2019年6月12日に発表された、シリーズ最新作『ノーモア★ヒーローズ3』。『ノーモア★ヒーローズ2』から9年の時を経て登場するナンバリング作品について、ディレクター須田剛一氏にインタビューを実施した。

 2019年6月12日、任天堂の配信番組“Nintendo Direct: E3 2019”の中で、シリーズ最新作『ノーモア★ヒーローズ3』の発売が発表。主人公・トラヴィスがアーマーを身に付けて戦ったりと、気になるシーンが満載の映像になっていた。そんな本作について、さっそくディレクターの須田剛一氏にインタビューを実施。“とっておきの情報”など、須田氏のサービス精神溢れる内容となっているので、最後までお見逃しなく!

ファミ通.com“E3 2019情報まとめ”特設サイト

須田剛一(すだ ごういち)

グラスホッパー・マニファクチュアCEO。『ファイヤープロレスリング』シリーズや、『シルバー事件』、『ノーモア★ヒーローズ』シリーズなどを手掛けるゲームデザイナー。『ノーモア★ヒーローズ3』ではディレクターを務める

――まずは、『ノーモア★ヒーローズ3』を発売することとなった経緯をお教えください。

須田 今年、『Travis Strikes Again: No More Heroes(トラヴィス ストライクス アゲイン: ノーモア★ヒーローズ)』という作品を発売したのですが、ファンからはナンバリングを作ってほしいという声も多々いただいておりまして。僕の中で『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』が成功したら、つぎのナンバリングタイトルを作りたいという想いがあり、実際にたくさんの人に遊んでいただけたので、実現したわけです。

――『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』が好評だったということですね。

須田 そうですね、ありがたいことに、ファンの方に喜んでいただけて、反響もたくさんいただきました。

――そこで手応えを感じて『ノーモア★ヒーローズ3』を作ることになったということは、開発の始動は最近なのでしょうか?

須田 『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』のマスターあたりだったと思います。その時点でたくさんの反響をいただいて。今回のNintendo Directの映像も、時間がない中、急ぎで作って……(笑)。ただ、ナンバリングの最初から、いつも同じメンバーで作ってきていて、皆さん流れもわかってくださっているので、スムーズに動けていますね。本当にお世話になっています。

――長年培われた関係ならではですね。トラヴィスがアーマーを装着して戦うシーンを初報のトレーラーに選ばれた理由は?

須田 あそこは、物語の重要な部分でもあり、じつはものすごく映画の『インデペンデンス・デイ』を意識しているんですよ。トラヴィスとウィル・スミスを重ねながら考えたりして……。最初のシーンでは、あの主人公が誰かわからないようにしています。

――現在、考えられている新要素などについて、お教えください。

須田 本作の中でトラヴィスは、殺し屋同士の戦いでなく、宇宙から来た“ヤベー奴”と戦うんです。言うなれば、『アベンジャーズ』のサノスのような……。

――人間同士の戦いじゃないんですね。

須田 従来のトラヴィスのような、生身の人間の状態なら太刀打ちできないんですが、『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』でトラヴィスはビデオゲームの中に入って、“デスドライブ”の力を自身が付けている“デスグローブ”の中に詰め込んだんです。

――なるほど、『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』から話がつながっているんですね。

須田 その部分が、今回のコンバットシステムの重要な要素になっています。映像にもあったフルアーマーもこの力なんですよね。すべては“デスドライブOS”が実現可能にしています。僕はそれを“ビデオゲームぢから”と呼びたいと思っているのですが(笑)。

――『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』を遊んでいた人は、より楽しめそうですね。

須田 もちろん、『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』を遊んでいない方でも楽しめますし、初めて本作を遊ぶ方にでも、十分に楽しんでいただけると思います。

――いままでのナンバリング作品をお好きな方が、ちょっとうれしい要素などはあるのでしょうか?

須田 シルヴィアが登場することはすでに公表していますが、ほかにも懐かしいキャラクター登場するかも……? 本作では、ファンの方の声に丁寧に耳を傾けており、できる限りではありますが、要望に応えようと考えておりますので、喜んでいただけるものにはなると思います。

――それは期待ができますね!

須田 『ノーモア★ヒーローズ3』はファンの方が実現したタイトルだと思っておりまして、深く愛してくれた結果だと考えています。今回も発表時に、ビックリするくらい大きいリアクションをいただいて。

――とくに反響が大きかった地域はありますか?

須田 アメリカがやはりいちばんで、つぎにフランスでした。日本はまだ朝方ですので(インタビュー時に日本は朝7時ごろ)、今後の反応が楽しみです。

――反応はぜひ須田さんのTwiter(@suda_51)へ、ということで……(笑)。『トラヴィス・ストライクス・アゲイン:ノーモア★ヒーローズ』がプレイステーション4、PCで発売されることになったのも、最近の大きな話題ですよね。

須田 いままでのシリーズは、ほぼWii独占で、プレイステーションでは、数年後にリマスターという形になってしまっていました。今回は、時期を開けずにそのままのカタチでお届けしたく、このタイミングで発売することを決めました。

――『ノーモア★ヒーローズ3』で目指しているもの、こういったタイトルにしたいという目標はあるのでしょうか。

須田 まずは、ナンバリングタイトルとしてこれまでを踏襲しつつ、ビデオゲームの既成概念をどう突き破るかというところです。よくも悪くも、ほかのタイトルを意識せずに作りたいなと。いまこの時代のビデオゲームのトレンドはもちろんありますし、それは大切にしなければならないものです。ただ、それに影響を受け過ぎず、従来のファンの方や、若いゲームファンの方にも楽しんでいただけるゲームにすることが、グラスホッパーとしての目標ですね。

――グラスホッパーとして今後取り組んでいきたいものはあるのでしょうか?

須田 いまは『ノーモア★ヒーローズ3』に注力しつつ、15年ぐらい言い続けていますが、やはりガンダムのゲームを作りたいですね! 『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』のゲーム化の話が来ていないので、「あれ? どうしたのかな」と。バンダイナムコエンターテインメントさんは、この記事を読んだらぜひご連絡くださいませ。

――(笑)。ではインタビューを終える前に、ファミ通読者の方へ、とっておきの情報のプレゼントをいただけないでしょうか……?

須田 ファミ通さんでは、WEB番組『帰ってきたトラヴィス』を月1でずっとやらせていただいていて、今回の『ノーモア★ヒーローズ3』も、皆さんの応援があったからだと思っています。また、林さん(週刊ファミ通編集長・林克彦)なんでE3 2019に来ていないんだろうと……。来ていないなら、プレゼントはないかな(……ここ載せておいてくださいね!)。

――承知致しました(笑)。林はいないですが、ぜひお願いします!

須田 トレーラーの中の、最初のシーンでトラヴィスが寝ているんです。ゲームを遊んでいて寝落ちした場面なのですが、ここで遊んでいたタイトルが『APE OUT』というインディーゲームなんです。トラヴィスは『APE OUT』の大ファンなのですが、このゲームが本作にとって大きな謎を握っているのかもしれないですし、握っていないかもしれないです(笑)。

――なるほど、そんなところにヒントが……! 最後に、日本のファンの方へメッセージをお願いします。

須田 今回、ナンバリングタイトルの重圧みたいなものも感じているのですが、いままでの色を引き継ぎつつ、新しいゲームになるようにがんばりたいと思っています。シンプルではありますが、丁寧に作っていきますので、よろしくお願いいたします。