IVRより2020年初頭に配信予定のスマートフォン向けアプリ『VRカレシ』。東京ゲームショウ 2019にも出展され、試遊待機の人々で長蛇の列ができるなど大きな反響を呼んだ。

 本作は、VRで本当にその場にいるようなカレシとの恋愛が楽しめることが魅力だが、プロデューサーを務めるのはなんと男性で、スタッフもほとんどが男性だという。女性向けジャンルと言える本作の開発はどう進めているのか、そもそもどういう経緯で開発が始まったのか。気になったことを、開発を手掛けるIVRの持田規実彰氏に訊いた。

持田 規実彰(もちだ きみあき)

3Dモデルを得意とするIVRの代表取締役。
『VRカレシ』のプロデューサーを務める。

大切なのは、そこに存在しているかのような“リアルさ”

――まず、『VRカレシ』を開発するにいたった経緯を教えてください。

持田我々の強みである3Dの技術を、何か別のところで使えないかと考えたのがきっかけですね。そこから、女性向けコンテンツの企画が生まれました。挑戦したことのない分野でしたが、“まだやっていないことをやる”というのが私たちのポリシーなんです。開始当初はほとんどが男性スタッフでしたが、みんな積極的で、ぜひやろう、となりました。

――やはり男性のスタッフが多いのですね。

持田多いですね。ただ、徐々に女性も増えてきていますよ。2018年に東京・池袋で『VRカレシ』の体験会を実施したのですが、それをきっかけにIVRに入社してくれた方もいます。

――体験会が思わぬ結果をもたらしたのですね。しかし、女性スタッフが増えているとはいえ、男性が女性向けコンテンツを手掛けるとなると難しい面もあると思います。どのように制作されているのでしょうか?

持田個人的にも勉強をしたのですが、どうしても根本が違ってきます。ですので、感性や発想の部分は女性の力を借りました。たとえばシナリオなどは、外部の女性ライターさんにお願いしています。

――なるほど。では、本作の開発でいちばん大切にしていることは何でしょうか。

持田答えがないところではあるのですが、“魅力的なキャラクターを作る”ということですね。あとは“リアルさ”。ファンタジーではないので、シナリオやゲーム性などすべて含めて「本当に隣りにいるみたいだ」というリアルさを出せるよう心がけています。

――つぎに、「ここが難しい」という部分はありますか?

持田じつは、スマートフォン向けゲームの開発が初めてで、イチから勉強しています。何もわかっていない状態でスタートし、いろいろな方からアドバイスを受けながら開発を進めています。最近やっと理解が深まってきているなという感じですね。

――初めてですか! 新しい挑戦ばかりということですね。なぜ、スマートフォン向けゲームでの制作を考えられたのでしょうか。

持田ゲームのために高性能で高価なPCを買うという人は、女性はもちろん男性でも少ないと思うんです。それならほとんどの方が持っているスマートフォンで作ろうと。能力や容量の部分で、だいぶ苦戦はしていますが(笑)。

――限界がありますよね。

持田そうなんです。ですが、その中でも最上のものを出したいという気持ちでやっています。

――楽しみにしています。先日の東京ゲームショウ 2019(TGS 2019)での反響は大きかったと思いますが、改めていかがでしたか?

持田予想以上に大勢の方が試遊してくれてありがたかったです。男性もたくさん並んでくれて。TGS 2019で体験できたのはほんの一部ですが、感動的な物語に仕上がっています。自分もプレイしていて泣きそうになったくらいです。VRで没入感がすごく、告白シーンなどはもう……。ですので、ぜひ男女関係なくプレイしてほしいですね。

喫茶はるかぜを模したブースはVR/ARコーナーの中でも目立ち、イケメン店員が案内してくれることでも話題に。

――男性でも楽しめるシナリオとなっているということですね。カレシとなるキャラクターは喫茶はるかぜのマスターということですが、はるかぜがメインスポットになるのでしょうか?

持田それぞれ背景や状況は違いますが、主人公はキャラクターと同居している設定です。主人公はファッションコーディネーターなので、会社へ行き、はるかぜに帰ってきます。そして、現実世界で実際に仕事へ行き、帰宅してログインするとカレシが「お疲れ様」と言ってくれたりします。こういうふうに現実とリンクして、カレシに会いに行く=安心する場所に帰ってきた、みたいになってくれたらいいなと。

――VRというだけでもリアルなのに、現実とリンクすることで、より身近にカレシの存在を感じることができますね。ちなみに、毎日ログインすることで何か起きたりするのでしょうか。

持田わかりやすいところで言うと、カレシの発言内容が毎日変わったりします。カレシとコミュニケーションが取れるようになっているので、徐々に仲良くなっていきます。また、SNSでやり取りできるようなモードがあったり、対面してカレシと話すこともできますので、毎日ログインしていただけたらなと。

――本当にそこにいるかのように感じられますね。

持田あと、『ARカレシ』と呼んでいるのですが、キャラクターが画面上に出現して、写真撮影ができるアプリも開発しています。作中に登場する場所へ実際に行って、ちょっとした聖地巡礼を楽しんでいただけるとうれしいです。現実世界のデートとして楽しんで、よりリアルにカレシを感じられればと思います。

――それはすごい! そちらも楽しみにしています。では最後に、『VRカレシ』の配信を待つファンの方々へ、メッセージをお願いします。

持田新しいことが目白押しですが、開発者もワクワクしながら楽しんで作っています。絶対に裏切ることはないと思っていますので、ぜひ期待して待っていてください。

『VRカレシ』とは

 喫茶はるかぜのマスターであるカレシとの恋愛が楽しめる、スマートフォン向け恋愛VRコミュニケーションゲーム。

 キャラメイク機能が搭載されており、文字通り“自分だけのカレシ”と、コーディネートやデートなどで関係性を深めていくことが可能だ。VRだからこそ実現できる、カレシがすぐそこにいるようなリアルさや、臨場感溢れる“ふたりだけの物語”が体感できる。

 『VRカレシ』最新情報は持田氏の公式Twitter(@KimiakiMochida)で確認!

まるで、本当に目の前にいるような存在感。これがスマートフォンで体験できるというのだから驚きだ。