2019年6月11日~13日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスで開催されている世界最大のゲーム見本市“E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2019”。カプコンのハンティングアクション『モンスターハンター:ワールド』の超大型拡張コンテンツ『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(以下、『MHW:I』)プロデューサーの辻本良三氏とエグゼクティブ・ディレクター/アートディレクターの藤岡要氏にお話をうかがった。

辻本良三氏(つじもと りょうぞう)

『モンスターハンターワールド:アイスボーン』プロデューサー

藤岡 要氏(ふじおか かなめ)

『モンスターハンターワールド:アイスボーン』エグゼクティブ・ディレクター/アートディレクター

――E3 2019も2日目に入りました。会場には世界中のメディアやゲームファンが来ていますが、『MHW:I』の手応えはいかがですか?

辻本 じつは、ずっとブース内で取材対応などをしていたので、ブースの様子をちゃんと見ていないんですよ(苦笑)。

藤岡 初日のステージの配信は、日本のファンの方々にけっこう観ていただけたようです。

――カプコンブースでは、試遊はもちろん、巨大なイヴェルカーナの前での記念撮影が盛況のようでした。

藤岡 来場者の皆さんには、迫力を楽しんでいただけているようで、よかったです。

辻本 イヴェルカーナや、(撮影用小道具の)ヘビィボウガン、ハンマーなども、かなり気合を入れて作っています。

――ゲーム内の武器が完全再現されていましたね。ゲームの話題に移りますが、試遊した感触としては、スリンガーを使った新アクションが、かなり使いやすかったです。L2ボタンを操作に割り当てることで悩んだりましたか?

藤岡 悩みましたね。L2ボタンをすでに使っている武器もあるので、もう空いているボタンがないんですよ。議論を重ねた末、一部の武器はL2+R3ボタン押し込みで切り換えられるようにしました。できるだけ複雑にならない方向で調整をしています。

――R3ボタンでの切り換え操作がある操虫棍を使ってみました。スリンガーの照準が目立ったデザインになったせいか、混乱することはほぼなかったです。

藤岡 照準は、視認性を意識して、『MH:W』からデザインを変えています。試遊はどのクエストを遊びました?

――3つともプレイしました。久しぶりのティガレックスも狩りましたが、あのモンスターの狩りは相変わらず熱いですね。クラッチクローを狙いすぎて、片っ端から叩き落とされましたけど。

辻本 マスターランク相当のモンスターは、クラッチクローの使いどころも見極めたほうがいいですね。

藤岡 ティガレックスには仕掛けどころを考えないと、抵抗してきます。

――なるほど。いわゆる“出し得”ではないあたりが『モンハン』らしいですね。バフバロにはクラッチクローを使うチャンスがけっこう多かった印象ですが。

藤岡 バフバロは『MHW:I』のストーリーを進めていくと、けっこう早い段階で遭遇するモンスターなので、新たなアクションをある程度試しやすいバランスにしています。ちなみにバフバロは、渡りの凍て地にしかいないと思っている方が多いと思いますが、ほかのフィールドにも出現するんですよ。

――そうなんですか! 従来のフィールドにも出ると。

藤岡 乱入モンスターのような感じで、さまざまな場所に出現します。

――ということは、バゼルギウスやイビルジョーのような存在……?

藤岡 イビルジョーというより“ふとしたらそこにいる”くらいのふわっとした感じで、その場の状況を変化させる存在です。序盤から中盤にかけて、いろいろな場面で使いたいモンスターとして設計していますので、バフバロ単体では突進がメインのシンプルな動きをするようにしました。ほかのモンスターと絡ませるときに、複雑な動きをさせると場が混乱しすぎてしまいますから。

――バフバロ単体ではぶっ飛ばしの練習にうってつけだと感じたのは、そういう設定になっていたからなのですね。ブラントドスと縄張り争いを始めたときは、ほどよい変化が楽しめました。

藤岡 ブラントドスも序盤のモンスターなのでシンプルですが、雪に潜るなど、バフバロに比べて若干クセがありますね。ですが、積極的にクラッチクローを使ったり、スリンガー音爆弾などのサポートでうまく立ち回りやすいゲームデザインにしています。

――そう言えば、ぶっ飛ばしを使うとスリンガーの弾を全弾消費しますよね。そのおかげで、これまではスルーしがちだった石ころなどがありがたい存在になりました。

辻本 とりあえずスリンガーに何か装填しとこ、という考えになりますね(笑)。渡りの凍て地は、石ころなどが手に入りやすいフィールドになっているんですよ。

藤岡 片手剣など、スリンガーを多用しそうなサポート系の武器では、クラッチクローからの攻撃でスリンガーの弾を落としやすいようにしています。逆に、武器そのものの強さで削っていく武器種では、モンスターに傷をつけやすくなっています。

――武器出し中のスリンガー使用が全武器種のものになって心配だったのですが、片手剣はサポートとしての強みがより増したと感じました。サポートが好きなプレイヤーに人気が出そうですね。

藤岡 ジャストラッシュも強力ですし、強化撃ちがいつでも狙えるというのは強みですね。そのほかの武器は使いましたか?

――チャージアックスもますます人気武器になりそうだと思いました。斧強化が気持ちよすぎです(笑)。

藤岡 多段ヒットしまくりますからね。従来の魅力を伸ばす形で、それぞれの武器を調整しています。

――今回触ってないのですが、狩猟笛がどうなっているのか気になります。『MH:W』ではあまり使っている人を見かけませんでしたが……。

藤岡 従来の狩猟笛は、音を奏でたときだけバフを付与するというものでしたが、今回は回復の煙筒に近いものを置いていく……といったサポートもできます。ふたりでマルチプレイをするときにも活躍しやすいと思います。

――ふたり用の難易度調整もうれしいです。

藤岡 もともとふたりでも遊びやすいようにオトモが存在しているのですが、アイテムがジリ貧になったりするため、救難信号で3人、4人にしたほうが……という感じになっていたので、ふたりでも遊びやすい調整を入れました。

辻本 友だちや家族で2台用意して遊んでいるケースも少なくないので、そういったプレイスタイルの方も楽しくできるようにと。

――なるほど。話は変わりますが、ステージでの実演では藤岡さんがオトモダチを呼んでいましたよね。あれはどうやってできるのですか?

藤岡 じつは、E3に出展中の体験版でもできるんですよ。キャンプにいるオトモに話しかけると笛がもらえるので、これから試遊される方はぜひ使ってみてください。モンスターライド中にアイテムを使えるのは便利に感じていただけると思います。

――あとで試してみます! それともうひとつ、セリエナの広さがどのくらいなのでしょう?

藤岡 長年かけたアステラと違い、セリエナは突貫で作った拠点なのでコンパクトな感じです。マスターランクを遊ぶ方は、各施設をサクッと使いたい方も多いですので、ゲームデザイン的にマッチしていると思います。

――便利そうで楽しみです。最後に、E3会場へ足を運んでいない日本のファンに向けてひと言ずつお願いします。

藤岡 もちろん国内のファンの方も意識していますので、何かしらのプロモーションをしたいと考えています。今後の情報発信を見逃さずお待ちください。

辻本 未発表のモンスターも当然まだいますので、今後もさまざまな情報を出していきます。まだまだ遠い未来に感じている方も多いかもしれませんが、残り3ヵ月しかないんですよね。続報も濃いものになりますので、どうぞご期待ください。