豪華俳優陣が揃い踏み! 物語の核心に迫る映像も公開!!

 2019年11月13日、東京・恵比寿ガーデンホールで『龍が如く7 光と闇の行方』の完成披露会が行われた。イベント冒頭、まずは名越稔洋総合監督が単独で登壇。これまではゲームシステムなどを中心に情報公開してきたが、今回は重厚なドラマの部分を紹介したいということで、前日に完成したばかりという最新のストーリートレイラーが公開された。

 およそ11分に及ぶこのストーリートレイラーは、主人公の春日一番と、荒川組組長、荒川真澄の息子である荒川真斗のふたりの生き様と交錯する人生にスポットが当てられており、本作のサブタイトルの『光と闇の行方』が、荒川真斗と春日一番の関係を象徴していることが示唆されることに。

 神室町で起きた(荒川真斗がいかにも関連していそうな)ヤクザの殺人事件。恩人・荒川に報いるために罪を背負った春日一番の18年。出所後に理由も知らされず荒川真澄に撃たれる春日。春日にできた新たな仲間たち。名前を「アオキリョウ」に変えて都知事に就任していた「死んだはず」の荒川真斗と春日一番の邂逅……など、先が気になるエピソードが満載だった。また、同トレーラーの最後では、これまで『龍が如く』シリーズの主人公を務めた桐生一馬の登場も明らかになった。

 また、このストーリートレイラーの8分55秒あたりで、本作のために湘南乃風と中田ヤスタカがコラボして作られたテーマ曲『一番歌』が初お披露目されることに。名越総合監督が「お祭りソング」と評したこのサウンドは、それぞれのアーティストの長所が融合&調和し、新たな魅力に昇華している。

『龍が如く7』完成披露会リポート。堤真一、安田顕、中井貴一など豪華俳優陣が集結! _01

 そんなストーリートレイラーで取材陣のテンションをグッと高めた後は、主演を務める中谷一博氏、同作で重要な役どころを務める堤真一氏、中井貴一氏、安田顕氏の俳優陣が登壇。さらに助演女優オーディションを勝ち抜いて同作に出演する鎌滝えりさん、沢すみれさん、柳いろはさんも参加し、クロストークや質疑応答がくり広げられることになった。以下では、その内容を要約してお届けする。

――春日一番はどんなキャラクター?

名越これまで主人公を務めていた桐生一馬は、寡黙で逞しく、スーパーマンのような存在。春日はその真逆とまでは言わないが、人間らしい弱みもあり、よく喋り、すぐ人を信じてしまうような、人間らしさが前面に出たキャラクターです。

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――そんなキャラクターを演じるにあたってどう挑んだのか?

中谷過去の『龍が如く』シリーズでは錦山彰という重要な役を演じた経験もあるがゆえに、「錦山と春日の差別化を図らなければ」という気負いがありました。だが、その気負いは収録時には龍が如くチームの皆さんに軌道修正をしてもらえました。自分を春日に置き換えるなら、龍が如くチームが頼もしい仲間でした。

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――沢城丈とはどんなキャラクター?

名越若頭というポジションで、組織の上層部の人間です。鬼軍曹というか、コワモテのキャラクターで、物語の重要な役どころになっている。言葉のひとつひとつに真実があるのか裏があるのかわからない人物なので、そんな難しい役を背負ってもらえる人として堤さんお願いしました。

ゲームをやらないので困っていたんですが「中井貴一さんが出演する」と聞いて出演を決めました。ただ、未経験の仕事だったので、収録時は「気長に焦らず、ゆっくりと収録させてほしい」とお願いしました。

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――ナンバとはどんなキャラクター?

名越春日の仲間で、潔癖症のホームレスという変わった役どころで。偶然出会った人間なのか、運命的に出会ったのか、損得勘定があって出会ったのかわからない、飄々としたキャラクターです。彼も沢城とは違った形で、語っている言葉に真実や計算があるのか掴めない、ある意味狂言回し的な人物。安田顕氏なら、その難しい役ができると思ってお願いしたらバッチリでした。

安田当たり前ですが見た目がソックリで、自分より自分らしいです。本当に自分が動いている感じ。そしてナンバは、バトル時には、“くさい息”という技を使うような、愛くるしさもあるキャラクター。世間の方がそういうイメージで見てくださっている部分もあると思うのですが、そういう部分も踏まえて役をいただけたのはうれしいですね。

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――荒川真澄とはどんなキャラクター?

名越春日の恩人で作品の柱となる役どころ。要所に出てきて話を大きい単位で動かしていくキャラクターです。そういう人物というのは、物語に出てこないときであっても、いまや過去の状況を想起させる存在感があってほしい。それを演出できる役者ということで、中井貴一さんにダメもとで当たってみたところ、快諾いただけて感謝しています。

中井かつては任侠映画が全盛でしたが、そこで大切だったのが任侠道という存在です。そんな任侠道を持っている組長が荒川真澄というキャラクター。彼に春日が惚れていくのですが、その構図はよく出来ていると思いました。

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――助演女優たちはどんなキャラクター?

名越熱いドラマや濃い男同士の会話の合間でホッとさせてくれるような存在。男性ファンは楽しみにしていただければ。昔に比べて、かわいい女性のCGを作れるようになってきたと思います。

鎌滝バッチリでした。自分がCGになっているのは不思議な感覚で。私たちは春日をサポートする役割として登場するのですが、プレイヤーの方々に親しんでいただけるように、仲間として愛してもらえるように収録に挑みました。

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――本作のテーマは成り上がり。皆さんにそんな成り上がりエピソードがあれば

中谷いまこの瞬間が成り上がったな、という感じで、夢のような状況ですね。あとは、コンビニに行って値段を気にせず買い込めるようになったときが、成り上がったと感じます。

安田「成り上がった」と言うと、その先がない気がして。皆さんは、成り上がったって思っていらっしゃるんですか? 世間から見たら成り上がりなのかもしれないけれど。

会社と違って役職がない仕事ですから、ゴールだと感じることはないですね。

中井僕は学生から俳優になったんですが、そのときは「もう勉強しなくて済む、怒られなくて済む」と思いました。でも実際は、いつまでもセリフを覚えるという宿題があるんです。試験ならできなくても追試をしたり、怒られたらおしまいだけど、この仕事はできるまでやらされる。いつまで怒られるんだろう、と思いながらやっているので、役者という仕事で「成り上がった」という感覚はないですね。ただ、若いころに吉野屋に行って牛丼と味噌汁、おしんこ。牛皿まで食べれるようになったときに、店内の客が俺を羨望の眼差しで見ている気がした。そのときに「やったな」という感じはありましたね。

そういえば、初めて東京の焼き肉屋に連れて行ってもらったとき、僕は関西人なので「焼き肉って……ホルモンかい」と思ってガッカリしたんです。でも、イメージしていた安い焼き肉とはぜんぜん違って、あまりの美味しさに感動しました。だから、母が上京したときに「これが本物の焼き肉や」って焼き肉屋に連れて行ったんですが、そんなことを思い出しました。

――作品について印象的なことは?

このお話をいただいて、台本を読ませていただくことになった段階で、ダンボールが届いたのですが……それが台本だったんです。並行して舞台の仕事もあったので、申し訳ないが自分のセリフだけをさらっていこうと思ったんですが、おもしろくて全部読んでしまいました。おかげで舞台のセリフはなかなか覚えられなかったんですけれど(笑)。

中井「なぜこの作品に多くの俳優さんが出られるのだろう?」と思っていたんです。いざ台本を読ませていただいたら、自分のパートだけ読めばいいようなものではなぃて。ほぼ1日で読まないと気が済まないくらいの完成度が高い台本で納得しました。堤くんの役も僕の役も、途中でやめられると誤解されそうな気がするので、ぜひ最後まで遊んでいただきたいですね。これが台本を読み終わっての感想です。

安田あれだけ分厚い、大量の台本には出会ったことがなかったです。スケール感はゲームならではだと思います。日頃見慣れた街でとんでもないアクションがくり広げられるし、これだけ長いドラマや映画はない。本当に壮大な作品です。

鎌滝春日は最初からカリスマではなくて、これからがんばらなきゃいけないという立ち位置なので、とても身近に感じられるキャラクターでした。だからこそ、物語も春日一番も愛せました。

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――本作には転職システムがあるが、ご自身が転職してみたい、体験してみたい職業は?

木こりを体験してみたい。家に薪ストーブがあるけど、薪を手に入れるのが難しいので、知識を得て木を切ってたき火をしたいですね。

中井医者になりたいですね。俳優はいちばん何もできない仕事なので、人の助けになれることがやってみたいです。

安田パイロットとかいいですね。制服を周囲の羨望の眼差しを感じたい。チヤホヤされたいです。

 上記のようなエピソードが出演者から披露され、出演者の面々は降壇。最後に名越総合監督が残り、以下のようなメッセージが発信された。

 本作は成り上がりをテーマにしていますが、「自分が目指すものは?」、「幸せって何?」という素朴な話でもあり、それをどう説明しようか考えていました。技術が発展して便利になった反面、いろいろなものが無責任になったりもしています。

 また、情報が蔓延していることによるメリットはあるものの、安易な諦めもあるような時代になりました。それはとても勿体ないと思っていて。諦めそうな心を応援できるのがエンターテインメントメディアの役割のひとつです。

 我々はゲームという形で「ひとりひとり目指すものはあって、それは自分次第なんだ」ということを作品内で提案できていると思います。ぜひ最後までやっていただいて、何を思ったかをという声をいただきたいです。

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 なお、速報記事でも軽く触れたが、本日から体験版の配信が開始されている。その内容は、本東京ゲームショウでプレイ可能だった範囲とほぼ同じだが、向田紗栄子が仲間に加わっていることが大きな違いだ。

 また、初回封入特典の詳細も判明。ダウンロードコードで入手できる装備アイテムの“間島建設備品セット”と、『龍が如く』コラボブランドグッズ抽選券のふたつとなっている。後者は複数のコラボグッズの中から応募する形となっているので、事前に下記サイトからどんなグッズがあるのかをチェックしておくといいだろう。

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