2019年11月12日、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)、SSJ品川ビルにて、ロボットトイ“toio”の新タイトル&プロジェクト発表ステージが行なわれた。本記事ではステージで明らかになった情報や試遊会の模様をお届けする。

 この日行なわれたステージでは、2019年の年末にリリースされるタイトル+施策に加え、2020年以降に展開予定のタイトルが発表され、それぞれのタイトルに携わる開発スタッフ、クリエイターらが代わる代わる登壇。各タイトルが持つ特徴や商品コンセプトを集まったメディアにプレゼンした。さらにステージ終了後には、紹介されたほぼすべてのタイトルが試遊可能な状態で出展された。ステージで発表&試遊が行なえたタイトルは以下の通り。

ロボットトイtoioが新たなるフェーズへ。『トイオ・ドライブ』を始め数々の新作が明らかにされた“toio 新タイトル&プロジェクト発表ステージ”リポート_01
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ステージにはまずtoioの事業責任者である中多大介氏(写真1枚目)、toio開発者/事業企画・開発の田中章愛氏(写真2枚目)が登壇。2019年3月に発売されたtoioの歩みを振り返ったのちに、新タイトルの発表へと移っていった。

トイオ・ドライブ』(2019年11月14日発売)

 11月14日に発売される、toioの専用タイトル第4弾。以前からイベントやワークショップなどには出展されていたが、このたびいよいよ正式に商品化。円型のtoioコントローラーをハンドルに見立てて、(クルマのパーツをかぶせた)キューブを操作。専用マットに描かれたコースを走行したり、故障した車を牽引、パトカーでCPUが制御するクルマを追跡するといった“お仕事ミッション”のほか、シールを好きなように配置してオリジナルコースを作ることも可能になっている。

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30種類のお仕事ミッション、ふたりでの対戦が楽しめるなど、これまでのタイトルよりも“(テレビ)ゲーム”に寄った内容になっている『トイオ・ドライブ』。
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toio発売当初の展示時にはなかった、シールを使ったオリジナルコースの作例。既存のおもちゃや日用品を障害物に見立てて利用することで、遊びの幅が広がる。

 また、『トイオ・ドライブ』の紹介を担当したtoioタイトルプロデューサー、小番芳範氏からは、ユーザーからの要望で多かった「自分で作った命令や動きのパターンでキューブを思い通りに動かしたい」という意見に沿った『戦略バトル』を開発中であることも明かした。こちらに関しては発売日をはじめとした詳細はまだ未定の状態だが、「toioならではの動きを活かした戦略性」や、他タイトルにはない「カードを利用した新しいシステム」を組み込むことを予定しているという。

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小番芳範氏。toio専用タイトルプロデューサーとして、『トイオ・ドライブ』のほか、『トイオ・コレクション』、『GoGo ロボットプログラミング』も担当している。
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体験会やイベントでのユーザーの声から生まれたという『戦略バトル』のコンセプト。

~みんなでもっと楽しめる~トイオ・コレクション拡張パック』(2019年12月5日発売予定)

 toio本体と同時に発売された『トイオ・コレクション』に新たな遊びのルールを追加できる拡張パック。“クイックスカンク”、“かいじゅうバスターズ”、“ウォッチアウト”、“カラーメモリー”、“レーザービーム”という5つのゲームが収録されている。こちらの紹介にはtoioタイトルプロデューサー、中山哲法氏と、拡張パックに収録された遊びの原案者であるWhateverのクリエイティブディレクター、宗佳広氏が登壇。宗氏は「最初の『トイオ・コレクション』でおもしろいゲームが出そろっていたのでプレッシャーは感じましたが、考えているうちにどんどんアイデアが出てきて、改めてtoioの無限の可能性を感じました」と開発時のエピソードを語り、中山氏は「お子さんや大人も夢中になれるパーティーゲーム、頭脳ゲームになったと思います。年末に家族みんなで楽しんでください」と商品をアピールした。

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中山哲法氏(写真左)、宗佳広氏(写真右)。
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コントローラーを使って遊んでいるふたりだけでなく、まわりの人間も遊びに参加しやすい、そもそもコントローラーなしで遊べるタイプのゲームが多く収録されてるのが印象的。
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会場では拡張パックに収録されている各タイトルそれぞれにスタッフがつき、説明を受けながらのプレイや、対戦も行なえた。各ゲームの詳細を知りたい人は公式サイトの動画で確認するのがオススメ。

*『おんがくであそぼう ピコトンズ(仮)』(2020年夏発売予定)

 toioのキューブをさまざまな音を奏でる“楽器”に変えて、音を使ったミニゲームから本格的な演奏、録音まで楽しめるという、2020年夏発売予定のtoio専用タイトル。ステージには中山氏と、企画・ディレクションを担当しているキッチン代表取締役・映像作家の横田将士氏が上がり、音楽監修を務めている作曲家の烏田春奈さん、プレイングアドバイザーとして本作に参加するSASUKEさんの紹介。加えて「最初は音遊びから入っていって、最終的には音楽の3大要素、リズム、メロディ、ハーモニーを楽しく学び、自然に作曲もできるデザインを目指しています」(横田氏)など、製作中の同作への意気込みも語られた。

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横田将士氏(写真右)。
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『おんがくであそぼう ピコトンズ(仮)』が奏でる音楽を監修する烏田春奈さんと、プレイングアドバイザーのSASUKEさん。SASUKEさんは本作のキューブ、専用マットを使っての楽曲制作を行なう予定。
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本作を手に取ったユーザーが段階的に音楽を学べるように、簡単なミニゲームも収録。たとえば“ねているおじさん”のシート右上の時計にキューブを置くと目覚まし時計が鳴りだし、右下のふとんに移動させると、オナラの音が鳴る。
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こちらは作曲が行なえるキーボードのシート。キューブで鍵盤部分をなぞればその時点で設定している楽器(ピアノやギター、ベースなど)の音が鳴りだし、ひらがなの上に置けば言葉を発する。音の高さやボリュームなども自由に変えられる。
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録音した音を重ねて楽曲を作ることも可能。すでに本作の操作に慣れ親しんでいるタイトルプロデューサーの中山氏は、即興でさまざまな曲作りを実演していた。

大魔王の美術館と怪盗団(仮)』(2020年秋発売予定)

 toio開発者のひとり、“toio博士”のアンドレ・アレクシー氏と、アニメ/デザインスタジオのSTUDIO NO BORDERの代表、ロマン・トマ氏の縁(アレクシー氏の大学の後輩の紹介で顔合わせして意気投合。その日のうちにロマン氏がtoioを購入して、本作への開発へと至る)がきっかけで生まれたという、toioの機能を活用したボードゲーム。これまで発売されているtoioタイトルとは異なり、キューブがプレイヤーの操作するものではなく、“敵”になっているのがポイントで、プレイヤーは(専用マットに反応する)紙製の駒をターンごとに動かし、モンスターとして美術館(専用マット)を徘徊するするキューブに見つからないよう財宝を盗んでいく……というのが、現在決定しているおおまかなゲーム内容。最大4人まで同時プレイが可能な点、専用マットを組み替えれば無限生成ダンジョンのように多様な美術館が作り出すことができるなど、既存のボードゲーム、テレビゲームのテイストとなっているのが特徴。

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toioタイトルプロデューサーの齊藤渓太郎氏(写真左)、STUDIO NO BORDERのロマン・トマ氏(写真中央)、toio開発者/コンセプト発案、UX開発のアンドレ・アレクシー氏。
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ロマン氏がプロデューサーを務める『大魔王の美術館と怪盗団(仮)』には、STUDIO NO BORDERのクリエイターが多数スタッフとして参加する。
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2020年秋予定のタイトルながら、会場では試遊も可能だった。
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モンスターの動きを予測して罠をしかけたり、財宝を取るほど移動力がダウンして見つかるリスクが高くなるなど、“ゲーム”っぽい戦略やジレンマが設定されているのも特徴のひとつ。

toioであそぼう! ウロチョロス』(2019年11月下旬配信予定)

 toioのキューブとスマートフォンを使って、ロボットの動きを制御、観察するアプリ。こちらはSIEがリリースする商品ではなく、toioに興味を持ったゲームAI設計者/グラフィック・クリエイター、モリカトロンの森川幸人氏が、公開されているtoioのAPIを駆使して製作したもの。『ウロチョロス』とキューブを連動させると、AIによってキューブがさまざまなアクションを起こすようになり、ユーザーはその様子を見守ったり、ときには介入することで楽しむことができる……というアプリとのこと。こちらはApp Store、Google Playにて無償で11月下旬に配信が予定されている。

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森川氏は『がんばれ森川くん2号』の制作をはじめ、古くかAIと関連性の高いゲームに携わっているクリエイター。
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森川氏いわく「toioの動きと形がかわいくて、これに心(AI)が入ったら、生き物としてさぞ楽しいな」と思い立ち、「(toio)はすごいゲームAIと相性がいい」だろうと見込んだところから『toioであそぼう! ウロチョロス』の制作が始まったという。
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本作とキューブを連動させると、意思決定AIにより、キューブがさまざまなアクションや判断を行なうようになる。
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ステージの最後には田中氏からシステムアップデートのお知らせや、レゴとのキャンペーンなど、年末年始にかけての施策も発表された。