賞金総額2500万円、50万人以上ものプレイヤーが参加した“荒野Championship-元年の戦い”。スマホ向けバトルロイヤルゲーム『荒野行動』を用いたeスポーツ大会だ。

 大規模な本大会は、2019年5月5日にオンライン予選を開始。それから約3ヵ月後の8月12日、ついにその頂点を決める戦いが行われた。

この記事は『荒野行動』の提供でお送りします。

 7月7日の西日本王者決定戦、7月21日の東日本王者決定戦、そしてオンラインで行われた荒野HIGH杯を勝ち抜いた全20チームがオフライン会場(東京・ベルサール高田馬場)に集結。全5試合を戦い、各試合ごとの順位ポイントおよびキルポイントの合計を競い合う。

 日本におけるeスポーツシーンの発展に間違いなく大きく貢献するであろう本大会は注目度も抜群。YouTube Liveの同時視聴者数は開演前から2万人に迫り、その後も3万人、4万人とどんどん増加。最大で6万5000人を超えたようだ。

 そんな大盛況の大会の模様をお伝えしよう。

これぞeスポーツの“祭典”! 来場者が楽しめる仕掛けも多数

 これまでに行われた西日本王者決定戦および東日本王者決定戦はインターネット配信のみだったが、今回は会場での観覧が可能。出場選手の応援に、多くのファンたちが駆け付けた。

 印象的だったのがファンの年齢層だ。プラットフォームがスマートフォンということもあってか、10代~20代前半の来場者がとにかく多い。

 男女比はほぼ半々(どちらかというと男性が多いかな、くらい)。一般的なゲームイベントとは比にならないほど、多くの女性ファンが来場していた。

大会用の公式端末はソニーモバイルの『Xperia 1』。会場内には体験ブースが設置されていた。

 また、会場には体験型ブースが設置されていた。応援しているチームのロゴをあしらったタトゥーシールを貼ってくれるコーナーや応援コメントの寄せ書きコーナーなど、いかにもお祭りのような雰囲気。

 試合会場は、東日本と西日本のチームで分かれて席が用意されており、客席もそれぞれの応援席のような作りになっていた。ただ席が分かれているだけでなく、各試合で1位のチームが東なら東側の、西なら西側の席に座っているお客さんの中から抽選でスペシャルグッズが当たるという催しも。応援もよりヒートアップするというものだ。

実況・解説はおなじみのおふたり。元テレビアナウンサーの柴田将平氏(左)と人気実況者のBocky氏(右)だ。

荒野王者決定戦には魔物が棲んでいる!? 第1試合から超大波乱の展開に

 3ヵ月もの長きに渡って行われてきた“荒野Championship-元年の戦い”。それが決着する大事な1日とあって、初戦から全チームが慎重な立ち上がりを見せた。試合開始から約8分間、本格的な戦闘は起こらず生存者数が100名の状況が続いたのだ。

 膠着状態を切り裂くように、早くも荒野王者決定戦の魔物が動き出す。なんと優勝候補筆頭として名前の挙がっていた“DgGteamEINS”と“αDCrow”がほぼ同タイミングで全滅してしまったのだ。

αDCrowとαDAvesは母体を同じくするチーム。αDAvesが同門対決を制した。

 しかし、この波乱さえまだ序の口だった。その後に安全地帯の位置が更新された瞬間、会場内がどよめいた。

赤い円が現在の安全地帯、白い円がつぎの安全地帯だ。円の外に出てしまうと、毒ガスによって時間とともに体力が削られてしまうため、基本的にはつねに円内を目指すこととなる。

 安全地帯はほぼ海。その上に浮かぶ小島が主戦場と化した。ここまで極端な安全地帯は超激レアなケース。オンライン予選から多くの試合を見てきた実況解説の柴田氏、Bocky氏をもってしても「こんな戦いは見たことがない」と言わしめる事態なのだ。

 このとき、安全地帯となった島に陣取っていたのが“抜く組”だ。万全の状態で待ち構えている敵がいては、海を渡って島に渡るのは困難。圧倒的なアドバンテージを得た奇跡を称え、解説のBocky氏がこの島を“抜く島”とネーミング。今後定着するのだろうか……?

 しかし、ここまで勝ち残ってきた猛者たちは、この異常事態に一瞬の動揺さえ見せなかった。島には渡れないと判断するや否や、これまでの静寂を打ち破って一斉に銃撃戦を始めた。順位ポイントを半ば諦め、そのぶんキルポイントで稼ごうという判断が同時多発的に行われたのだ。

安全地帯ギリギリのラインに複数のチームが集中し、激しい撃ち合いに。

 その結果、5分間で50名以上も脱落する大激戦がくり広げられることとなった。一方、抜く島には、“抜く組”の3名以外に“気持ちぃ”2名、“爪楊枝建築倶楽部”1名が上陸していた。

 やはりと言うか何と言うか、島にいる6名以外は全員脱落し、勝負は最終局面へ。ここで動いたのは、人数で有利な“抜く組”。近くに潜んでいた“気持ちぃ”に撃ち合いを挑んだ。

 ひとり、もうひとりとキルしかけたその瞬間だった。まさにその瞬間だけをひたすらに待ち続けた“爪楊枝建築倶楽部”が最高のタイミングで飛び出したのだ。

 撃ち合う両チームの無防備な横っ腹に、銃弾をつぎつぎと撃ち込んでいく。最後は体力をギリギリまで削られるも、勝利の女神に祝福を受けたのは“爪楊枝建築倶楽部”だった。

 これ以上ないほど最高の漁夫の利である。決着した瞬間、割れんばかりの大歓声が巻き起こった。

第1試合終了時点でのポイント。

第2試合で車を使った頭脳プレーが炸裂

 第2試合も慎重な立ち上がりでスタート。各地で小競り合いが頻発し、人数こそ減るもののチーム数には動きがない。第1試合とは打って変わって、スローテンポのまま試合が進行。時間とともに1チームずつゆっくりと数を減らしていく。

 最終局面まで残ったのは“Eras”が3名、“対あり≠”が2名、“Secret”が1名だった。奇しくも第1試合の再現のような展開に。

 ここでは“Eras”が細かなテクニックで魅せた。慎重に索敵を行うため、車を盾に移動を開始。ただ車に乗るのではなく、一瞬だけ乗車してアクセルを踏み、すぐさま降りるのだ。これによって、車はほんの少しずつ進む。これを盾にしながら、その後ろを歩いてついていく。

真似したい方は、ぜひアーカイブ動画でも確認いただきたい。

 これをくり返して移動することで、安全に移動できるばかりか車を攻撃してきた敵の位置を割り出すことができる。頭脳プレーで敵をしっかりと見つけ出した“Eras”が、第2試合を制した。

第2試合終了時点での合計ポイント。

建物をめぐる攻防がアツい! “東京決戦”を制したのは……?

 第3試合の舞台“東京決戦”は、狭いうえに建物が密集しているマップだ。多くのチームが建物内に潜むため、外を移動するときは警戒してもしきれないような怖さがある。

 そのため、おもに屋内での戦闘が起こりやすい。敵が潜む建物に突入する、それを迎え撃つといった攻防が多数見られた。

車両で移動する“稼ぎ屋”に建物から集中砲火を浴びせる“αDAves”。“稼ぎ屋”の車両は爆発し、乗っていたメンバーは一気に全滅まで追いやられてしまった。

 その流れを踏襲するように、建物をめぐる攻防で決着がついた。“ちーむえーけー!!”が“時代は”に攻め入る形で戦闘が始まったものの、迎え撃つ“時代は”のほうが有利。しかし、背後から“BsT”が介入。“時代は”がその対応に追われる間に“ちーむえーけー!!”も突入をかけるという混戦模様に。

 後ろから攻め入った“BsT”が“時代は”を撃破し、そのまま“ちーむえーけー!!”を迎え撃つ形に。“ちーむえーけー!!”が先にひとりダウンするものの、すぐさま駆け付けた仲間が“BsT”をキル。第3試合は“ちーむえーけー!!”の勝利となった。

第3試合終了時点での合計ポイント。

ハイリスクハイリターン! “Risky”が果敢な攻めを魅せる

 第4試合も、大きく動くのは終盤。いち早く有利なポジションを押さえた“対あり≠”をほかのチームが囲む場面がポイントとなった。

 解説のBocky氏によれば、“対あり≠”が陣取った建物は周囲が開けているため、近づく敵を迎撃しやすい。そのため、車で一気に建物内まで突っ込んで戦うしかないとのこと。

 その言葉通り、先陣を切って突撃したのは“Risky”。チーム名の通りリスキーな動きだが、リターンも大きい。見事に“対あり≠”をうち倒し、強力なポジションを奪い取った。

 その後、ほかのチームも集まってくるものの、最後まで有利を手放さなかった“Risky”が第4試合の勝者となった。

第4試合終了時点での合計ポイント。第3試合で1位の“ちーむえーけー!!”が、第4試合でも2位につけ、合計ポイントでは頭ひとつ抜け出る形に。

鬼神のごとき立ち回りに要注目

 第4試合終了時点で、トップの“ちーむえーけー!!”は2位に50ポイント差をつけていた。“ちーむえーけー!!”を抜いて優勝するためには、早い時点で彼らを倒し、これ以上ポイントを稼がせないことが重要だ。

 ラスト5試合目、最終戦の舞台には“嵐の半島”が選ばれた。“ちーむえーけー!!”が最初の降下ポイントに東の島を選びがちという情報は広く知られている。

 もちろん、勢いに乗る“ちーむえーけー!!”に真正面から戦いを挑むのはリスクもある。それでもあえて勝負を挑んだのは“DgGteamEINS”だ。しかし、初動を読まれることを想定していたのか、“ちーむえーけー!!”は降下ポイントをずらしてこれを回避。

 まだ地上に着く前だというのに、手に汗握る激戦がすでにくり広げられていた。

東の島に降りる“DgGteamEINS(1番)”と、それを避ける“ちーむえーけー!!(2番)”。

 ポイント差を意識しているのはほかのチームも同じ。ただ1位を取るだけでは逆転できない可能性が高いため、どのチームも積極的にキルポイントを狙う動きが見られた。そんな中、中盤に猛攻を受けてしまったのが“ちーむえーけー!!”だ。

 “対あり≠”、“Secret”とつぎつぎに襲われ、人数が少しずつ削られてしまう。しかし、“ちーむえーけー!!”もただではやられない。

 残りふたりの状況で高台から銃撃されるピンチの中、逆に“Secret”の選手をヘッドショットで一蹴。さらに追い打ちの手榴弾でふたりをダウンさせ、続けて後ろに迫っていた敵を振り向きざまにキルと、鬼神のごとき奮戦を続けた。

この絶望的な状況からの大健闘に、実況席、会場、そして配信コメントすべてがこの日いちばんの盛り上がりを見せた。

 その直後にキルされて順位ポイントは抑えられてしまったものの、キルポイントは大きく稼げている。試合の行方とともに、“ちーむえーけー!!”の最終獲得ポイントも気になるところだ。

 試合の勢いもさらに激化。至るところでつぎつぎとキルが生まれていく。熾烈な環境の中で、第4試合を制した“Risky”がまたも終盤まで生存。しかも、“DgGZWEI”と“96〒”がそれぞれ1名ずつで残っているのに対して、“Risky”は4人が健在だ。

 圧倒的な数的有利を活かし、大胆にも車で真っ直ぐ敵に接近。貪欲にキルポイントを稼ぎ、何と2連続1位という偉業を達成した。

最終試合の結果。

“ちーむえーけー!!”が逃げ切りか!? 2連続1位獲得で“Risky”が逆転か!?

 2連続で1位に輝いた“Risky”なのか、“ちーむえーけー!!”が逃げ切ったのか、はたまた別のチームが上がってきたのか。会場全体の緊張が高まる中、いよいよ最終結果の発表が行われた。

キルマシーン賞
Ak_Masα選手(ちーむえーけー!!)、DgGarus選手(DgGZWEI)、DgGshu*選手(DgGZWEI)

準優勝 Risky

優勝 ちーむえーけー!!

「荒野王者になっても、これまでと変わらずに『荒野行動』を楽しみながらプレイします」とコメントをいただいた。

 最終試合で何と10キルもしていた“ちーむえーけー!!”が見事に逃げ切って優勝! 続いて、2連続1位の伝説を作ったものの、惜しくも“ちーむえーけー!!”に及ばなかった“Risky”が準優勝となった。

※2019年8月16日20:00 公式発表を受けて本文を修正しました。

真剣勝負だけじゃない! ちょっと笑えるオモシロ対戦も

 東・西日本王者決定戦でもおなじみのスペシャルコンテンツ“最強スナイパー決定戦”と“最強空挺兵決定戦”はもちろん本大会でも実施された。

スナイパーライフルのみを使って戦う“最強スナイパー決定戦”。待つための武器を持ち、アグレッシブに攻めるスナイパーの立ち回りは必見だ。
戦闘はせず、目的地への到達スピードを競う“最強空挺兵決定戦”。最初の航路がちょうどゴールの上を通るルートだったため、着地しただけで決着してしまった。本大会でもっともシュールな瞬間である。

 ほかにも、ダンスパフォーマンスや来場者参加型のクイズ大会、出場チームの人気投票などコンテンツが盛りだくさん。

人気投票企画も実施されており、こちらでも1位は“ちーむえーけー!!”だった。大会終了後のインタビューで優勝賞金の使い道を聞かれた彼らは「友だちや家族、恋人と遊ぶために使います」や「貯金します」といった、およそ1000万円を使い切れなさそうな返答をしていた。素朴なかわいさが人気の理由!?

 視聴者および来場者が50対50のチーム戦を行った東西100大合戦では、お笑いコンビ・ドランクドラゴンの鈴木拓さんや女性タレント陣が登場した。

 鈴木拓さん率いるスペシャルチームが西陣営の代表として、前田希美さんや岸明日香さん、青木菜花さん、月野ももさん、れたすぅさんら荒野女子部の5人が東陣営の代表として参戦。ゲームプレイやトークでイベントを大いに盛り上げた。

新情報の発表により、『荒野行動』はつぎのステージへ

 今後のアップデートに関する新情報も発表された。内容は以下の通り。

8月15日よりシーズン7開幕

8月15日から開始するシーズン7にあわせて、水着やサメ服といった衣装が登場。水鉄砲を用いたモードも実装されるようだ。

荒野家宅システム

バトロワ×ハウジング!? 家を作るのはMMORPGなどで見られるシステムだが、『荒野行動』のような対戦ゲームでは珍しい。想定外の組み合わせがどうハマるのか、楽しみだ。

旧マップ更新

初期から存在するマップ“激戦野原”のグラフィックを大幅にレベルアップさせるという。
新旧を比較するとその違いは一目瞭然。会場からも感嘆の声が漏れていた。

ここはまだ『荒野行動』の到達点ではない

 熱戦につぐ熱戦で大きく盛り上がった本大会。激闘の模様はYouTubeのアーカイブで確認してほしい。

荒野Championship-元年の戦い- 荒野王者決定戦

 筆者の個人的な感想ではあるが、本イベントは日本のeスポーツの未来に希望を抱かせてくれたように思う。

 これほどの規模の大会が日本で開かれ、それが多くの人に、しかも若い世代に受け入れられたからだ。

 YouTube Liveの同時視聴者数が6万5000人を超えたのも衝撃だったが、筆者の心にはもうひとつ強く残った光景がある。大会終了後、ベルサール高田馬場の出入り口に人だかりができていたのだ。

 とりあえず会場からは出たものの、名残惜しくて帰りたくない。大会の余韻にずっと浸っていたい。来場者の表情からは、そんな思いがひしひしと伝わってきた。それだけ居心地のいい空間を、“荒野Championship-元年の戦い”というeスポーツ大会が提供できたということでもある。

 本大会が成功に終わったとはいえ、ここが『荒野行動』の到達点というわけではない。令和という新たな時代の幕開けに過ぎないのだ。

 スタートがこれほどの規模となると、この先どんな展開が待っているのか。もはや想像もできないが、期待していいことは間違いないだろう。