ここどこ?
寒い!
なんだこれ!
でかい!

 DMM GAMESより2020年2月27日発売予定のプレイステーション4向けサバイバルシミュレーション『Frostpunk』。本作の発売に先駆け、2020年1月23日に北海道・稚内にて、『Frostpunk』“極寒体験会 in 稚内”が実施された。

 『Frostpunk』は凍てついた地球で最後に残った街の指導者として 、民衆を率いて社会の存続を目指すサバイバルシミュレーションゲーム。このイベントは、極寒のゲームを極寒の地(稚内)で先行体験しようという、なんともぶっ飛んだ企画だ。

 稚内市役所 観光交流課ホームページによれば、会場となった“稚内港北防波堤ドーム”は「北埠頭が旧樺太航路の発着場として使われていたとき、ここに通じる道路や鉄道へ波の飛沫がかかるのを防ぐ目的で、昭和6年から昭和11年にかけ建設された防波堤」とのこと。

 高さ13.6m、柱の内側から壁までが8m、総延長427m、柱の総数70本という半アーチ式の構造形式で、北海道遺産に指定されている。ほえー。

 ひと目見たときには、「すわ、稚内に巨大なローマ建築物が!」と思ったが、防波堤なのか。北海道はスケールが違う。

 そのバカでかい防波堤ドームのどこにイベント会場が?

ココ!

 この日の最高気温は-0.6℃、最低気温は-2.5℃。いわゆる氷点下じゃん。静岡生まれ東京暮らしの記者には耐え難い寒さだったが、地元の方の話ではこの日は暖かいほうだとか。北海道はスケールが違う。

 さて、本イベントは一般参加もオーケーなものだったが、この寒さの中、この辺境の地(失礼!)にいったい誰が訪れるというのか。DMM GAMESスタッフの予想でも4~5人といったところ……だったのだが、予想を大きく上回る総勢30人ほどの一般参加者がイベントに足を運んだ。なんて奇特な方たち(いい意味で!)。

写真左より、開発スタジオ11 bit studios マーケティングディレクターのPatryk Grzeszczuk氏、DMM GAMES『Frostpunk』プロデューサーの早稲田誠氏、ディレクターの小守寛章氏。

 夕刻~夜になるにつれ、気温はどんどん下がっていくが、試遊の列は途絶えず、最後には1時間以上も極寒の中でプレイする参加者(しかもとんでもない軽装)もいて、驚くばかり。イベントはこの規模、環境、場所を考えれば終始大盛況と言えるものだった。

参加者には温かいスープも提供され、プレゼントとして『Frostpunk』特製のLEDランタンと、冷却ジェルシート(!)が渡された。

 だいぶ前置きが長くなったが、『Frostpunk』について紹介しよう。本作でプレイヤーは、寒さと戦いながら死にゆく街を守り、リーダーとして民衆を率いていく。食料や物資の確保だけでなく、住民を統制するための法の制定、医療施設の拡充、食料の配給など、社会の管理まで求められる。

 その中で、さまざまな“決断”をすることになるのだ。深刻な労働力不足のために子どもまで動員するのか、秩序を乱す市民を処分するのか……、ときには苦渋の決断を迫られることもある。善と悪、光と闇の境界線を引くのは、まさにプレイヤー自身! という、骨太な社会派ディストピアスチームパンクが描かれる。

 開発を手掛ける11 bit studiosは、世界450万セールスを記録したサバイバルシム『This War of Mine』や、2DローグライクRPG『Moonlighter』などで知られるポーランドの開発スタジオ。これらのタイトルを耳にしたことがある方も多いだろう。

11 bit studios
マーケティングディレクター
Patryk Grzeszczuk氏

 同社のマーケティングディレクターのPatryk Grzeszczuk氏によれば、『Frostpunk』はもともと“社会”を構築することをコンセプトとしており、サバイバルゲームというジャンルの再構築を目指したという。サバイバルというとシビアでストイックなものになりがちだが、エンターテインメント要素とのバランスをとりつつゲームを構成したところがチャレンジだった。

 本作のゲームデザインとして、プレイヤーに選択を迫る場面が多くなっている。プレイヤー自身に善悪の判断を委ねることこそが本作の意図であり、おもしろさの肝になっている部分だ。このコンセプトは『This War of Mine』や、同じくポーランド産の『ウィッチャー3』などにも通ずるもの。ひとつの物事を多角的に見ることを重要視しており、その背景にはポーランドの歴史や文化による影響が多分にあるとPatryk氏は語る。

 プレイステーション4版の開発にあたっては、コントローラーの操作性や、UIまわりなど、1年の時間をかけて慎重に最適化を行った。また、PC版ではDLC第2弾『The Last Autumn』が配信されたばかりだが、プレイステーション4版についても準備・検討していきたいとのこと。

 ちなみに、Patryk氏は「日本のゲームで育ちました」というほどの大の日本ゲームファンで、お気に入りとして『メトロイド』、『悪魔城ドラキュラ』、『ストリートファイター』シリーズ、『ファイナルファンタジーVII』などを挙げていた。そんな日本への思い入れもあり、「本作が日本で家庭用ゲーム機版として発売されることをたいへん光栄に思います」と語った。ちなみにちなみに、Patryk氏のタトゥーには昇竜拳のコマンド(指)や、『スーパーマリオブラザーズ』のキノコ(腕)など、日本のゲームにちなんだデザインが多数。クール!

 本作は海外版(PC・Steam)が発売されているが、すでに世界で140万セールスを超えるヒットとなっている。プレイステーション4版(日本語版)のローカライズについては、ディレクターの小守氏が「自信を持ってお贈りします」と力強いコメントを寄せてくれたので、2020年2月27日の発売を楽しみに待ちたい。そして購入した暁には、若干部屋を寒くしてプレイすると臨場感が増すかもしれない。

おまけのライトアップ防波堤ドーム。激寒いけどきれい~。