お芝居と、ラップとダンスによるイリュージョン
キングレコードが手掛ける、音楽原作キャラクターラッププロジェクト、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』、通称“ヒプマイ”。
キャラクターたちがラップバトルを行うという世界観のもとにくり広げられる本プロジェクトは、YouTubeやSNSを通じて女性たちのあいだで大きなブームとなり、声優による楽曲やドラマCDに留まらず、昨今では漫画やアプリゲーム(『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』2020年配信予定)と言った多面的なメディアミックス展開を行っている。
2019年11月15日から12月1日まで、品川プリンスホテル ステラボールで行われていた舞台、“『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-”、通称“ヒプステ”もそのひとつ。
2.5次元の世界へ飛び出した“ヒプマイ”とはいったいどんなものなのか。本記事ではゲネプロで行われたキャストたちの熱い演技、パフォーマンスをリポート。
※ストーリーの核心には触れませんが、ネタバレと感じる箇所がある場合があります。また、主観的な感想、独自の解釈などが含まれている可能性があります。
領土を巡る男たちの闘いの行方は……
あらすじは、H歴――武力により戦争が根絶され、女たちが中王区で政権を握る世界。
女たちは男たちから武器を取り上げ、その代わりに、精神に干渉する特殊な【ヒプノシスマイク】を渡した。彼らはシンジュク・ディビジョン、シブヤ・ディビジョン、イケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョンなどの区画に分けられ、そのディビジョン代表がバトルをし、勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる。
言葉が力を持つことになった世界で、男たちの威信をかけたバトルが始まる……。
物語は、イケブクロ・ディビジョン“Buster Bros!!!”がディビジョンバトルの予選に勝利したところから始まる。あと1勝すれば決勝トーナメントに進出できるというところで、リーダーの山田一郎は、弟でありチームメンバーの山田二郎と山田三郎の余裕綽々の態度を諌める。一郎はかつてのチームメイト、碧棺左馬刻に対する闘志を燃やし、チームの結束を固めなければ勝つことはできないとふたりに語るのだった。
そんな“Buster Bros!!!”のつぎの対戦相手はアカバネ・ディビジョン“North Bastard”。
しかし調べるうちに、何やらキナ臭い噂が出てくるこのチーム。兄のために二郎三郎が競ってこのチームの情報を集めている中、一郎のもとには、かつての彼の幼なじみが訪ねてくる。
一方で、左馬刻が現在チームを組むヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”は危なげなく決勝トーナメントに駒を進めることに。一郎のいる“Buster Bros!!!”の動向を気にする様子を見せる左馬刻の前に、かつて彼にヨコハマを追われたことで恨みを持つ狐久里梁山(こくりりょうざん)が現れる。
口ぶりからして、どうやら彼もアカバネ・ディビジョン“North Bastard”の一員らしいが……。
“MAD TRIGGER CREW”も、警官である入間銃兎を中心に、“North Bastard”の正体を調べることに。そして毒島メイソン理鶯は、“North Bastard”のメンバーに元軍の研究員の蛇穴健栄(さらぎけんえい)がいることに気付く。
徐々に“North Bastard”の真実に迫っていく“Buster Bros!!!”と“MAD TRIGGER CREW”。
“Buster Bros!!!”と“North Bastard”のディビジョンバトルの行方は、果たして? そしてそれに対し、“MAD TRIGGER CREW”はどう出る?
舞台は、そうしたストーリーのなかに、ラップを基調としたナンバーが織り込まれながら進行していく。
原作から飛び出してきたようなビジュアルのキャストたち。ラップは未経験というキャストもいる中で、演技だけでなくラップやダンスともに非常に完成度が高い仕上がりとなっており、その評判は公開後瞬く間にTwitterを中心にSNSを話題となった。
また、ディビジョン・ダンス・バトル“D・D・B”による迫力のあるダンスや、光を使った映像による演出効果も、華やかなキャストにさらに花を添える役割を果たしており、原作になぞらえたキャラクターやストーリーを楽しむ“2.5次元舞台”としてだけでなく、エンターテイメントとして存分に楽しむことが出来る舞台となっていた。
そんな本作が収録された、『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-Blu-ray&DVDは2020年4月22日に発売予定となっている。
興奮をもう一度味わいたい方はもちろん、会場に足を運べなかった方も、ぜひこちらの購入を検討してみてはいかがだろうか。