ポケモンとディー・エヌ・エーが協業し2019年夏にiOS/Android向けに配信予定のスマホアプリゲーム『ポケモンマスターズ』。2019年5月に発表されてから、『ポケットモンスター』ファンの中で話題のタイトルだ。そんな本作を実際にプレイできたので、所感やゲームの遊びかたを紹介する。

『ポケモンマスターズ』とはどんなゲームなのか?

 歴代の『ポケットモンスター』シリーズに登場したポケモントレーナーたちが集結し、夢のオリジナルチームを結成するというコンセプトのもと作られた本作。このコンセプトは、数々のポケモントレーナーたちの生みの親でもあるゲームフリークの杉森建氏による発案によるもの。

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メインビジュアルは杉森氏の描き下ろし。

 冒険の舞台・人工島パシオに集まったトレーナーたちは、3対3で行われるチームバトルの大会“ワールドポケモンマスターズ(以下、WPM)”での優勝を目指すこととなる。

 WPMに出場するには、パシオの各地に存在するWPMリーダーとの戦いに勝利して5つのバッジを手に入れる必要があるため、主人公はバッジ集めの旅へと出発する。また、ともに戦う仲間を探すため、さまざまなトレーナーたちと出会い、バトルで絆を深め、仲間を増やしていくのだ。

 ゲームの基本的な遊びかたは、上記のように、ストーリーをすすめ、バトルをして、仲間を増やすというシンプルなもの。もちろん、育成要素や、トレーナーにフィーチャーしたサブストーリーなども存在する。さらに、ほかのプレイヤーと協力したマルチプレイの遊びも。それぞれの詳細なリポートを以下よりお届けしよう。

“バディーズサーチ”でバディーズを仲間にしよう

 本作に登場するトレーナーたちはそれぞれの相棒ポケモンと“バディーズ”を組んでおり、チームの編成はすべてこのバディーズ単位で行われる。

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 たとえば、タケシならイワーク、カスミならスターミーといった、原作でもおなじみの組み合わせだ。ちなみに、主人公はピカチュウとバディーズを組んでいる。

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 バディーズはメインストーリーを進めるうえで仲間にできるのだが、今回は、多様なバディーズを見るべく、効率よくバディーズを仲間にできる“バディーズサーチ”というシステムを活用することにした。ダイヤを使うことで、バディーズがランダムに仲間になる、というシステムだ。

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“バディーズサーチ”は何度か試したが、今回、開発端末でプレイさせていただいた所感としては1回のサーチで★5のバディーズが複数出ることも珍しくなかった。ところで端末のモチーフはポリゴンだろうか。真っすぐとこちらを見つめる目に吸い込まれそうになる。

 すでに仲間になっているバディーズを“バディーズサーチ”で再び仲間にすると、バディーズわざのレベルが上昇。バディーズわざのレベルが上限に達している場合は、バディーズの育成に使う、どうぐを獲得できる。

 なお、今回プレイさせていただいた端末は開発中のアプリを使用しており、リリース時の排出率は変更される可能性があるとのことだが、プロデューサーの佐々木悠氏からは、「幅広い年代に愛されるポケモンというブランドにふさわしい形にするつもりです」との説明があった。ダイヤに関しても、ストーリーを進めることで入手可能とのことだ。“バディーズサーチ”を多用せずとも、楽しめるが、どうしても好きなバディーズと出会いたい人や、効率よくゲームを進めたい人は、チャレンジしてみるといいだろう。

 ちなみに、リリース時点では65組のバディーズが実装される予定で、その後も随時追加されていくとのこと。以下は、今回バディーズサーチで仲間にできたバディーズたちの一部だ。

クリス&ワニノコ★5
ユウキ&キモリ★5
フヨウ&サマヨール★5
ライチ&ルガルガン★5
ガンピ&ギルガルド★4
イツキ&ネイティオ★4
アカネ&ミルタンク★4
ウルップ&クレベース★3
ツツジ&ノズパス★3
トウキ&マクノシタ★3
ナギ&ペリッパー★3
マイ&ウインディ★3
ヤーコン&ガマガル★3

 今回は確認できなかったが、ロケット団を始めとする敵の組織に属するトレーナーたちも今後登場する予定とのことなので、“ワルい”トレーナーが好きな方たちも期待してほしい。

 また、トレーナーが“マジコス”という特別なコスチュームを着ているバディーズも存在する。実際に、タンクトップ姿のタケシを確認できたのだが、このタケシはイワークではなくバンギラスを相棒としていた。

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通常のタケシ
マジコスを着たタケシ

 パシオで の冒険を通してさらなる成長を遂げたすがた、だという。本作のために用意されたこの特別な衣装“マジコス”姿のトレーナーが見られるのも、『ポケモンマスター ズ』の楽しみのひとつだ。“マジコス”の語源はいったい何なのだろうか。筆者の想像では、マジ(本気)のコスチュームという意味で勝負服という気もするが果たして……。

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シンプルかつ奥深い3対3のリアルタイムバトル

 本作では、3対3のポケモンバトルがリアルタイムに進行する。バトル中の操作はいたってシンプルで、基本的には【1.攻撃する相手のポケモンをタップする】、【2.バディーズを選び使うわざをタップする】の2ステップのみ。

 わざを使うためには、時間経過とともにたまる“わざゲージ”が必要で、その消費量はわざによって異なる。基本的には、威力の高いわざほど消費も大きいと考えて問題ないだろう。なお、わざゲージはチームで共有されるので、どのバディーズでわざを使うのが最適か考えながら戦おう。

 バディーズは、ポケモンだけでなくトレーナーもわざを使える。味方のHPを回復させる“キズぐすり”や、味方全員のとくこうを上昇させる“SPアップG”など、その効果はさまざま。

 トレーナーのわざはゲージを消費せずに使用できる代わりに、1回のバトルで使用できる回数に制限がある。わざを使うタイミングを見極めることが重要だ。

 ポケモンとトレーナーがそれぞれわざをくり出すだけではなく、バディーズが力を合わせて使う必殺技“バディーズわざ”にも注目。これは、まさに勝負を決める切り札。バトル中に一定回数行動することで使えるようになる。さまざまなバディーズわざの中でも、特徴的なものがコルニ&ルカリオ。バディーズわざを使用することでルカリオがメガルカリオとなり、特有のわざが使えるようになる。

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主人公&ピカチュウのバディーズわざ“走り出す情熱のかみなり”。
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バディーズわざは演出にもこだわりが。ふたごのジムリーダーであるフウとランのバディーズわざは、あえて演出がソックリに。このポーズにピンとくる人も多いのでは? トレーナーたちの設定に沿って作られているようだ。

 ところで、ポケモンのタイプ相性についても本作オリジナルの仕様が採用されている。受けるダメージが増える弱点のタイプが、それぞれのポケモンにつきひとつだけとなっているのだ。たとえば、『ポケットモンスター』シリーズでは、みずタイプのポッチャマはでんきタイプとくさタイプが弱点だが、本作での弱点はくさタイプのみ。

 ちなみに、同じくみずタイプを持つタマザラシの弱点はでんきタイプ。弱点はそれぞれのポケモンごとに設定されているようだ。そのポケモンの弱点となるタイプは、バトル画面でつねに表示されているためすぐにわかる。

 なお、弱点がひとつだけなのでいわゆる“4倍弱点”は存在せず、さらに“こうかはいまひとつ”などの、受けるダメージが半減したり無効化することもない。従来のポケモンバトルに慣れ親しんでいるユーザーにとっては少し違和感があるかもしれないが、筆者の場合は「どちらかというとポケモンカードゲーム寄りの仕様だ」と考えることで違和感が消え去った。

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 これらの独自仕様は、すべてのポケモンのタイプを暗記していなくてもポケモンバトルを楽しめるように考えられたもので、スマートフォンアプリのユーザー層に最適化するためのアイデアだそうだ。

 とはいえシンプルなだけでなく、ポケモンバトルならではの奥深い戦略性も兼ね備えている。そのカギとなるのが“ロール”だ。

 バディーズにはそれぞれ“アタッカー(攻撃役)”、“サポート(味方の支援を行う)”、“テクニカル(相手の妨害を行う)”というロールが割り振られており、これらの組み合わせによって戦術を組み立てる。

 たとえば、サポートが味方のアタッカーの能力を高め、テクニカルが相手の能力を下げ、全体攻撃で一網打尽にする。アタッカーのみを集め、火力で押し切る。など、戦術は組み合わせによってさまざま。好きなトレーナーどうしでチームを組み合わせるだけでなく、わざの組み合わせを重視してチームを編成するのもおもしろそうだ。

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世界中のプレイヤーとマルチチームバトルで共闘

 メインストーリーを11章まで進めると解放されるマルチチームバトルは、3人のプレイヤーがそれぞれひと組のバディーズを操作し、協力してステージクリアーを目指すもの。それぞれのプレイヤーが、控えも含めて3組のバディーズを連れて行けるので、計9組のバディーズでバトルに挑める。

 同時に出せるバディーズはひとり1組までだが、バトル中は自由にバディーズを交代できる。HPが少なくなったバディーズを交代したり、相手の弱点に合わせたバディーズに交代するといった考えかたは『ポケットモンスター』シリーズにおけるポケモンバトルに近いかもしれない。

 そんなマルチチームバトルの目玉は、3人のプレイヤーが力を合わせて放つ合体技“イッセイコウゲキ”だ。イッセイコウゲキ"は"イッセイゲージ"がたまると発動する。

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 イッセイゲージ"をためるためには、まず、味方であるふたりのプレイヤーが連続で攻撃しなければならない。わざゲージがプレイヤーそれぞれにあるため、連続で攻撃するには、同じのタイミングでわざゲージを貯めておくことが必要。

 さらに、3人とも連続で攻撃ができると、“イッセイチャンス”に突入。“イッセイチャンス”中は、連続して攻撃ができなくとも、“イッセイゲージ” が貯まりやすい状態となっているので、“イッセイコウゲキ”が発動しやすくなる。マルチチームバトルではではコミュニケーション用のスタンプが用意されているので、合図を出してタイミングを揃えて、強力な“イッセイコウゲキ”をくり出そう!

 ソロバトルよりも強力な相手と戦うことになるが、そのぶんクリアーしたときの報酬も豪華なので積極的に挑戦したい。なお、本作はリリース時点で8言語に対応予定で、マルチチームバトルは世界中のプレイヤーとマッチングするとのこと。マッチング速度に悩まされる心配はしなくてよさそうだ。

すべてのバディーズを5まで育成可能!

 バディーズはバトルに勝つことで経験値を獲得。レベルアップすると能力値が上昇するほか、条件を満たすとポケモンが進化することも。また、進化した際にバディーズわざが変化するポケモンもいるようだ。

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 ほかにも“のびしろ”というどうぐを使うことで、バディーズの能力値がさらに上昇。のびしろを複数使用することでバディーズの星の数が増え、星の数が増えるとレベルの上限が伸びる。 すべてのバディーズを★5まで育成できるので、好きなバディーズを強く育てられるのもうれしい。
 本作では、わざを覚えるのに“とっくんマシン”というどうぐが必要。仲間になったばかりのバディーズは、基本的にふたつのわざを覚えていて、とっくんマシンを使うことで残りのふたつを覚えられる。

 なお、これらのどうぐはデイリーミッションの報酬やエクストラエリアのクリアー報酬 で獲得できるので、コツコツと貯めておこう。

ポケモントレーナーのオールスターが夢の共演!

 筆者は、テレビアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』でタケシとカスミがアローラ地方に遊びに来る話を見て胸が熱くなった。みずタイプの使い手どうし、スイレンとカスミが会話をしているシーンなどはとくにテンションが上がった。

 なんと本作では、そこかしこでそんな状況が起こりまくっているのだ。もはや胸が熱いなんてレベルではない。ハートの火が“ダイナミックフルフレイム”級に燃え上がっている!

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 トレーナーたちの掛け合いを見ているだけでもめちゃくちゃに楽しいのだが、物語の序盤からブレイク団なる怪しげな組織が登場しており、お話自体もどう展開していくのか気になるところ。

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もちろん、ミニスカートやたんぱんこぞうなど、一般トレーナーたちも登場。 画像は「バッドガールが しょうぶを しかけてきた!」ところ。
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ホーム画面では、ポケモンセンターを訪れるトレーナーたちとの会話が楽しめる。

 ちなみに、メインストーリー以外にも“バディーズエピソード”という特定のバディーズにフォーカスしたサブストーリーも用意されている。トレーナーやポケモンの意外な一面を知ることができるうえ、クリアー報酬 までもらえて一石二鳥。ファンにはたまらないエピソードなので、必ずチェックしてほしい。

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 本作には歴代の『ポケットモンスター』シリーズに登場するトレーナーたちが集結するため、すべての作品をプレイしていないと楽しめないのではないかと不安になっている方もいるかもしれない。

 もちろん、そのトレーナーのことを知っていることでより楽しめる部分はあるだろうが、知らなければ楽しめない作品では断じてない。むしろ、これさえ遊べばこれまでのシリーズ作品に登場したトレーナーたちのことをまるごと知ることができるおトクなタイトルだ。

 メインストーリーでも、どんなトレーナーなのかがわかるようにお話が展開するほか、ポケモン図鑑ならぬバディーズ図鑑が用意されているので、知らないトレーナーが仲間になったとき、すぐに調べられる。

 好きなトレーナーがひとりでもいる人は、まず間違いなく楽しめるはず。それどころか、プレイを進めていく中でどんどん好きなトレーナーが増えていくことだろう。

 やればやるほどポケモンの世界がもっと大好きになるゲーム、『ポケモンマスターズ』はこの夏、つまり間もなくリリース予定! 筆者ももう待ちきれないのですが、もう少しだけ、いっしょに待ちましょう!

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