『The Settlers』は(“セトラーズ”と読む)、街づくりをモチーフとしたRTS(リアルタイムストラテジー)。ちょっと記者はなじみがなかったのだが、1作めがリリースされたのが1993年というから、25年以上の歴史を持つタイトルとなる。とくに、ストラテジーゲームが好きなヨーロッパでは、人気を博しているようだ。本作のプレゼンを担当してくれたBlue Byte プロデューサーのコリナ・ベックマン氏によると、本作はリラクゼーション効果のあるタイトルだという。RTSで癒やしって何だろうか……。そんな疑問を胸に記者はハンズオンに臨んだ。
“入植者(Settlers)”という意味を持つ本作では、プレイヤーは未開の島に上陸した“セトラーズ”たちに指示をして、街を発展させていくことになる。“セトラーズ”たちは、地震で自分たちの街をなくしてしまい、住む場所を探してるというバックボーンがあるようだ。島に自身の街を作るには地道な作業が必要になる。木を伐採して平地を作り、住む場所を建てる……といった具合だ。働けば当然お腹が空くので食料も調達しないといけない。そこでコックの出番がやってきて、料理を作ることになる。といった感じで現実に近い感覚で街を作っていくことになるのが本作だ。
プレイヤーの役割は、陣地の中に伐採所や採掘所、漁場といった建物を設置していくこと。そうすると、それぞれの役割を持った“セトラーズ”たちが、甲斐甲斐しく働いてくれることになる。このアニメーションがまたよくできていて、“セトラーズ”さんたちがじつによく動く。ぼんやり見ているだけでも楽しくて、まるで箱庭を覗いているみたい。これが『The Settlers』の癒やしであったようだ。「とてもやさしい世界観なんですよ」とコリナさん。ちなみにこの“セトラーズ”さんたちは、経験を積むことで成長していくようだ。
コリナさんがピックアップした『The Settlers』の要素のひとつに“アニマルシステム”がある。島には鹿やイノシシ、ウサギといった動物が存在していて、独自の生態系を持っている。試遊では、イノシシに怯える“セトラーズ”が確認できたが、捕獲もできるのかな……という感じだ。
さて、本作にはメインのゲームモードとしてキャンペーンがあり、プレイヤーは入植した複数の島でそれぞれミッションをこなしていくことになる(島は自動生成とのこと)。島を全部自分のものにするといったことがクリアー条件となるが、じつは島にはほかの住民も入植しており、“セトラーズ”たちがその地を支配下におこうと思ったら、彼らと戦わなければならないのだ。まあ、戦争だ。“癒やし”からはちょっと外れるかもしれないが、「まあ、歴史を見ても争いごとは耐えなかったしなあ……」といったところだ。そのために、プレイヤーは軍人を育成したり、攻め込まれても大丈夫なように城壁を築く必要がある。戦争なので、当然死人は出る。試遊では戦争を見せてもらったのだが、これはこれで壮観で、かなり血が騒いだ。
ただし、本作では敵(とあえて便宜上書くけど)の土地を入手するのに、戦争のほかに“グローリー”というやりかたがある。これは何かというと、コロシアムを作って敵と味方の戦士を戦わせ、勝ったほうが“勇者”となり、負けたほうの住人が失望して勝ったほうの陣営に鞍替えすることになる。戦争だと、奪った陣地の建物はすべてなくなってしまうが、“グローリー”だと建物もそのまま譲り受けられるというのが大きなメリットだ。戦争よりは穏便なやりかたではある。強い戦士を育成するための施設もある。
なお、敵の陣地を入手しようとおもったら、“戦争”、“グローリー”のほかに、“フェイス”があるという。“フェイス”は“信じること”という意味のようだが、詳細に関しては、「いまはお話できません。ごめんなさい!」とコリナさん。
ちなみに、本作では最大4人が参加してのマルチプレイが可能。これは、ひとつの島でいちから陣地を拡大して、4人で覇権を争うという内容となるようだ。『The Settlers』は2020年にPC向けにリリース予定だ。シミュレーション好きとしては、ぜひとも日本でも遊んでみたい1作である。