ソフトギアは、同社のオンラインゲーム開発向けサーバソリューション“Strix Cloud”の正式サービスに先立ち、無料プランを一般公開したことを発表した。
通信・サーバ技術に対する10年以上の研究開発と、技術特許取得のバックボーンを持つソフトギアは、誰でも手軽にオンライン技術を利用できるサービスを目指し、サーバソリューションのクラウド化を進めてきた。今回リリースされる“Strix Cloud”は、超高速・高品質を誇る国内最強のゲームサーバソリューションとして、SaaS形式で提供。ウェブ上のクリック操作でサーバの構築が可能なため、従来のようなサーバのインストールやサーバプログラミングは一切必要ないのが特徴だ。リアルタイム性の高いオンラインゲームを始め、幅広いゲーム開発への活用が期待されている。5Gの実用化やeスポーツの発展など、通信の超高速化・多数接続化を支援する安定かつ高速なサーバ技術の需要が拡大しているいま、注目度が高いソリューションと言える。
ソフトギアでは、“Strix Cloud”の正式サービスまでのエイジング(成熟)として、一部プランを完全無料で提供する。なお、正式サービスは6月を予定しており、Unreal Engine SDKのリリースを始め、通信のカリング機能、グローバルチャット機能など、オンラインゲーム開発に必要とされる機能を順次追加していくとのことだ。
Strix Cloudの特長
ボタンクリックの簡単操作でゲームサーバのセットアップを実現
サーバプログラミングを不要とし、Web上でボタンをクリックするだけのシンプルな操作でゲームサーバのセットアップが完了する。サーバ台数を増やす際も同様の動作で簡単にスケールアウトできる。
大量の同時接続数と大量メッセージの高速処理を実現
パフォーマンスの高いサーバソリューションとして、大量の同時接続数と大量メッセージの高速処理を実現。通信の多いオンラインゲームでは安定かつ高速にメッセージを処理し、通信量の少ないゲームでは大規模な同時接続をさばくことが可能だ。そのため、リアルタイム性の高いオンラインゲームからソーシャルゲームまで、あらゆるゲーム開発に適している。
オンラインゲーム開発に必要な多機能搭載
マッチング機能を始め、スケーラブルなノード管理、Webhookなどオンラインゲーム開発に必要な機能を提供する。本バージョンではUnity SDKをプラグイン提供し、レプリカ(オブジェクト同期)、プロパティ同期やRPC機能を使ってゲーム固有の通信処理を簡単に実現する。また本年夏にはUnreal Engine SDKのリリースを予定している。
クライアントとサーバ間やほかのプレイヤーと同期するための仕組みとしてレプリカ機能を提供している。アクションゲームのようにキャラクター、打った弾、壊れたブロックがレプリカとなり、サーバに共有され、自動的にほかのプレイヤーの画面に同期される。
右画像:Unity SDK
クライアント側のSDKとしてStrix Unity SDKをプラグイン提供している。オブジェクトにコンポーネントを配置するだけで、オブジェクト同期を簡単に実現できる。オブジェクトの位置同期(キャラクタや弾の位置同期など)やキャラクターのアニメーション同期をコンポーネントで自動的におこなう。
仕様情報
バージョン:Strix Cloud ver. 1.0.0
対応リージョン:東京、シンガポール、オーストラリア、米国東部、米国西部
対応プラットフォーム:Windows, Linux, Mac, iOS, Android, Nintendo Switch, PlayStation 4
対応ゲームエンジン:Unity, Unreal Engine(2019年7月対応予定)
対応プロトコル:TCP, RUDP,Websocket
主要機能:マッチング機能、メッセージリレー(ルーム機能)、レプリカ(オブジェクト同期)、Webhook(外部サーバ連携)、Unity SDK(プラグイン提供)、アプリケーション管理、ユーザー管理、インスタンス管理 など
なお、ソフトギアでは、今後の展望として、サーバレスコンピューティングをつぎのターゲットに、通信技術・サーバ技術の研究開発を進めるとのこと。「サーバアーキテクチャをイベント駆動型にすることで、すべてのリソースマネージメントの自動化を図り、ゲーム開発者がサーバ開発だけでなく、サーバのプロビジョニングを意識しない環境を実現」することが目標になるという。