一体型のVRヘッドセット“Oculus Quest”を、同ブランドのPC用VRヘッドセット“Rift”として動作させる拡張機能“Oculus Link”のβ提供が開始された。これによりOculus StoreやSteamなどで提供されているRift対応コンテンツを、VR対応PCを介してOculus Questで体験できるようになる。
これは、9月にカリフォルニア州サンノゼで行われた技術カンファレンス“Oculus Connect 6”で発表されたもの。使用にあたっては、Oculus Questと“母艦”として処理を行うハイエンドPCをUSB 3ケーブルで接続することになる(Quest付属の充電用ケーブルはUSB 2なため使えない)。
現状ではいくつかの制約があり、まずは当然のことながら母艦PCはRift/Rift Sの動作仕様を満たす必要がある。そして現状では一部のNVIDIA製グラフィックボードのみの対応となっていて、GTXの1060/1070/1080および1600番台とRTX 2000番台、そしてTitan Xが対応する一方、GTX 970やモバイル用の1060M、そしてTitan Zなどは非対応となっている。
なおAMD製のグラフィックボードについては現在AMDと対応作業を進めており、β期間中に対応機種を追加予定とのこと。
そして接続に使うUSBケーブルは「多くの高品質なUSB 3.0ケーブルで動作可能」とする一方、社内でテストした推奨品としてAnkerのPowerlineのケーブルが挙げられている。なお年内には光ファイバーケーブルを内蔵した公式のOculus Linkケーブル(5メートル)も販売される予定だ。
以前、試遊リポートとその背景の技術紹介について記事をお届けしているが、その動作感は“遅延低減のためにある程度の処理を省略しつつ、できるだけRift/Rift Sの体験に近づけたもの”といった感じ。完全にRift/Rift Sを置き換えるものというより、実用的なオプションを加えるものと捉えるのがいいだろう。