2019年7月16日、東京・六本木のTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて、2019年8月2日より全国東宝系で公開される、名作RPG『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』(以下、『DQV』)を原案にした映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』のワールドプレミアが行われた。

佐藤健「ゲームファンの心を代弁してくれるような作品」と大絶賛! 映画『ドラゴンクエスト ユア・ストーリー』ワールドプレミアの舞台挨拶を徹底リポート!!_01

 このプレミアイベントは、総監督と脚本を務める山崎貴氏、そしてキャラクターボイスを担当した出演者の大半が登壇する舞台挨拶と本編上映の2部構成で実施。

 舞台挨拶は全国57ヵ所のTOHOシネマズにも生中継され、約1万人ものファンが豪華キャスト陣のトークと試写を楽しんだ。映画本編の内容には当然ながら触れられないが、ここでは舞台挨拶でくり広げられた『ドラゴンクエスト』エピソードの数々をお届けする!

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後列左からケンドーコバヤシ(サンチョ役)、安田顕(プサン役)、賀来千香子(マーサ役)、吉田鋼太郎(ゲマ役)、井浦新(ミルドラース役)、山崎貴総監督/前列左から山田孝之(パパス役)、波瑠(フローラ役)、佐藤健(リュカ役)、有村架純(ビアンカ役)、坂口健太郎(ヘンリー役)※敬称略

 まずは、メインキャストと総監督が、会場だけでなく全国の劇場にいるファンに向けたあいさつでスタート。

 主人公のリュカ役を務める佐藤健さんは「このような大役を務めさせていただいて、光栄に思います。大傑作が完成しました。僕はゲームが好きで、ゲームとともに育ってきたと言っても過言ではないくらい。そんな自分がこの映画を観たら、感動しすぎて席から立てなくなりました。子どものころは“ゲームばかりやってないで勉強しなさい!”と言われてきました。でも“こんなにステキなことがゲームには詰まっているのに”とモヤモヤしたまま、大人になったんです。そういった方たちはたくさんいると思うのですが、そんな心の声をこの映画がすべて代弁してくれました。この作品との出会いは特別でしたし、早くこの想いを共有したいです」と語った。

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 ビアンカを演じた有村架純さんは、「ビアンカを演じるにあたって不安やプレッシャーがあって、本当に自分でいいのだろうか? と悩みに悩みました。でも、完成した作品を観て、参加させていただいて本当によかったと、心から思いました。女性も楽しめる作品ですので、ぜひ楽しんで観てください」とあいさつ。

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 一方、言わばビアンカのライバル(?)となるフローラ役を演じた波瑠さんは、「声の仕事には不慣れで、このお仕事のお話をいただいたときは不安やプレッシャーを感じました。また、『ドラゴンクエスト』は多くの人に愛される作品だということは知っていましたし、いろいろな人の心に残っている思い出を壊してしまわないか、不安でした。声の収録は少し変わった手法(※編註:本作は声の演技を先に収録してから絵を完成させるプレ・スコアリングを実施)で行うことになりましたが、あたたかく指導をしていただきながら、特別な時間を過ごせたと思います」と、感慨深そうに振り返る。

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 ヘンリーを演じた坂口健太郎氏はゲームが大好きで、「『ドラゴンクエスト』シリーズが大好きでした。最近はゲーム好きと言っているのですが、以前はどこか日陰の存在だったと思いますし、健さんが言ったように、僕も“ゲームばかりしていないで勉強しなさい!”と言われた記憶もあります。そんなゲームを題材にしたすばらしい作品ができて、それを皆さんに観ていただける世界になったんだな、と改めて感じました。そんな世界の中で、ヘンリーとしていられたのはとても幸せな時間でした」と、かつての思い出とともに本作に参加できた喜びを語ってくれた。

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 続いては、『ドラゴンクエスト』シリーズファンとしてもおなじみの山田孝之さん。『DQV』でも多くのユーザーの心に残ったパパスを演じ、「オファーを受けたときは軽い気持ちでしたが、できあがった作品はすばらしかった。今回は邪魔しないように、真っ当な感じでいこうと思いました」と語ってくれた。

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 芸人のあいだでも有数の『ドラゴンクエスト』ファンである、サンチョ役のケンドーコバヤシさんからは、「原案の『DQV』をやり込んだ方ならわかると思うんですが、じつはサンチョは育てれば育てるほど役に立つ、強い男なんです。映画でもその片鱗が観られたり観られなかったりするかも? というところを楽しみにしてください」と、マニアックな視点からコメント。

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 『DQV』でも重要なカギを握るプサンを演じた、安田顕さん。「収録がずいぶん前だった(※編註:プレスコが実施されたのは2017年)ので、本当に公開されるのか不安でした(笑)。いまも、試写会で聴いた『ドラゴンクエスト』のテーマがずっと鳴り響いています。じつは私、『ドラゴンクエスト』シリーズは『I』、『II』、『III』と『VI』、あとは『XI』しか遊んでいなかったのですが、家に帰った後にまんまと『V』を買ってしまいました」とのこと。

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 本作ではすべてが謎に包まれているミルドラース役を務めた井浦新さんは、「すべてが謎に包まれているので、発言が封じられているのですが……(笑)。子どものころから夢を与えてくれたゲームの映画に参加できたことを光栄に思っています」とコメント。役柄的に何を言ってもネタバレに関わってしまうという、難しい立場を感じさせる挨拶となった。

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 言わずもがなの大女優であり、リュカの母親であるマーサを演じた賀来千香子さんも、やはりネタバレに配慮したようで、「キレイでステキで勇気ももらえる、壮大で夢のような作品に参加させていただいて光栄に思っています。特殊なチカラを秘めたマーサを演じさせてもらって、自分もエネルギーをもらったような気持ちです」とコメント。

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 主人公の宿敵として登場するゲマの声を演じた吉田鋼太郎さんは、「世界にいるゲマファンの方々の期待を裏切らないように演じたつもりなので……寛大な気持ちで観ていただければと思います。僕自身、ゲマを倒すのに苦労した覚えがあるんです。それは僕のスキルの問題だと思うのですが。そういう思い入れもあるキャラクターなので、皆さんのお目に適えばいいなと思っています」と語った。

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 本作の総監督と脚本を務めた山崎貴総監督は、「総監督という偉そうな名前が付いていますが、内容的には“お助け監督”くらいの感じ。八木竜一監督と花房真監督率いるスタッフが4年近い歳月をかけて作り上げた作品です。ある意味、少し離れたところから見ていたので言いやすいのですが……本当によくここまでできたなと思っています。両監督の人生を削って投入した作品だと思いますので、1分1秒見逃さずに堪能していただきたいです」と、あいさつを締めくくった。

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 ここからは、『ドラゴンクエスト』シリーズをプレイしたことがある男性キャスト陣に、『ドラゴンクエスト』の思い出を聞いていくことに。佐藤健さんは「やっぱり、はぐれメタルをいかに倒すか……そこに尽きますね」と回答、会場のあちこちからも同意の声が挙がる。「逃げられずにどう倒すか、小学校の3年間は捧げたんじゃないかな。『DQV』を遊んだのは小学校低学年だったと思うのですが、何時間も続けて遊ぶと親に怒られるので、朝早く起きて学校に行く前にプレイしました」と、しっかりとしたプレイスタイルを語った。

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 坂口健太郎さんは「『DQV』は三世代にわたる物語なのですが、“こんなゲームはいままでなかったな”というのが、最初にプレイしたときの印象です。しかも、選択する相手に悩んだり、選ばなかった相手の物語を見ると寂しい気持ちになったり。感情に訴えかけられる作品だったと思います。だから、オファーをいただいたときはすごくうれしかった。ヘンリーはチャーミングな憎めないキャラクターなので、声を演じるのが楽しみでした」と、ヘンリー愛がうかがえるコメント。

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 劇場には『ドラゴンクエスト』ファンがぎっしりということで、山田孝之さんからどんなエピソードが飛び出すのか……みんなが注目していたのだが、「人並みにプレイしてきたという、熱い想いはあります。『DQV』は移植されるたびに遊んでいて……人並みです」とのこと。ただ、会場のファンは“移植されるたびにって、人並み以上に遊んでいるでしょ!”と無言でツッコんでいた気がする。

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 「最近の『ドラゴンクエスト』の思い出は、今朝ですね」と語ったのは、ケンドーコバヤシさん。というのも、朝方に『DQX』の日課をこなしてきたのだそう。『DQV』については、「相手を選ぶ話題で、同級生と本気でケンカになりましたね。大人になったら相手を選ぶときに、友だちとケンカしたりしない……不思議なものです。それに、実際のボクはまだ誰にも伝えていないんですよ」と、独身である自身の状況を憂いていた。

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 安田顕さんは、「プレイするというよりも、物語を見ることが中心。『I』が出たのが小学生のときで、兄がプレイしているのを後ろで見ていました。いま、娘が中学生なのですが、『XI』を遊んでいて、それも物語を見ていました。そんな娘は、(プレイが)終わると『XI』ロスになるのがイヤだと言って、クリアー直前で止めています」と、親子二代にわたる『ドラゴンクエスト』エピソードを披露。

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 ミルドラースを演じているだけあって、物語に関して多くを語れない井浦新さんだが、『ドラゴンクエスト』エピソードとなると話は別。「楽しかったこと、おもしろかったことはすぐ忘れたり、記憶がボンヤリしたりする。だから、『V』も壮大で楽しいというざっくりした思い出があります。反面、苦しい思い出というのはよく覚えていて、強烈だった“ふっかつのじゅもん”のミスが最大の思い出ですね」とコメント。

 これに対して、吉田鋼太郎さんが会場にいるお客さんに“ふっかつのじゅもん”のシステムを「文字を間違えたら先に進めない。ものすごい理不尽なシステムだった」と、ヒートアップしながら解説。ケンドーコバヤシさんも、「“め”と“ぬ”が鬼門と言われていましたね」と、当時のグラフィックやモニターでは文字がつぶれて見えにくかったという“あるある話”で吉田鋼太郎さんを援護。会場にいる若いお客さんもいっしょに “ふっかつのじゅもん”の話題で盛り上がれるというのも、ある意味“『ドラゴンクエスト』あるある”なのだろう。

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 女性キャスト陣には本作の注目ポイントを聞いたところ、有村架純さんは「注目ポイントがありすぎて選びきれないですし、ネタバレもできないので、答えるのは難しいのですが……。観ていると、自分も冒険しているような気持ちになるんです。主人公のリュカの想いがかき立てられているときは、自分も同じ熱量でご覧になれると思います。ぜひ、そういうふうに観ていただきたいです」と回答。

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 波瑠さんは「見どころはすごいたくさんあるんですけれど、話すとボロが出そうなので……(笑)。個人的に好きなのは、リュカが心を決めてプロポーズをするシーンです。あと、エンドロールもチェックしていただけるとうれしいです」と答える。山崎貴総監督も「エンドロールにちょっとした秘密が隠されているので、ビックリすると思います」とフォロー。ちなみに、“波瑠さんがエンドロールに言及した”ということはかなりなポイント。その理由は、ご自身の目で確認を!

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 賀来千香子さんが選んだ見どころは、「全編が見どころなのですが、あえて挙げるならパパスが出たシーンやマーサの加減とか……ネタバレが怖いので細かく言えないのですが、ステキなシーンばかりです」とコメントしていた。

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「スライムの頭のほうを持っちゃダメですよ!」と、佐藤健さんが山崎総監督にツッコみ、あわてて持ち直していました!

 会場が幾度も笑いに包まれた『ドラゴンクエスト』らしい舞台挨拶も、ついにラスト。佐藤健さんからの「僕からはひとことだけ。この物語の主人公はあなたです。この夏の最大の冒険をぜひ楽しみにしてください」という、公開を待ち望むファンへのメッセージでワールドプレミアの舞台挨拶は幕を閉じた。

 本作のタイトルである『ユア・ストーリー』ともリンクしたこの言葉は、言えることが限られている現段階では、佐藤健さんからの最大限のメッセージである。その真意、そしてキャストの皆さんが言わんとしていたことは本作を観ればすぐにわかるので(プレミアをご覧になった皆さんなら、筆者と同じように納得していただけるはず!)、公開後に劇場で本作を観て、佐藤健さんのメッセージの意味に“納得”していただきたい。

 また、ワールドプレミアの感想を知りたい方は、ツイッターで“#映画ドラクエ1万人の勇者”をチェックしてみよう。ワールドプレミアでひと足先に冒険を体験した方々の、アツい想いを見て、2019年8月2日の公開を心待ちにしてほしい!