“勇者杯2019秋”決戦の舞台は映画館!
『ドラゴンクエスト』(以下、『DQ』)シリーズのキャラクターやモンスターたちがカードとなって戦う、スマートフォンとPC(Yahoo!ゲーム)、Nintendo Switch向けにスクウェア・エニックスより無料配信中の対戦デジタルカードゲーム、『ドラゴンクエストライバルズ』。
2018年5月に開催された“勇者杯2018春”を皮切りに、3ヵ月おきという短いスパンで開催されている“勇者杯”は、各弾の頂点に立つプレイヤー=“勇者”を決める公式全国大会。そして2019年11月9日、第7回となる“勇者杯2019秋”が開催されました。インタビューに行くまえに、大会でくり広げられた熱戦の模様を解説します!
いままでとは装いが異なり、今回の舞台は映画館。決勝大会の会場となった神奈川・イオンシネマ港北ニュータウンでの模様を、京都・イオンシネマ京都桂川と愛知・イオンシネマ名古屋茶屋にて、リアルタイムのライブビューイングで上映するという試みが実施されたのです。
映画館なので、飲食はもちろんオーケー。ポップコーンとジュースを買い、ゆったりくつろげるシートに座り、巨大スクリーンで『DQライバルズ』の名勝負を観戦できる日が来るとは……。
勇者杯2019秋ではゲーム内などでプレイヤー全員が参加できる一次予選が行われ、勝ち抜いたプレイヤーたちでオフライン予選を実施。そこで上位を収めた7名と、9月度のランクマッチ“空の英雄杯”で1位となりシード権を得たposesi選手を含めた、8人の選手で決勝トーナメントが行われました。
【勇者杯2019秋 決勝トーナメント出場選手】
・posesi選手(2019年9月度ランクマッチ“空の英雄杯”1位)
・なかもー選手(オフライン予選1位)
・八九寺れーぷる選手(オフライン予選2位)
・カイト選手(オフライン予選3位/“勇者杯2019春”優勝、“勇者杯2019夏”出場)
・empty選手(オフライン予選4位)
・二宮シグレ選手(オフライン予選5位/“勇者杯2018冬”出場、“勇者杯2019春”出場)
・大きなメダル選手(オフライン予選6位/“勇者杯2018冬”準優勝)
・まめ選手(オフライン予選7位/“勇者杯2019夏”準優勝)
参加選手の半分が過去の勇者杯出場者という強者が揃い、初出場の選手も毎月のランクマッチで好成績を収めているなど、その実力は本物。なお、決勝トーナメントは3リーダー&デッキ公開制のBO3コンクエスト方式で、先に2勝したプレイヤーが勝者となるルールです。
準々決勝では第1試合でまめ選手、第2試合でカイト選手、第3試合でなかもー選手、第4試合で二宮シグレ選手が勝ち上がって準決勝へ進みました。準決勝第1試合は、まめ選手が勝利。第2試合ではなかもー選手が勝利し、この2名での決勝戦に。
準々決勝の第1試合からすばらしい試合の連続だったので、ぜひ大会のアーカイブ動画をご覧ください。ここでは、プレイヤーの頂点が決まる決勝戦の模様をリポートしていきます。
一手が状況を変える! 緊張感溢れる決勝戦
ステージで、決勝戦へ向けての意気込みを語る、なかもー選手とまめ選手。
「前回は準優勝でくやしい思いをしたので、今回は優勝して違う景色を見たい」(まめ選手)
「ここまできたからには優勝したい」(なかもー選手)
ちなみに、なかもー選手は勇者杯2019秋の前日も『DQライバルズ』のランクマッチを延々とプレイしており、なんと徹夜で参加したとのこと。
さて、まめ選手となかもー選手のデッキを紹介していきましょう。この中からいずれかを選び、バトル開始となります。デッキごとの相性もあるので、相手がどのデッキを出してくるかを予測するのも非常に重要となります。
■まめ選手
【僧侶デッキ】
【占い師デッキ】
【商人デッキ】
■なかもー選手
【魔法使いデッキ】
【占い師デッキ】
【武闘家デッキ】
注目の第1戦は、まめ選手が占い師、なかもー選手が武闘家でスタート。まめ選手の占い師は中盤から後半で真価を発揮するデッキ構成となっている一方、なかもー選手の武闘家は早いターンで勝負を決められるアグロ寄りのデッキ。なかもー選手としては、できるだけ早いターンで勝負を決めてしまいたいところ。
まめ選手は勇者ソロで冒険者ユニットのグランマーズとクロウズを手札に。なかもー選手はこの隙に少しでもユニットを展開してダメージを与えたいはずですが、低コストで強力なユニットカードが引けず、思うようにダメージが与えられません。
まめ選手はクロウズを展開するも、なかもー選手のブラッドレディに倒され、なかもー選手はユニットに厚みを持たせていきます。理想的なカードを引けないまめ選手は、サイコロンで盤面のリセットを狙います。
しかし、なかもー選手はクリフトを出し、ブラッドレディのHPを回復してサイコロンを処理。さらに、ふたたびスライムスカウトを使ってユニットを展開します。対するまめ選手は、いまだ状況を打破できるようなカードを引けない状況。
なかもー選手はネクロマンサーを出し、場には高攻撃力、高HPのユニットが3体いるという状況に持ち込みます。対するまめ選手は、死神のカードでも一掃できません。さすがにこれ以上、リーダーのHPを減らされてはまずいと感じたのか、超必中効果からの愚者のカードで、なかもー選手のユニットすべての攻撃力、HPを1にしてターンエンド。
ここでなかもー選手は天空の花嫁ビアンカを使い、ヒーロースキルLv.1を味方ユニットのブラッドレディに使用。自分のユニット1体を犠牲にしても、早い段階でヒーロースキルLv.2のゲレゲレを使うためでしょうか。
死神のタロットで、ようやくなかもー選手の全ユニットを除去。加えて、におうだちのプヨンターゲットを出してターンを終了します。
なかもー選手はプヨンターゲットを除去しつつ、武術カードを溜めていきます。手札にさそりばちがあるので、低コストカードが揃えば一気に勝負をつけられます。
まめ選手もそれを警戒してか、リーダーへのダメージを防ごうとウォールを作ります。しかし、なかもー選手の手札にプオーンが! プオーンを召喚し、手に入れたカードは古武道のツメ。一気に武術カードを手札に加えたなかもー選手に対し、まめ選手の残りHPは8。なかもー選手の勝利は目前かと思われたのですが……!?
まめ選手がユニットを大量に展開、なかもー選手のユニットを処理しつつテンションスキルを回すと、ここで太陽のカードが手札に! HPを15まで回復したことで、なかもー選手が一気に勝負をつけるのは難しい状況になります。それどころか、逆に自分のHPが13まで減らされて、立場は完全に逆転。
相手の場にいるユニットを処理しなければ負けるという窮地に立たされた、なかもー選手。さそりばちが消滅するのを覚悟でダークドレアムを召喚し、盤面をリセットするも、まめ選手の手札にもダークドレアムがあったため、カウンターで出されます。これにはなかもー選手も「マジか!」という表情。
最善の手を打ってユニットを展開したなかもー選手ですが、まめ選手のダークドレアムの攻撃後、愚者のタロットでユニットのHPを1に減らされて、さらにつむじ風でリーダーのHPはゼロに……。第1戦はまめ選手の勝利!
第2戦は、まめ選手が僧侶、なかもー選手が魔法使いデッキを選択。これには実況・解説陣もかなり驚いていました。なぜなら、僧侶は相性の悪い相手が多く、ここで出すことはないと予想していたから。まめ選手の選択に、なかもー選手も驚いた表情を見せます。まめ選手が商人を出すと読んで、なかもー選手は魔法使いを選んだのかもしれません。
会場もざわつく中で始まった2回戦、序盤にまめ選手はフローラのヒーロースキルでカードを加えつつ、アンチヒーローのゾーマにチェンジ。理想的なカードも手札に加わっていきます。対するなかもー選手は、マリガンでこそ理想的なカードを引けませんでしたが、3ターン目までにある程度スライムを展開できるカードが手札に入ります。
なかもー選手はぶちスライムの攻撃力を上げてスライムデッキの展開を試みますが、まめ選手のあくまのきしに動きを封じられて行動不能に。
苦しい状況に悩むような表情を見せる、なかもー選手。まめ選手のアンチヒーローカードである大魔王ゾーマがLv.2となっているので、ここでスライムを一気に展開しようと仕掛けても、Lv.2のアンチヒーロースキル“死にゆく者こそ 美しい”でかき消されてしまうのです。それでも、相手に使わせない限りは自分の理想的な動きができないので、ギリギリ被害を抑えながら、状況を整えるように動いていきます。
しかし、まめ選手がウイングタイガーをこれ以上ないタイミングでドロー。マリベルを精霊の矢で処理し、ウイングタイガーでぶちスライムの攻撃力を1に。これで、倒してもスライムが1体しか出現しなくなるのです。しかも、まめ選手はゾーマのLv.2スキルを温存したまま。
しびれを切らしたのか、なかもー選手はゾーマを使ってこいと言わんばかりにスライムを場に展開。とにもかくにも相手にゾーマを使わせない限り、ダークキングを出せる状況すら作れません。
それでも、まめ選手はゾーマを使いません。パワースナイプと精霊の矢を駆使し、レモンキングとスライムをキレイに除去します。
打つ手がどんどんなくなっていく、なかもー選手。ここでスライムを大量に展開できる最後のユニットカード、ぶちスライムにコインを大量投入してターンエンド。
しかし、まめ選手はゾーマを温存したままシドーを展開、なかもー選手のユニットをすべて排除します。この動きには、なかもー選手も投了を選択。勇者杯2019秋の“勇者”はまめ選手に決まりました。
表彰式では、『DQライバルズ』プロデューサーの二木達博(ふたぎ・たつひろ)氏、そして『DQ』シリーズ生みの親である堀井雄二(ほりい・ゆうじ)氏が登壇。ちなみに二木氏は朝から京都、名古屋と各会場を来訪し、最後に横浜までたどり着くという弾丸移動だったそうです。
まめ選手には二木氏から優勝トロフィー、堀井氏から“冒険の書”(表彰楯)が授与されました。
そして、勇者杯を制した“勇者”にしか許されない“伝説のカード”、まめ選手が選んだのは……ヒーローカードの“天空の花嫁フローラ”! 伝説のカードは新デザインとしてゲーム内に実装され、プレイヤー全員にも配布される予定です。
恒例の新情報公開では、第9弾カードパック『再会と誓いの世界(ロトゼタシア)』が発表されました。
さらに『再会と誓いの世界(ロトゼタシア)』の配信が2019年11月21日(木)午前0時となることも発表。第9弾配信直前となる2019年11月20日(水)21時から公式生放送の実施、“勇者杯2019冬”の開催決定も発表され、大会は幕を閉じました。
8人目のリーダー“盗賊カミュ”の実装など、新たな展開を見せる『DQライバルズ』。次ページからは、プロデューサーであるスクウェア・エニックスの二木達博(ふたぎ・たつひろ)氏に、“勇者杯2019秋”と『再会と誓いの世界(ロトゼタシア)』について、気になることをアレコレ訊いてきました!