

 キム新監督をはじめとしてROX Gamingから経験豊富なスタッフを招き、ゲーム戦略やメンバーへの指導を中心にチームの強化を図るという。「韓国のプロリーグに出場経験もあるROX GamingのノウハウをRJに取り入れたい」と、尾崎氏は意気込みを語った。

サードウェーブ代表取締役社長の尾崎健介氏。
RJの新監督に就任したキム氏。

 さらに、2019年12月中旬に現メンバーがそろった後に、約2週間、韓国への遠征を実施したとのこと。韓国の強豪チームとの練習試合で自分たちの弱点を把握したうえで、ROX Gamingが蓄積したデータを活かして反省点を洗い出し、チームの強化を行っているとキム監督は語る。練習試合の結果もまずまずのようで「日本一を狙えるレベル」だと自信の高さを伺わせた。

 キム監督は「(強さだけを求めるのではなく)ファンから愛されるチームにしたい」とコメント。そのために、選手個人で配信を行ったり、サードウェーブが運営を行うeスポーツ施設“LFS 池袋”を使った施策を実施して、ファンとの接点を増やしていくらしい。

 「選手ごとにプロ意識を高めて、ファンに応援してもらいたくなるような人間性に。ゆくゆくは、ファンから気軽に声をかけてもらえるようなチームにしたい」と、大きな目標を語ってくれた。

選手に訊く新生RJの強さ

 意識改革を行い、チーム内に韓国人選手を3名加えた強力な布陣となった新生RJ。しかし、そこで不安に感じるのが“ゲーム中のコミュニケーション”だ。そんな記者からの疑問に対して、「韓国人選手(Ninja選手、Art選手、viviD選手)の全員が簡単な日本語が話せる」と回答。ゲーム内では日本語を共通語にしているため、ゲーム中に作戦が変わったとしてもコミュニケーションエラーが起きにくいという。

 また、hachamecha選手によると「韓国人選手が担当するMidとBotが注目されがちだが、TopのCogcog選手も気づいたら活躍してくれている。いまのチームはどのレーンからも勝ちを狙いにいける」とのこと。

 「注目の選手は?」との問いには、各選手が以下のように回答。

Cogcog選手「Sengoku GamingのapaMEN選手。昨シーズンは出場していなかったが、以前に対面したときに悔しい思いをした。今シーズンは勝ちたい」

hachamecha選手「Crest Gaming ActのYoshi選手。自分がCGAに在籍していたときに、サブメンバーだったYoshi選手がどれだけ活躍するのかに注目したい。また、日本人のJungleロール担当が自分とYoshi選手だけなので、その点も注目ポイント」

Ninja選手「Crest Gaming ActのLuna選手。いちばんうまいプレイヤーだと思っているから」

Art選手「Crest Gaming ActのGango選手。実力が未知数だから気になっている」

viviD選手「DFMのGaeng選手。昨シーズンの決勝でDFMに負けてしまったので、今シーズンでリベンジしたい」

 「優勝を狙ううえで最大のライバルになるのは?」と尋ねると、前シーズン王者の「DetonatioN Focus Me(DFM)」と回答。「ほかのチームは自分たちの実力を出せれば問題ない。DFMに関しては、しっかりと対策を練って挑みたい」とSavageコーチが語ってくれた。

RJの新ゲーミングハウスをブラり探索

 RJのメンバーは、新体制に伴い、新たに用意されたゲーミングハウスで寝食をともにしている。まだ住み始めて2週間とのことだが、「広くて家の中の生活には満足」と語る選手たち。

 唯一の不満点として、全員が「コンビニが遠い」と苦笑まじりで口にしていた。実際、コンビニまでの距離は遠く、最寄りの店舗でも徒歩10分以上。そんな環境だからこそ、ゲームに集中できるのかもしれない。

 また、1日のスケジュールは、11時から12時にかけて起床。13時前に朝食兼昼食を食べ、14時から練習がスタート。そこから休憩を挟みながら、練習試合を行ったり、個別練習に励むのだという。

 休憩時間は多めに取っているらしく、ほとんどの選手が休憩時間を睡眠にあてているのだとか。ちなみに、家事は当番制で、自分の部屋の掃除は自分で行うそうだ。料理はキム監督が担当しているという。

 最後に、RJの新ゲーミングハウスの模様をお届けして、本記事を締めさせていただく。

家に入ると、玄関で『LoL』グッズがお出迎え。
16帖の練習スペース。各選手がここで腕を磨く。
コーチ用のゲーミングスペースも。
休憩スペースとなる和室。コタツも完備されている。
ゲーミングハウス内の事務所の棚には歴代RJの写真が飾られていた。
キッチンには炊飯器と電子レンジを設置。ここからどんどんモノが増えていく?
こちらが選手の居住スペース。住み始めて2週間だからか、まだまだ物は少ない様子。