2019年6月11日~13日(現地時間)にアメリカ・ロサンゼルスで開催されたE3 2019。最終日となる13日に実施された、『ファイナルファンタジーVII リメイク』(以下、『FFVII リメイク』)のプロデューサー・北瀬佳範氏による日本メディア向けプレゼンテーションの模様をリポートする。
 
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北瀬氏のコメント

 プレゼンでは、北瀬氏が本プロジェクトの概要などを解説。追って、未公開の実機プレイによるデモンストレーションが行われた。まずは北瀬氏のコメントからお届けしよう。

『FFVII リメイク』プロデューサーの北瀬佳範氏。

プロジェクトの概要について

 『FFVII』は22年前の作品ですが、発売当時においては非常に画期的であり、その後のゲーム業界にもいろいろと記憶に残る作品になったと思います。そんな原作のコンセプトを再構築し、世界とキャラクターをより掘り下げた作品として立ち上げたのが『FFVII リメイク』です。いわゆる移植やリマスターではないので、キャラクターや背景を含め、すべてのデータを新しく作り直した、まったくの新作と言っても過言ではないような作品となっております

 原作を遊んだプレイヤーの「こういう『FFVII』のリメイクであってほしい」という期待に沿うようなものを目指して開発を続けていますが、新たな驚きを与えられるようなことも盛り込みたいと思っています。もちろん原作をプレイしていない方に関しては、すべてが新鮮に感じるような作品となり、かつ、当時原作をプレイしたときと同じような驚きを与えたいなと思っています

 私たちがまず最初に重視したのは、『FFVII』(原作)の世界観をもっとも象徴する“ミッドガル”を魅力的に描くという事でした。ミッドガルの内部構造を新たに設計しなおし、そこに暮らす住民たちの生活描写や新規エピソードも加えました。

 最終的には原作での“ミッドガル脱出”までのストーリーを描くだけで、Blu-rayディスク2枚組という大容量となり、世界観や物語は充分な密度感とボリュームになりました。それに伴ってキャラクターの成長やボスモンスターの配置も今作用に最適化したことで、1本の独立したゲームとして完全に再創造され、充分に遊び応えのある作品になったと思っています。

 ファンの方は、リメイクするにあたって、どの要素が残って、どの要素が削られてしまうのかという不安があると思いますが、Blu-rayディスク2枚組ということで、ファンの方の期待に応えられるような多くの要素がしっかりと再現される作品になっていると思っています

開発チームについて

 『FF』シリーズ全体で、つねに目指しているものがあります。それは、“革新的なものにする”ということと、“その時代の限界に挑戦する”ことです。そんな、つねにプレイヤーへの驚きを与えたいという『FF』そのものが持っている精神は、『FFVII リメイク』においても引き継がれており、ナンバリングタイトルと同等のパワーをつぎ込んだ作品となっています。

 開発には、私を筆頭にディレクターの野村哲也、シナリオの野島一成氏など、原作のスタッフが今作でもコアメンバーとして関わっております。さらに、当時はプレイヤーで、『FFVII』が好きだったという若いスタッフが、時を経てこのプロジェクトに参加しています。また、このプロジェクトのために、いろいろな国から日本までやってきて参加しているスタッフもいますので、国際的なチームになっています。開発チームは、これらの若いスタッフを、原作から関わっていたコアメンバーが統括するようなかたちで成り立っています。

『FFVII』のリメイクの話は、かなり前からファンの方々、メディアの方々からも期待されていました。しかし、長いあいだ着手するには至りませんでした。というのも、単にグラフィックがきれいになったアップデート版だけでは作る意味がなく、『FFVII』をもう1回作るのであれば、最先端の技術を導入し、さらに原作を超えるような感動を与えるようなものではないと意味がないと思っていました。今回のリメイクには、そういった意気込みも含まれています。

ミッドガルについて

 『FFVII リメイク』プロジェクトの最初の作品となる本作は、ミッドガルが舞台となります。原作のミッドガルはダークで、スチームパンクな世界観が特徴でしたが、今作でもそれが活かされています。ミッドガルは夜のシーンが多く、暗い場面が多いのですが、最新のライティング技術を用いて、暗い中でもバラエティーに富んだミッドガルの表情が見せられると思います。

 原作と比べてグラフィックはよくなっていますが、ただフォトリアルな方向を追求するということはしていません。フォトリアルを目指しつつも、『FFVII』がもともと原作で持っていた独特の色味というものを出したいと思っています。ミッドガルという都市は、原作でも印象的、象徴的な場所だったので、最初の作品でしっかりと描こう、フォーカスしようというのが企画立ち上げのコンセプトにもなっています。

 ちなみに、今作はまだ開発中ではありますが、2作目の企画、プロットも並行して進めております

キャラクターについて

 原作の発売は22年前ですので、ボイスもなければ、モーションキャプチャーの技術も導入されていません。また、カットシーン以外ではカメラワークも導入されていませんでした。
 
 今作では、キャラクターをより魅力的に表現するため、ボイスがつき、モーションキャプチャーが入り、3Dのカメラワークがつねに入るという状態になっています。かつ、フェイシャルや髪の毛のシミュレーションの技術も用いて、格段にキャラクターの表現力がアップしております。それにより、ストーリーへの没入感がより深くなっている、というのが『FFVII リメイク』の特徴のひとつです。