2020年の干支は子(ねずみ)。干支の並びでいうと先頭に戻ったことになるが、そんなキリのいい“子年”をテーマにしたネタをお届けしよう。過去の子年を振り返り、ゲーム業界でどんな出来事があったのかをまとめた。なお、文中に登場するメーカー名は、すべて当時のものを掲載している。

1972年(昭和47年) 世界初のテレビゲーム機“オデッセイ”が誕生

 最初に振り返るのは1972年。1983年に発売されたファミリーコンピュータ(以下、ファミコン)よりも10年以上前に、世界初のテレビゲーム機がアメリカで誕生した。それが、マグナボックス社から発売された“オデッセイ”だ。同機では、コントローラの左右に付いたダイヤルを回し、テレビ画面に映る四角い光体を上下左右に動かすことで、テニスなどのゲームを楽しめた。残念ながら日本では発売されなかったので“子年”でくくるには若干無理があるが、記念すべき世界初のテレビゲーム機ということで取り上げた。

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オデッセイはCPUを搭載しておらず、プレイヤーが点数を計算する必要があるなどアナログな一面も。

1984年(昭和59年) ファミコン発売の翌年に各社から最新ハードが登場

 1984年は、前述したファミコン発売の翌年にあたる。当然ファミコン用ソフトが多数発売され、アーケード版からの移植作品も目立った。とくにナムコは『ゼビウス』や『ギャラクシアン』、『パックマン』などの人気作品をこぞってファミコンに移植。いずれも大ヒットを記録した。この年に発売されたのが、ファミコンでゲームプログラムを自作できる周辺機器“ファミリーベーシック”。当時はパソコンも高価だったため、ゲームを自分でプログラミングするのは一般的ではなかった。そのため、ファミコンを使ってBASIC言語のゲームプログラムを自作できるのは非常に画期的だったのである。
 このほか、セガ・エンタープライゼスからは“SG-1000II”が、エポック社からは“スーパーカセットビジョン”がそれぞれ発売された。

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ファミリーベーシックは、専用のROMカセットとキーボードがセット。ROMカセットに乾電池を入れるとデータのバックアップが可能。

1996年(平成8年) 任天堂が待望の新ハードを投入。人気ソフトの1作目がデビュー

 当時のゲーム業界は、1994年にそれぞれ発売されたプレイステーションとセガサターンのタイトルが席巻。対して任天堂は、1990年に発売したスーパーファミコンの後継機を満を持して投入。それが、1996年6月23日に発売された“ニンテンドウ 64”だ。本体と同時発売の『スーパーマリオ64』が累計で約163万本と大ヒットを記録。ほかにも『マリオカート64』や『ニンテンドウオールスター!大乱闘スマッシュブラザーズ』(1999年発売)など数々の名作を生み出した。なお、任天堂はニンテンドウ 64の発売から約1ヵ月後の1996年7月21日に、ゲームボーイの後継機となる“ゲームボーイポケット”を発売。小学生を中心に人気を博した。
 また、1996年は、現在でも人気のシリーズ作の記念すべき1作目が多数登場した年でもある。代表的なのは、カプコンから発売された『バイオハザード』、任天堂から発売された『ポケットモンスター 赤・緑』、セガの『サクラ大戦』など。

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コントローラに3Dスティックを搭載したニンテンドウ 64。ほかにも周辺機器の振動パックなど、斬新なアイデアを実現させた。
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ホラーアクションアドベンチャーの代表作として、多くのゲームクリエイターにも影響を与えた『バイオ ハザード』。

2008年(平成20年) 次世代ハード三つ巴の時代。携帯ゲーム機にも新たな動きが

 2008年のゲーム業界は、プレイステーション3、Wii、Xbox 360による熾烈なシェア争いがくり広げられていた。据え置きゲーム機以上に活気に溢れていたのが携帯ゲーム機で、ニンテンドーDSは『脳トレ』(2005年発売)シリーズ、プレイステーション・ポータブルは『モンスターハンター ポータブル』(2005年発売)シリーズが爆発的なヒットを記録。そんななか、任天堂が最新モデル“ニンテンドーDSi”を発売したのもこの年だった(2008年11月1日)。

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ニンテンドーDSiはSDメモリーカードスロットを搭載。インターネット経由でゲームソフトをダウンロードできるようになった。

果たして2020年は!?

 振り返ってみると、子年は最新ハードの発売や、大ヒットタイトルが誕生する傾向にあるようだ。すでに2019年には、“プレイステーション5”と“Xbox Series X”が2020年年末に発売予定であることが発表されている。ほかにどんな動きがあるのか、2020年もゲーム業界にチュー目してみよう。