2019年8月16日、ロジクールはゲーミングブランド“ロジクールG”におけるハイエンドキーボードの新製品発表会を開催した。

 発表されたのは2製品。厚さわずか2.2cmの超薄型かつ高剛性ボディーのワイヤレスキーボード『G913 ワイヤレス RGB メカニカル ゲーミング キーボード』(以下、G913)と、有線接続の『G813 メカニカル ゲーミング キーボード』(以下、G813)だ。

 どちらも2019年8月29日発売で、価格は『G913』が3万250円「税別]『G813』が2万3250円[税別]。

 『G913』と『G813』の違いはPCとの接続方法だけで、そのほかの機能はほぼ同じ。『G813』は有線のため、本体上部にUSBコネクタがひとつ用意されている。

ロジクールG、厚さわずか2.2cmの最上位ゲーミングキーボード『G913』と『G813』を8月29日に発売。無線モデルがさらに進化_01
『G913』(下)と『G813』(上)。両機の違いはケーブルの有無。
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横から見るとその薄さがよくわかる。有線モデルの『G813』は本体上部にUSBパススルーを搭載。

 発表会では、グローバルプロダクトマネージャーのケイト・ウー氏と、ゲーミングキーボードプロジェクトリーダーのアラン・ルー氏が商品を解説。

 さらに、ロジクールGブランドアンバサダーを務めるゲームキャスター岸大河氏も登壇し、元トッププレイヤーから見た『G913』と『G813』の魅力を語った。

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左からアラン・ルー氏、ケイト・ウー氏、岸大河氏。いちばん右のゲーミングクラスターカテゴリーマネージャー伊達玄四郎氏は発表会の司会進行を担当。

薄型デザインだけど安定感バッチリのゲーミングキーボード

 『G913』最大の特徴は、ゲーミングキーボードとしてはかなり薄いデザイン。黒一色に統一されたボディーが美しく、トップケースの素材は航空機や船舶などに使われる高剛性・高耐久の金属“5025アルミニウム合金”だ。

 薄い板のように見えるキーボードだが、手に持って力を加えてもびくともしないのは、さすがフラッグシップモデル。また、適度な重量(1025g)があるため、高速にキーを叩いても位置がずれず、安定しているのが嬉しい。

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商品説明を行うケイト・ウー氏。100円硬貨の縦幅よりも薄い本体をアピール。
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キーボード左側。縦一列にマクロキーが用意されている。
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テンキーの上にはメディアコントロールキー。円柱状のダイヤルはボリュームの調整などに用いる。
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一般的なキーボードと同じキー配列。クセがなく使いやすそう。

打鍵感の異なる3種類のスイッチをラインナップ

 キーボードにとって重要なメカニカルスイッチは、打鍵感の異なる3種類を用意。“タクタイル”と“リニア”、“クリッキー”を用意。これら3種類は商品のパッケージに表記されており、購入時に選択する。

 肝心なスイッチのメーカーはKaihua製。ゲーミングデバイスで有名なCherryを採用しなかった問いに対して、ケイト氏は「薄さを追求したため。耐久性やフィーリングなどの性能はCherryと比較して遜色ない」と語った。

 薄型のスイッチを採用しているため、アクチュエーションポイント(スイッチが反応する深さ)はわずか1.5mm。一般的なキーボードよりも25%浅いおかげで押下したときの反応が早く、さらに長時間使用しても疲れにくい利点があるとのこと。

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連続使用時間は30時間

 『G913』にはパームレストが付属しない。手首にストレスがかかるのでは……と心配になるかもしれないが、伊達玄四郎氏は「ロープロファイル(薄型)なので気になりません。角度に違和感があったら、キーボード後方の足を立てれば4度と8度に傾けられます」と使用感を紹介した。

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伊達玄四郎氏は、9月に開催される東京ゲームショウでロジクール製品を来場者にアピールする計画を発表。キーボードやマウスなど、300台以上の製品を各企業のブースにて展開する。

 ゲームプレイヤーにとってうれしいのは、これだけ薄い製品にも関わらず、連続使用30時間のバッテリーを搭載しているところ。しかもこの時間は、各スイッチに埋め込まれたRGBライト(LED)をフルで点灯させた状態だ。ライトの照度を下げたり消灯させた場合の使用時間はさらに伸びるそうだ。

 ライトの制御を担う“LIGHTSYNCテクノロジー”の設定はソフトウェア“Logicool G HUB”を介して行う。任意のキーを約1680万色から選んで点灯させたり、ゲーム内のアクションと連動させたり、設定次第でさまざまなライティングを楽しめる。さらに、対応したソフトウェアなら、音楽や動画に連動させて光らせることも可能。

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写真だとわかりにくいが、LEDの色が時間経過と共に変色する設定も可能。

 ワイヤレス接続は、ロジクール独自の技術“LIGHTSPEED”とBluetooth 5.0の2種類の接続方式から選べる。LIGHTSPEEDはPCにドングルを刺して使用する低遅延接続方式。プロゲーマーの使用に耐えられるように開発された製品なので、有線となんら変わらない感覚で使える。

 一方、Bluetooth 5.0ではPCだけでなくスマートフォンやタブレット端末などでも使用可能。接続方式の切り替えはキーボード上部のボタンひとつで行える。

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ワイヤレスモデルの『G913』は、ドングルを使ってPCに接続させる。
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『G913』と『G813』の特徴とスペック。

元トッププレイヤーから見た『G913』と『G813』の魅力は!?

 発表会の最後に、複数のゲームでトッププレイヤーとして活躍したのち、ゲームキャスタに転向した岸大河氏が登場。岸氏はすでに『G913』を使用しており、プレイヤーの目から見た使用感が紹介された。

 岸氏が『G913』の試作機に触れたファーストインプレッションは「何だこれ?」だったそうだ。とはいえ、その疑問はポジティブな意味だという。いままでさまざまなキーボードに触れてきた岸氏だが、本製品のような薄型タイプはあまり使ったことがないのだそうだ。

 岸氏によると、FPS往年の名作『Quake』や『Unreal Tournament』が流行っていたころのトッププレイヤーたちは、パンダグラフタイプのキーボードを好む傾向があったそうだ。その理由は、キーを深く押し込まなくても素早く反応する構造だから。

 岸氏は当時を回顧しながら、「『G913』はメカニカルスイッチでありながら当時を思い出させてくれるキーボード。指でキーを押すと、すぐに反応してくれる。指と頭とキーボードが連動している感覚で操作できます」と感想を述べた。

 そして最後に「新しいキーボードなので、人によっては慣れるまで時間がかかるかもしれない。僕自身もこれから左手をどのように慣らせていくか楽しみです」とコメントした。

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使い勝手を語る岸大河氏。ハードウェアとしての高機能さに加えて、ワイヤレスなので置きかたの自由度が高く、デスク上の掃除もしやすいなど、ストレスなく使える面も気に入っているそうだ。

 『G913』はフラッグシップモデルであるため、決して安い商品ではない。しかし、価格に見合った性能と機能を秘めたキーボードであることは、岸氏の言葉が示す通りだ。気になる読者はショップなどで実際に触ってみてほしい。ほぼ確実にほしくなっちゃうので、そのときは3万250円(と消費税)を持って出かけることを強くおススメします!