ディライトワークスが2019年冬に配信を予定しているiOS/Android用ゲーム『カプセルさーばんと』のメディア向け試遊会が2019年12月13日に開催された。本記事では、製品版のゲームを実際に遊んだ感想をお届けする。

アプリ『カプセルさーばんと』先行レビュー。単体のゲームとして十二分に楽しめる完成度_01

 『カプセルさーばんと』は、『Fate』キャラクターが多数登場する対戦型タワーディフェンスゲームだ。

 本作は、2014年にPS Vitaで発売された『Fate/hollow ataraxia』に収録されていたエクストラゲームが、“Fate/stay night 15th Celebration Project記念企画”としてスマートフォンアプリに移植されたもの。とはいえ今回、製品版を実際にプレイして、単体のゲームとして十二分に楽しめる完成度だと感じた。

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今回はiPadで試遊することができた。操作は基本的に画面のタップのみなので、ワイドな画面で楽しめるiPadでのプレイはかなり快適だった。

個性的な“さーばんと”を次々に召喚して、敵マスターの拠点を攻め落とせ!

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 プレイヤーは“シロウ”または“リン”となり、“さーばんと”と呼ばれる英霊っぽいなにかを召喚して、次々と立ちはだかる敵マスターと戦うことになる。

 ちなみに“リン”でプレイすると、ステージ構成は同じだが、敵のマスターや“さーばんと”のレベルが高い状態になっているので、まずは“シロウ”でプレイするのがオススメだ。

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難易度が“むずかしい”となっているリンでプレイすると、シロウで開始する場合より、敵のマスターや“さーばんと”のレベルが大幅に上昇。手持ちの“さーばんと”は難易度を変更しても引き継がれるので、最初はシロウで“さーばんと”を育成するといいだろう。
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チュートリアルを兼ねた最初のステージでは、敵マスターとして間桐シンジが登場。会話デモでのコミカルなやり取りにも要注目だ。

 バトルでは、フィールドの左端にプレイヤーの拠点が、右端に敵マスターの拠点があり、相手の拠点を攻撃して破壊すれば勝利となる。

 実際に戦うのは、マナを消費して召喚陣から召喚された“さーばんと”だが、プレイヤーは“さーばんと”たちに直接命令することはできない。

 その特徴に応じて敵に向かって前進したり、その場に留まって遠距離攻撃を行ったりする“さーばんと”たちを上手く組み合わせて、敵の“さーばんと”を打ち破り、拠点の破壊を目指すのだ。

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 “さーばんと”を召喚するには、決まった数のマナが必要だ。マナは時間が経過すると自動で回復するほか、バトルで倒れた“さーばんと”のマナを回収することでも溜まっていく。

 もちろん、能力の高い“さーばんと”ほど、召喚に必要なマナも多くなるので、強力な“さーばんと”を1騎だけ召喚するのか、それとも低コストな“さーばんと”を大量投入するのかといった判断も必要になる。

 また、“さーばんと”が出撃する召喚陣は、画面タップで自由に動かすことができるため、敵拠点の近くに召喚陣を配置して、次々に“さーばんと”を送り出して攻勢をかけることもできる。ただし、召喚陣が自分の拠点から離れるほど、召喚に必要なマナのコストが増加するのが悩みどころだ。

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バトルも終盤になると、敵拠点の近くに置かれた召喚陣から、味方の“さーばんと”たちがぞくぞくと出撃して、ワラワラと襲いかかる光景が展開される。こうなると、もう勝利は目前だ。

 さらに、画面左下隅にあるMASTERゲージが溜まると、タップすることでマスター固有の必殺技を発動できる。

 マスターの必殺技はゲージが溜まるのに時間がかかるぶん、かなり強力な効果を有しており、たとえ自陣近くまで追い込まれた状態でも、必殺技を上手に使えば挽回可能だ。ただし、敵マスターも同様に固有の必殺技を使ってくるので要注意。

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シロウの必殺技“せいぎだいばくはつ ナインライブズ・ボム”は、画面上の敵にまとめてダメージを与えられるので、敵のラッシュをいったん食い止めることができる。
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敵マスターの必殺技などは、メニューの“マスターリスト”で確認できる。

 バトルに勝利すると、マスターと“さーばんと”の双方がレベルアップする。レベルアップの基準となるのはどちらも、そのバトルで“どれだけ召喚したか/されたか”なので、マナに余裕がある限り、いろんな種類の“さーばんと”をどんどんと召喚するほうがお得だ。

 また、バトルの際に“拠点が無傷”などの条件を満たしていると、勝利後の評価が上がり、取得経験値が増加していく。同じステージを繰り返しプレイすることもできるので、得意なステージで経験値を稼いで、マスターや“さーばんと”をレベルアップさせることも可能だ。

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 バトルに勝利すると、マップ上で新たなステージが出現して、新たなマスターと対戦できるようになる。

 途中でルートが分岐している場合もあるが、基本的にはマップの下に行くほど難易度が高くなるので、自分のレベルを考えながら、次に進むステージを選んでいこう。

 もちろん、敵マスターよりもこちらのレベルが低い場合でも、自分のプレイ次第でステージをクリアーできる。

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総数50騎以上の“さーばんと”を無料の“せーはいガチャ”でゲット!

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 バトルに勝つと“せーはいガチャ”を回して新たな“さーばんと”を入手できる。……といっても、本作にはアプリ内での課金要素はないので、ご安心を(笑)。ステージをプレイしてバトルに勝利するたびに、“せーはいガチャ”を回すことが可能だ。

 “せーはいガチャ”で入手できる“さーばんと”は、そのバトルで対戦した敵マスターが使用していたものに限られる。すでに持っている“さーばんと”が出た場合は、その“さーばんと”のレベルが1アップする。

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 本作の要となっているのが、この“さーばんと”の存在だ。それぞれの“さーばんと”は『Fate』シリーズでの特徴を反映した、多彩な能力を持っている。セイバーならまっすぐ前進して近接攻撃で敵と戦う、ランサーならリーチが長いので味方の後ろから敵を攻撃できる、アーチャーなら召喚された位置に留まって移動しない代わりに遠距離から敵を攻撃できる、といった具合だ。

 そこで本作では、召喚に必要なマナのコストと、敵マスターが召喚してくる“さーばんと”の種類を考えて、より効果的な“さーばんと”の組み合わせを考えたデッキを組む必要がある。デッキをどういった編成にするのかが、本作の戦略の第一歩だ。

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 本作で入手可能な“さーばんと”は、なんと50騎以上! その中には、かなりインパクトのある“さーばんと”も存在しているようだが……!? ちょこまかとした動きも愛らしいだけに、それぞれの“さーばんと”がバトルでどんな活躍を見せてくれるのか、すべて集めてみたいところだ。

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各さーばんとの能力やグラフィックのモーションなどは、メニューの“さーばんとリスト”で確認できる。

『Fate』シリーズの人気キャラクターが敵マスターとして立ちはだかる!

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 本作には『Fate/stay night』をはじめ、さまざまな『Fate』シリーズのキャラクターが敵マスターとして参戦している。

 敵マスターの初登場時には会話デモが用意されており、原作を反映しつつもちょっとユーモラスな会話を繰り広げている。このデモ部分の会話はおなじみの声優陣によるフルボイスとなっているので、『Fate』ファンなら必聴だ。

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 ステージに登場している各マスターの拠点や戦闘ボイスにもぜひ注目してほしい。間桐シンジが自分をかたどった彫像のような、ナルシスト全開の拠点になっているかと思えば、妹の間桐サクラはお菓子が山積みになった形だったりと、それぞれの個性が反映されたものになっている。

 “ケイネス”であればビル、“キレイ”であればマーボー、“ウェイバー”であればライダーが好んでいたテレビゲームと、原作の小ネタが仕込まれた拠点も存在。ケイネスの拠点にダメージを与えるとビルにどんどんヒビが入っていき、やがて倒壊する様はなんともいえない。

 さらに、敵マスターが使用する“さーばんと”も、ケイネスならランサー、アヤカならプロトセイバーといった具合に、各キャラクターの原作にちなんだものが登場してくる。

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マップの全体図。各所に正体不明の敵マスターが配置されているが、いったいどんなキャラクターが登場してくるのだろうか? そして彼らが召喚する“さーばんと”は?

 このように、コミカルな雰囲気ながらも『Fate』シリーズのエッセンスが随所に詰め込まれている本作だが、一方で対戦型のタワーディフェンスゲームとしても、しっかりと戦略を組み立てて戦う楽しさを堪能できる点に注目したい。

 システム紹介のところでも説明したように、本作では召喚陣を敵拠点の近くに移動させて、攻撃を畳みかけていくのが基本となっている。だが、調子に乗って無闇に近づけすぎると、今度は自陣の近くに敵の召喚陣が置かれて、自分の“さーばんと”がいない裏を取られてしまう。このあたり、CPUが相手ながらも駆け引きの楽しさが感じられる。

 デッキ編成で説明した“さーばんと”の組み合わせにしても、それぞれの長所を活かして短所をカバーできるような組み合わせを考え、さらにマナを消費するペースを考えた上でタイミングよく召喚していくといった戦い方が求められる。

 遠距離攻撃を主体に地道に削っていったり、コストの低い“さーばんと”を量産して、数を頼みに押していくといったように、プレイヤーの好みによって戦略も異なってくるだろう。

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アーチャーは遠距離から敵を攻撃できるのが魅力だが、逆に接近されてしまうと弱い。そのため、接近戦に強い“さーばんと”で前線に壁を作る事が重要だ。
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近接戦に強いセイバータイプ、長いリーチで味方を支援できるランサー、さらに後方から遠距離攻撃できるアーチャーといった具合に、“さーばんと”たちをバランスよく戦わせる組み合わせを考えるのが楽しい。

 画面をタップするだけのシンプルな操作で、かわいいキャラクターがちょこまかと活躍する本作だが、じっくりと戦略を練って挑めば、ちゃんと歯ごたえのある内容になっているところが魅力だ。

 今回は製品版の試遊ということで、リリースもかなり近づいてきているはずなので、ぜひ楽しみに待っていてほしい!