2019年6月1日と2日の2日間、京都みやこめっせで開催されている国内最大のインディーゲームの祭典“BitSummit 7 Spirits”。出展されていた数多くの注目インディータイトルの中から、本記事ではDegica Gamesブースに出展されていた『Virgo Vs The Zodiac』を紹介しよう。
ユニークなストーリーと独自のアイデアを持った戦闘が魅力のRPG作品に
『Virgo Vs The Zodiac』は、ブラジル在住のデベロッパーMoonanaが制作したRPG。おとめ座の女王という主人公の“ヴァーゴ”が自分の正義のため、12星座の王をすべて征服すべく戦うという“アンチヒーローファンタジー”となっている。もともとは『RPGツクール MV』で作られたβ版がベースになっており、その後クラウドファンディングの成功を経て、めでたく製品版の発売が決定した作品だ。
今回の出展では、本作のバトルをメインにした体験版が展示されていた。ドットで描かれたかわいい色使いとビジュアルが印象的なタイトルだが、実際に遊んでみるとその第一印象を裏切る、アイデアと奥深さが詰まったゲームという印象を受けた。
本作でかなり特徴的だったのがバトルシステムだ。RPGらしく、攻撃やガードといったコマンドを選択して戦闘を進めていくのだが、自分が攻撃するときや、相手から攻撃を受ける度にQTE(クイックタイムイベント)と呼ばれる、タイミングよくボタンを押す要素が盛り込まれている。
このQTEの成功が戦闘ではかなり重要で、自分が攻撃を加えたときに失敗してしまうと相手へのダメージが減少し、逆に相手からの攻撃を受けるときのQTEに成功すれば、攻撃をガードして受けるダメージを減らすことができる。
そんなQTEは、タイミングがかなりシビアに設定されていて、油断しているとあっさり失敗してしまうくらいの難しさになっている。この要素は戦闘に緊張感を与えるよいアクセトとなっていて、戦いの“ひとつの油断が命取りになる”という部分を体現しているようなおもしろいアイデアとなっていた。ほかにも、ゲームをデザインしたNana氏は、製品版には150種類以上もの装備や育成システムがあり、装備のスキルなどをそれをうまく組み合わせていくことも攻略のポイントになると話していた。
そしてもうひとつ、本作の大きな要素になっているのが3すくみの属性システムだ。属性はそれぞれ赤・青・緑に色分けされており、選択に応じて主人公自体の属性を変更することが可能。マップステージ中のギミック自体にも色が付けられていて、その色に合わせて主人公の属性を変えることでギミックを解いたり、バトルパートでは敵自体の色が属性になっているため、主人公が有利な属性の状態であればより効率よく戦うことができる。このように、視覚的な要素を活かしたゲームシステムも本作の魅力となっている。
BitSummit 7 Spiritsに来ていた、本作のクリエイターのNana氏とリードアニメーターのAnglerman氏によると、印象的なドット絵のアートは『MOTHER』シリーズや『ポケットモンスター金・銀』からインスピレーションを受けて作られたのだそうだ。
最後に、ユーザーへ向けてメッセージをうかがうと、「まずはゲームを楽しんでもらって、作品に込めたメッセージが伝わると嬉しいです。ゲームを進めていくなかで、主人公の“ヴァーゴ”がどのように変わっていくのかも楽しんでほしい」とのことだ。
『Virgo Vs The Zodiac』は、2019年秋にSteamにて、日本を含めて世界同時発売が予定されている。
ゲームタイトル:Virgo Vs The Zodiac
対応機種:Steam
プレイ人数:1人
公式トレーラー
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