電撃文庫25周年記念作品として、ドワンゴとKADOKAWAが共同開発したラブコメRPG『エンゲージプリンセス ~眠れる姫君と夢の魔法使い~』(以下、『エンプリ』)。ゲームアプリ『エンゲージプリンセス』の世界を、“ナイトメア”と呼ばれるヒロインたちと冒険するPCブラウザゲームで、サービス開始時に100人以上ものヒロインが登場する。
クリエイター陣も豪華で、メインクリエイターには、電撃文庫『エロマンガ先生』や『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』を手掛けた、伏見つかさ氏とかんざきひろ氏を起用。伏見氏が原作・メインストーリー、かんざき氏がメインキャラクターデザイン・イラストを担当。ほかにも、電撃文庫で活躍する著名な作家やイラストレーター、そして、niconicoで活躍するボカロP、ニコニコ絵師も参加している。
そんな話題の完全新作PCブラウザゲームが、2019年4月1日にサービス開始となり、4月24日 より、アニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない。』(以下、『俺の妹。』)とのコラボイベントが開催されている。これを記念して、5人のメインヒロインを演じる声優陣にインタビューを実施。第2回目は、“なぜかオタク口調で喋る残念な姫騎士”こと、ベアトリスを演じた千本木彩花さんのインタビューを公開する。
※インタビューは『エンゲージプリンセス』サービス開始前の2019年3月に行われました。
千本木 彩花(せんぼんぎ さやか)
11月24日生まれ。埼玉県出身。『甲鉄城のカバネリ』(無名役)で初のメインヒロインを担当。以後、数々の作品に出演しており、近年は『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』(セレスティーヌ役)、『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』(トリッシュ・ウナ役)、『超可動ガール1/6』(ベルノア役)などを熱演。(文中は千本木)
残念な姫騎士と千本木さんは、じつは似ている!?
――ベアトリスを初めて見たときの印象を教えてください。
千本木ベアトリスは、オーディションのときに初めてイラストや資料を見たのですが、キャッチコピーに“なぜかオタク口調で喋る残念な姫騎士”と書いてあって……。「残念な姫騎士なのか」と思ったのを覚えています(笑)。収録が始まってからは、一人称が「拙者」だったので、メインヒロインの中ではネタ枠なのかなと思いました。個性がより強めな感じなのかなって。
――でも、イラストを見ると、かっこいいお姉さんタイプですよね。
千本木そうなんですよ。ただセリフで拙者や、流浪騎士と言っているので、見た目と口調のギャップは感じましたね。
――ベアトリスの口調がいかに個性的だったのかは、実際に台本を見てからわかったのですか?
千本木台本を見てからですね。オーディションから収録までちょっと時間があったので、オーディションでの演技を思い出しながら、スタッフさんたちといっしょにベアトリスのイメージを作り上げていきました。
――ベアトリスを演じるときに、どのようなディレクションを受けましたか?
千本木キャラクターのイメージを固めるときにちょっと時間をいただいて、もっと強くとか、もっと低くとか、何度かリテイクをいただきました。最初に自分が作ったイメージが、ちょっとかわいすぎたのかな? 最初にイメージしたものとは違いましたが、最終的には自分でもしっくりするような演技になりました。
――かわいすぎたところから、どのような方向転換があったのですか?
千本木見た目は騎士なので、かっこよくというか、凛々しい、しっかりした感じでというイメージですかね。
――かっこよくて凛々しい一方で、キャッチコピーに“残念”というフレーズがあるということは、コミカルな一面もあるのですか?
千本木残念とありますが、ベアトリスはボケキャラというわけではありません。ボケるキャラはほかにもいますし、ツッコミはツッコミでほかにもいるんです。ベアトリスの立ち位置的には、真面目に変なことを言うキャラクターみたいな。
――真面目だからこそズレちゃっているみたいな……。
千本木そんな印象ですね。だから特別変なことを言うわけでもなくて、ボケに真面目に乗ったり、「いやそれは違うでござる」と冷静にツッコんだりするタイプでした。自分が前に出て前に出てというよりは、若干引いたところにいるのかなって。
――では、メインヒロインの中では、わりと大人なキャラクターなのですか?
千本木大人かと言うとはっきり断言できないのですが、ネムネムの面倒を見ていますし、ファンタジーエリア出身の騎士なので、強い感じはありますね。ほかのエリアの子たちよりもしっかりしているのかもしれません。
――ネムネム役の藤田茜さんにインタビューしたときに、ネムネムとベアトリスのシーンが印象的だったとうかがいました。
千本木私もそうですね。ネムネムを背負っていたり、リアカーに乗せていたりするので(笑)。それに、ふたりの出会いのエピソードを収録したときは感動しました。あまり話すとネタバレになってしまうのですが、ネムネムはベアトリスを助けるつもりはなかったと思います。でも最終的にベアトリスは、ネムネムの何気ない言動に助けられたというか、救われたんだなぁって。だからネムネムのことを親友だと思っていて、おんぶもするし、なんでもするよっていう気持ちがあるんだなと感じました。
――ほかに印象に残っているシーンはありますか?
千本木妹とのシーンも印象的でしたね。これまでオタク口調で演じていたのですが、妹とのシーンは口調が自然とふつうな感じに戻るので。
――ふだんは標準語なのに、実家から電話がかかってきて、自然と方言が出ちゃうみたいな。
千本木まさにそんな感じで(笑)、妹に会うと「何をしている!」って。騎士時代の自分に戻る感じはしましたね。
――そこの演じ分けはスムーズにできましたか?
千本木意識して変えようとしたのではなく、わりとすんなり戻れた感じがします。拙者だった一人称も私に変わるので、自然に戻れましたね。
――ベアトリスを演じてみて、彼女の好きなところもお聞きしたいです。
千本木このヒロインたちの中でひとりだけオタク口調だし、どういう感じなんだろうと思いましたが、演じていて好きになるキャラクターというか、かわいいんですよね。強がっているけど、女の子っぽいところがあったりするんです。かわいいと言われて、うれしくなっちゃうところとか。ちゃんと女の子の部分を持っているので、女の子を主張しているキャラクターはたくさんいますが、ベアトリスもヒロインのひとりなんだなあと改めて感じました。演じていて楽しいところでもあったので、ゲーム収録が終わりに近づくと、「終わっちゃうんだ~」と、寂しい気持ちにもなりましたね。愛着が湧いたというか、知れば知るほど魅力のあるキャラクターだと思います。なのでつぎの収録が待ち遠しいです!
――思い入れの強いキャラクターになったと。では、ベアトリスと千本木さんが似ているところ、逆に似ていないところもお聞きしたいです。
千本木似ているところか~。(資料を見て)あ、身長は似ていますね。私は162センチなので(※ベアトリスは163センチ)。あと利き手が右手なのもいっしょです。あとは、ちょっと強がっちゃうところは似ているのかな。自分の気持ちを素直に言うのではなく、考えて発言するところとかは、ちょっと似ているのかなと思ったりしますね。そういう意味でも、自分が好きになっちゃうのかもしれません。
――逆に似ていないところはありますか?
千本木私はオタク口調ではしゃべりません(笑)。あとは、騎士道は持ってないですね……。自己評価が低いところも、わからなくはないですね。でも、どちらかと言うと似ているのかもしれませんね。ベアトリスと私は、似てないと思っていましたけど(苦笑)。
――なるほど(笑)。5人のメインヒロイン(レムレス、マーリン、ネムネム、ベアトリス、クラリッサ)の中で、千本木さんが婚約したいと思うヒロインは誰ですか?
千本木ベアトリスかなあ。幸せにしてあげたくなりますし、わからないですけど、オタク口調なので売れ残ってしまうかもしれないので……。もちろん、ベアトリスのことを知ってもらえると好きなってもらう自信はありますが、オタク口調で話すぶん、仲よくなるまでのハードルがちょっと高いかなって。そういう意味でも幸せにしてあげたいと思いますね。
――オタク口調は気になりませんか?
千本木いっしょにいれば、そんなに気にならなくなると思います。
――この作品ではさまざまな属性のヒロインが登場しますが、千本木さんはどういった属性がお好きですか?
千本木これまでアニメなどを見ていても、好きになるキャラクターを意識していなかったのですが、好きなキャラクターの傾向を見ると、意外とツンデレが好きみたいです。
――とくに好きなツンデレキャラは?
千本木『エヴァンゲリオン』のアスカちゃん。
――あー、なるほど。5人のメインヒロインだと、レムレスもツンデレ属性が入っていますね。
千本木ただ、ツンデレと言ってもいろいろなタイプがいるじゃないですか。がんばっちゃうツンデレが好きというか。重たい過去を背負っていて、がんばっているようなツンデレのキャラクターにはグッときちゃいますね。
――『俺の妹。』とのコラボが発表されているので、個人的にコラボしてほしい作品もお聞きしたいのですが、やはり『エヴァンゲリオン』ですか?
千本木そうですね。コラボしたらおもしろそうですが、niconicoと親和性のあるコンテンツを考えると、初音ミクちゃんがいいと思います。『エンプリ』には歌を歌うシステムがあるので、ミクちゃんにピッタリだなって。
――確かに、初音ミクとならコラボしやすそうですし、本作に参加している著名なボカロPさんたちも、いい新曲を作ってくれそうですね。それでは最後に、ファンの方にメッセージをお願いします。
千本木(このインタビューが掲載されるころは)すでに配信されているということで、皆さんがどこまで進んでいるかはわかりませんが、ストーリーがすごくおもしろくて、それぞれ見せ場が用意されていて、笑ったり、心が温かくなったりできる作品だと思います。ストーリーでみんなのことをひと通り知ってから、エンゲージする女の子を選んでほしいですね。
明日(2019年5月4日)掲載の第3回は、レムレス役の三澤紗千香さんが登場! お楽しみに!