2019年10月29日、一般社団法人アニメツーリズム協会は、“訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2020年版)”を発表した。
アニメ聖地88は、全世界のアニメファンからの投票に基づき、国内アニメ関連スポットを選出する取り組み。国内各地の地域や企業が連携し、“アニメツーリズム”を通じて日本のアニメ産業の隆盛を目指すことを目的として行われている。新しいアニメ作品や地域の盛り上がりなどを反映させていくために毎年更新されており、この度、2020年版を明らかにする発表会が東京・千代田区のベルサール九段にて開催された。本稿では、そんな発表会の模様をお届けする。
発表会ではまず、観光庁長官・田端浩氏が壇上で挨拶。観光庁では平成29年度より、地方誘客に関する事業の一環として、同協会の取り組みを支援しているのだが、田端氏は「この度の聖地の選定により、地域の皆様がみずからの地域の価値を再認識し、活性化に取り組む契機となれば」と、アニメ聖地88のプロジェクトに期待を寄せた。
続いて登壇したのは、アニメツーリズム協会の角川歴彦理事長。角川理事長は「年々投票率が非常に高まっており、今年は海外からの投票が著しく増えている。インバウンド(※)を進行するというアニメツーリズム協会の趣旨に適ってきていると実感している」と、海外からの注目度も高まっていることをアピールした。
※外国人が旅行のため訪問すること
ここからは、2019年6月1日から9月22日までの期間に実施された、アニメ聖地WEB投票の結果概要についての報告が行われた。アニメ聖地WEB投票は10言語に対応し、60の国と地域で行われ、昨年を大きく上回る8万票(昨年3万票)もの票数を集めた。日本と海外の投票比率を見てみると、日本国内の割合が増えているが、投票数でみると、海外からの投票が倍以上になっているとのことで、十分に海外に対するPRが行われていると説明された。
アニメ聖地WEB投票の結果概要について報告が行われた後は、いよいよ“訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2020年版)”の結果発表へ。2020年版より新たに選定された聖地は、以下の通り。ちなみに“88”と数字が付いているが、88ヵ所でないので、誤解なきように。
■北海道・東北地方
『ラブライブ! サンシャイン!!』(北海道函館市)
『フライングベイビーズ』(福島県いわき市)
■関東地方(1)
『BanG Dream!(バンドリ!)』(東京都(都電荒川線早稲田駅近辺))
■関東地方(2)
『さらざんまい』(東京都台東区)
■関東地方(3)
『ゲゲゲの鬼太郎』(東京都調布市)
『Just Because!』(神奈川県藤沢市)
■中部地方
『ガーリー・エアフォース』(石川県小松市)
『八十亀ちゃんかんさつにっき』(愛知県名古屋市)
■中国・四国地方
『ゲゲゲの鬼太郎』(鳥取県境港市)
『からかい上手の高木さん2』(香川県土庄町)
■九州・沖縄地方
『博多明太!ぴりからこちゃん』(福岡県福岡市)
『色づく世界の明日から』(長崎県長崎市)
発表会ではランラン氏が、新たに聖地に選ばれた『からかい上手の高木さん2』の舞台になっている香川県土庄町の聖地巡礼リポートも披露。現地での体験談を交えながら、聖地巡礼の魅力を存分にアピールしていた。
発表会の終盤には、今回新たに聖地として選ばれた自治体の中から、『からかい上手の高木さん2』の香川県土庄町の三枝邦彦町長、『ガーリー・エアフォース』の石川県小松市の竹村新一副市長が登壇。「今回、聖地に任命されたということで、協会の皆様も含め、町を挙げて、土庄町を訪れてくれるお客さんが増えることを目指して取り組んでいきたい」(三枝氏)、「小松市では、毎年小松基地航空祭が行われているが、今年は例年に増して多くの来場者に足を運んでいただいた。これも『ガーリー・エアフォース』の影響によるもの」(竹村氏)とコメントし、発表会は終了となった。