本を売りたい気持ちがあふれてしまった

 書店の店員さんがおすすめの一冊を紹介する手書きPOP。あれが好きだ。

※「手書きPOP 書店」の画像検索リンク
↑こういうやつ。

 書店で目を引くPOPを見かけると、わくわくしてその本を手に取ってしまう。

 試しに手書きPOPでおすすめの本をアピールしたら楽しかったので、みんなもオリジナルのやつを作ったほうがいい。

文化祭の準備みたいで楽しい。

強い味方といっしょに作業

 おすすめの本とは、『DeToNatorは革命を起こさない ゲームビジネスで世界を目指す』(著者:江尻勝)だ。

 著者は2019年で創設10周年を迎えるプロゲーミングチーム・DeToNator代表。ゲーマーによって結成されたチームが、ゲーム業界でビジネスをして食べていくための方法論などが記されている。

 ゲーマーはもとより、eスポーツに参入したいビジネスマンにも読んでほしい。

 というか、僕、ミス・ユースケが担当した本なので売れないと困る。

100円ショップでペンや画用紙などの材料を購入。POPデザインの本はおもしろかった。いいものを買った。

 手書きPOPの作りかたは大型書店をめぐったりデザインの本などを読んだりして勉強した。

 僕が身に着けたコツは、

・インパクトのある言葉で端的に紹介
・要素ごとに文字のフォントを書き分ける
・形は円でも四角でもオーケー

 だいたいこんな感じだ。最後のやつ以外は雑誌作りとほぼ同じである。

 僕には10年くらい雑誌編集者としての経験がある。POP作りのスキルを磨くために雑誌を作ってきたと言っても過言ではない。

 本当はおさげの文学少女(勝手な書店員のイメージ)に作ってほしいのだが、残念ながら僕はおじさんだ。文字は手書き風フォントで代用した。

 今回の記事で作るのは厳密には手書き“風”POPである。後から少しだけ手書きで加えたりもしているのでスルーしてほしい。

【作ったPOP】

僕の中での手書きPOPのイメージを具現化。書名の理由をアピールしてみた。世界を変えるためには、革命より大切なことがある。
「江尻さんはesports界の除霊師である」と話題になったことがあるので。esportsの幻想に囚われた人を救済するのはわりと急務なのではないかと思う。
「ビジネスマンだったら、トップクラスに成功しているDeToNatorのやりかたに興味がないのはおかしくない?」と軽く煽っている。

 ひとまずPhotoshopで3パターンのデザインを作成した。予想通り、この作業はおもしろい。

 これを画用紙に貼り付ければ完成なのだが、ひとりで作っていると正解がいまいちわからなくて不安になる。仕上げは知人に手伝ってもらうことにした。

この人。

 著者の江尻勝さんだ。僕からすると取引先の社長に当たるのだが、作業がたいへんなので手伝ってほしいと頼んだところ、すぐに「いいっすよ」と返事が来た。迷いがない。

 DeToNatorの事務所に材料と文房具を持ち込んで作業開始。打ち合わせ用のテーブルにずらっと並べたら、お母さんに怒られそうな感じになった。

ちまちました作業はクセになる。

 作業の様子は写真にも収めておきたい。僕が撮影準備をしているうちに、江尻さんはぐいぐい作業を進めていく。

 プリントアウトしたPOPデザインを厚紙に貼り、周囲をカッターやハサミで切り抜く。

 そう言えばこの人は元美容師なのだった。手先が器用で思い切りがいい。POP作りにうってつけの人材過ぎて、僕の出る幕がない。

江尻さん「黄色のライン引いたらかわいいんじゃないですかね」。

 ちまちま地味な作業を続けていると、よくわからないテンションになってくる。

「うわ、それ最高にかわいい!」
「もう完全にメガネの文学少女が作ってますよ!」

 などと褒め合った。おじさんふたりで。

完成。
手書き風POPとは別に、販促用のポストカードも作った。これはプロのデザイナーさんと印刷会社に発注。
本書のカバーとデザインを合わせてあるので、帯に挟み込んで保管してもいい。いいグッズを作ったなと思う。

手書き風POPを実際に設置してみる

 作った手書き風POPは書店で活用したいが、僕にそんな伝手はない。ひとまず本書を売っている場所に置かせてもらった。

本は1種類しか売っていないが、目立つことはいいことだ。

 サンリオピューロランドである。発売日当日の2019年3月30日にDeToNatorのファンミーティングが行われたので、物販コーナーに置かせてもらったのだ。

 『DeToNatorは革命を起こさない』はいい感じに売れていた。うれしかったので買ってくれた人に「その本、僕が作ったんです」とアピールしてしまった。ポストカードも配った。

 ポストカードに僕のサインを求められたので“スティーブ・ジョブス”などと書いた。

買ってくれてサンキュー。

 POPを置けそうなところには、もうひとつ心当たりがあった。

 せっかく休日に出かけたのだから、帰る前についでに寄ってみることにする。

電車に乗って移動。
この駅、でかいなー。乗り換えしなきゃ。
つぎはこれ乗るのか。
置かせてもらえるかなー。大丈夫かなー。

 大分県の別府市にやってきました。

大分県のゲーマーに本を宣伝

 東京で開催されたイベント帰りについでに寄る場所としては少々遠かったが、来てしまったのだから仕方ない。これを衝動と言う。

 3月30日~31日にかけて“別府おんせんLAN”というイベントが開催されたのだ。主催者の方は顔見知りなので、POPを設置しても怒られないと踏んだ。

 別府おんせんLANは“LANパーティー”タイプのイベントだ。参加者がゲーム機やPC本体を持ち込んで夜通し遊ぶ。この手のイベントに参加する人はたいてい大らか。急に本の宣伝をしても受け入れてくれるだろう。

 大分空港には21:00過ぎに着いた。しばらく待ってからバスでイベント会場に向かう。

バスに乗り込んでイベント会場へ。地獄めぐりのその先へ。

 目的地は別府国際観光港。別府おんせんLANはフェリーさんふらわぁが発着する港の2階で開催されている。

 港だけあって、最寄りのバス停で降りたらすぐに海があった。そして風が強い。柵がないので気を抜いたら落ちて死ぬ

 昼間のサンリオピューロランドはふわふわだったのに、夜はいきなりハードコア。落差がすごい。

 そういえば海沿いの地方都市はこんな感じだった。わりと急に海がある。

知らない街に手書きPOPを設置しにやってきて死を想う。そんな人生ある?

 初めて訪れる会場なので、道を間違えているかもしれないという不安はあったが、でかい建物の横に停まっている車を見て安心した。

あのトラックは!

 ゲーミングチェア・DXRACERの運搬用トラックだ。DXRACERは別府おんせんLANに機材提供している。ということは、ここが会場か。

 DXRACERはDeToNatorのスポンサーでもある。『DeToNatorは革命を起こさない』が引き合わせてくれたのかもしれない。

うれしくて記念写真を撮った。

 これで入場できなかったら笑えるが、ちゃんと事前に「夜に行きます」と伝えてある。抜かりはない。

 会場からはわいわいする声が聞こえてきたものの、人の数はまばら。なぜなら到着したのが23:00前だからだ。よい子はおうちに帰って寝る時間である。

 時間を忘れてゲームを続けるのは楽しい。寝てリフレッシュしてから遊ぶのもいい。どちらかと言えば後者のほうが健康的だ。大分のゲーマーは健康志向なのかもしれない。

 ちなみに、夜に着くとはいえ深夜帯になるとは思わなかったようで、主催者の方も帰宅していた(事情を知っているスタッフさんに入れてもらった)。

着きました!

 会場には企業が出展するブースが並んでいた。別府市も後援に加わっているイベントということもあり、別府温泉のブースもある。

 手書き風POPは別府温泉ブースに置くことにした。自治体は大きな心で受け止めてくれるだろうし、端で見ていたスタッフさんは笑っていたからセーフだ。

 先ほど書いた通り、イベントは夜通し行われている。ブースの人に見つからないように、夜のうちに設置しとこう。

見本用の本とポストカードをセット。

 勝手にブースを占拠したが、コラボブースということで許してもらえた。大分の人は器がでかい。お返しとして、別府おんせんLANを広めるようにがんばる。

 この日の昼間には親子連れを含む60~70人ほどの参加者がいたそうだ。初開催の有料イベント(お子さんは無料)としては立派な数字だと思う。翌日の31日もいい感じにゲーマーが集まっていた。

 結果としてポストカードは多くの人に受け取ってもらえたので満足だ。別府おんせんLANのイベントリポートは後日掲載予定です。

ホラーVRゲームを楽しむ集団。わいわい言ってたのはこの子たちか。
イベント参加者の中には『DeToNatorは革命を起こさない』を買ったという人もいて、大喜びでポストカードをあげた。大分県に行った甲斐があった。

みんなもオリジナルのPOPを作ろう

 手書き風POPとポストカードはゲーム系施設やPCショップに置かせてもらっている。

 いまのところは“LFS 池袋 esports Arena”と“e Sports Studio AKIBA(ソフマップAKIBA2号店の2階)”の2ヵ所。ソフマップのほうは準備ができしだいゲーミングチームグッズのコーナーに置かれる予定だ。

 僕が作ったPOPやポストカードを置いてやらんこともないという書店やPCショップの方は、Twitterか何かで連絡をください。あげます。

ポストカード配布用のPOPも作った。

 僕は書店で働いているわけではないので、作ったPOPはデスクのオブジェにしている。視界の隅に入ると「ああ、好きな本があるな」という感じで少し気分がいい。

 どこかでPOP作りワークショップを開きたいくらい、手書き風POP作りは楽しい。今後も折を見て続けて、“#DeToNator100本POP”というハッシュタグをつけてTwitterに投稿するつもりだ。

 100本ぶんも続かないと思うので、みなさんもオリジナルPOPを作ってご参加ください。