2019年4月5日、ゲームファンにもっとも愛された2018年のゲームを決める“ファミ通アワード2018”の授賞式が開催された。その模様をリポートする。

そうそうたるクリエイターたちが集結!

 2019年4月5日、ゲームファンの投票で2018年のベストゲームを決める“ファミ通アワード2018”の授賞式が東京・水道橋で開催された。

 12本の優秀賞の中から選ばれるゲーム・オブ・ザ・イヤーは『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』と『モンスターハンター:ワールド』のダブル受賞となった、その授賞式の模様をリポートする。

ファミ通アワードは家庭用ゲーム機、PC、スマートフォンなどのゲームソフトを対象に、その年もっともユーザーに支持されたタイトルを表彰する祭典。今年で14回目を迎え、本年度はゲーム・オブ・ザ・イヤーのほかゲーム業界で活躍著しい人物に贈られる“MVP”なども発表された。

ファミ通アワード2018 受賞作品・受賞者一覧

●ゲーム・オブ・ザ・イヤー

  • 『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
  • 『モンスターハンター:ワールド』

●優秀賞
OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)
ゴッド・オブ・ウォー
JUDGE EYES:死神の遺言
『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
Detroit: Become Human
ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島
Fate/Grand Order
フォートナイト
ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ
Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)
『モンスターハンター:ワールド』
レッド・デッド・リデンプション2

※五十音順

●ルーキー賞
『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』
『Detroit: Become Human』

●ファイバリットアプリ賞
LINE:ディズニー ツムツム

●特別賞
ASTRO BOT:RESCUE MISSION

●最優秀キャラクター賞
カービィ

●ゲームミュージック賞
『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』

●最優秀ゲームメーカー賞
カプコン

●MVP
桜井政博氏

 会場には、これらの作品を手掛けたクリエイターの面々が集結し、会場はさながらゲーム業界の豪華なパーティーという趣すら感じさせる。また、表彰時は、一般のプレイヤーから選ばれた“読者プレゼンター”が登壇。投票者からの熱いコメントが詰め込まれた“メッセージBOOK”をクリエイターたちに直接手渡すのも本授賞式の特徴だ。

 それでは、そんな“ファミ通アワード2018”を受賞した作品と、それらを生み出したクリエイターたちの喜びの声を紹介していこう。

“優秀賞”受賞者のコメントを一挙紹介

『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』スクウェア・エニックス浅野智也氏、アクワイア遠藤琢磨氏

『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』

「1番目に呼ばれることになるとは思っておらず、光栄です(笑)。選ばれたのはアクワイアさん、そして遊んでいただいたプレイヤーのおかげです。これからも遊んでいただけるゲームをアクワイアさんといっしょに作っていければと思います」(浅野氏)

『ゴッド・オブ・ウォー』ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイドスタジオ JAPAN Studioローカライズプロデューサー安次嶺クリス氏(写真左から2番目)、ローカライズスペシャリスト大島陸氏(写真左から3番目)。

『ゴッド・オブ・ウォー』

「開発スタッフのみんなに感謝します。『ゴッド・オブ・ウォー』は2018年4月20日に発売され、国内外で多くのアワードをいただいております。日本でも、ユーザー投票の賞がいただけ、とてもうれしく思います。モチベーションにもつながります」(安次嶺氏)

『JUDGE EYES:死神の遺言』総合監督 名越稔洋氏

『JUDGE EYES:死神の遺言』

「じつは、4月1日で私がゲーム業界に入ってから、ちょうど30周年になりました……(開場から拍手)。拍手をおねだりしたみたいになってスミマセン(笑)。これまでたくさんの出会いがありました。『JUDGE EYES:死神の遺言』も、最初から木村拓哉さんを起用するというアイデアありきの企画ではなかったのですが、木村さんとお会いする機会ができ、そこから、ゲームの主人公を演じていただけることになりました。そう振り返ると、本作が評価されているのもひとつの“出会いの産物”だったと言えるわけで、今後もひとつひとつの出会いを大切にしたいと、そう思います」

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』ソラ 代表 桜井政博氏。

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』

「この会場にも、多くの関係者がいらっしゃいますが、『スマブラ』はコンテンツをお借りして、多くのコラボで実現しているタイトルです。発売してから、プレイしてもらっているところをたくさん見ました。大会はもちろん、忘年会や新年会、きっとオフィスでも遊んでもらえたのではないかと思います。その顔を見ると、みなさん笑顔で、絶叫しながら遊んでいるんです。幸せだな、ゲームって楽しいな、と思います」(桜井氏)

『Detroit: Become Human』ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイドスタジオ JAPAN Studio ローカライズスペシャリスト谷口新菜氏(写真左)、ローカライズプロデューサー石立大介氏(写真右)

『Detroit: Become Human』

「(開発会社の)クアンティック・ドリームとは12年の付き合いがあり、これまで『HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき-』や『BEYOND: Two Souls(ビヨンド:ツーソウル)』でアドベンチャーゲームを作り続けてきましたが、本作はその集大成でもありますから、この賞をいただけたことは、彼らにとっても意義があることだと思います。クアンティック・ドリーム代表のデヴィット・ケイジも、日本には特別な思いを持っておりますし、いますごく喜んでいるはずです。今後も、プレイヤーの皆さんの物語を紡ぐ手助けになれたらうれしいです」(谷口氏)

『ドラゴンクエストビルダーズ2』スクウェア・エニックス プロデューサー藤本則義氏(左から2番目)、ディレクター新納一哉氏(左から3番目)

『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』

「今日の司会の青木瑠璃子さんがすごく『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』をプレイしてくれていて、“時間を盗むプロだな”と言っていただいている(笑)。そういうゲームを作りたいと思っていたので、心に響きました。新納から溢れ出るアイデアを開発のコーエーテクモゲームスさんと全力で形にし、堀井(雄二)さんに監修してもらい完成した本作は、いまでも毎日15万~20万人に毎日プレイしてもらっています。今後は世界に向けて本作を展開する予定ですので、この賞を励みにがんばりたいと思います」(藤本氏)

『Fate/Grand Order』第2開発部ディレクター 叶良樹氏

『Fate/Grand Order』

「今日、“正装で来てください”と言われていたので、僕にとっての正装、『FGO』にとっての正装(おなじみのトレーナー)でやってきました。『FGO』はいまでも500万字を超えるシナリオとなっているのですが、これからも、ストーリーをより楽しんでもらうために、がんばっていきます!」(叶氏)

『フォートナイト』エピック ゲームズ テリトリーマネージャー川崎高之氏(写真左から2番目/崎の字は本来は立に可)
パブリッシングプロデューサー ロブ・グレイ氏

『フォートナイト』

「“日本語で”と言われて、緊張しています(笑)。遊んでくれているファンに感謝します。我々の会社には、ファミコンからゲームをプレイしてプログラマーになった、開発者になったというメンバーがたくさんいます。日本でもプレイヤーが多くいてうれしいです。高額な賞金の大会も始まります。大会に参加される方も、されない方もぜひ楽しんでください。Thank you, and Enjoy 『フォートナイト』!」(ロブ氏)

『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』ゲームフリーク ディレクター 増田順一氏

『ポケットモンスター Let's Go! ピカチュウ・Let's Go! イーブイ』

「本作は携帯ゲーム機ではなく据え置きゲーム機で『ポケモン』を作るということで、スタッフも戸惑いながら作っていました。でも、長くヒットしています。本作は“リビングで楽しめる”、“リビングの空間を再構築する”ということを考えて、モンスターボールを投げる動作や、外で『ポケモンGO』を遊んできた人からポケモンをもらうなどの要素を考えました。その結果、ワイワイしてもらえたのかなと思います。いま、もう1本開発していて、『ポケットモンスター ソード・シールド』、冬に発売予定ですので、そちらもお楽しみに!」(増田氏)

2度目の登壇となった石立氏(写真左から2番目)、谷口氏(写真左から3番目)

『Marvel's Spider-Man(スパイダーマン)』

「どの開発も苦労はつきものですが、本作はローカライズがとくにたいへんで、記憶がないくらい忙しかったのですが、シネマパートも日本語版の声の出演者の方たちのおかげですばらしいものに仕上がっています。発売後は多くの人に楽しんでいただけていて、うれしいです。開発スタジオのメンバーも日本のことをとくに気にかけていて、この受賞も非常に喜んでいると思います」(石立氏)

『モンスターハンター:ワールド』カプコン ディレクター 徳田優也氏

『モンスターハンター:ワールド』

「『モンスターハンター:ワールド』では“次世代の『モンハン』”を生み出そうと、ひとつひとつ積み上げてきました。大きく変化させたので心配な部分もありましたが、こうしてプレイヤーから選ばれる賞をいただきまして、期待を外さなかったのかなと安心しています」(徳田氏)

特別賞『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』

『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』ソニー・インタラクティブエンタテインメント ワールドワイドスタジオ JAPAN Studio アーティスト 藤井康裕氏

「プロデューサーのニコ(ニコラス・デュセ氏)に代わって、また、開発チームを代表して受賞の御礼申し上げます。このタイトルは私自身ものづくりを考え直すきっかけになりまして、受賞ができたことをとてもうれしく思います。これからも楽しさを表現できるタイトルを生み出したいとおもいます。そして、まだ『ASTRO BOT:RESCUE MISSION』をプレイされていない方は、お友だちのお家や、ソニーストア、ショールームでぜひプレイしてみてください(笑)」(藤井氏)

キャラクター賞 カービィ

HAL研究所の川瀬滋史氏は、読者プレゼンターの男の子に、カービィのぬいぐるみを逆プレゼント!
受け取った男の子も、川瀬氏と並んでにっこり!

「カービィというのは不思議なキャラクターで、作っている人も、コラボカフェをやっていただく人も、作るのはたいへんなんですけど、終わってみるとみんなカービィの大ファンになっているんです。2020年はHAL研究所も40周年です。これからも、愛されるキャラクターを作り続けていきたいと思います」(川瀬氏)

最優秀ゲームミュージック賞『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』

『OCTOPATH TRAVELER(オクトパストラベラー)』作曲・編曲担当 作曲家 西木康智氏

「本作は、国内外から非常に熱い感想をいただきます。とくに外国の方は熱い方が多く、私の仕事のメールアドレスに直接そういった感想が来ることもありまして、中には“すごく胸を打たれた、つきましては結婚式に使う音楽を作曲してほしい”という海外の方からのメッセージもいただきました。この場をお借りしてそれは丁重にお断りしたいと思いますが……冗談です(笑)。ゲーム音楽は、これまで多くのゲームクリエイターとプレイヤーの方がつないでくれている、積み上げてくれて、土壌ができたものです。そんなゲーム音楽のよさを伝えられる曲を作っていければな、と思います」(西木氏)

MVP 桜井政博氏

「いや~昨年度はたいへんだった!(会場笑) 私は、たとえば参戦ムービーを作ったりとかいろいろなプレゼンをしたりとか、ディレクターの枠を超えたことをやっていましたが、それ以上におぞましい(量の)仕事がありましてね……。

 900曲ある楽曲はみんな監修するし、キャラクターのモデルは足の裏まで見るし、開発の人も私の全仕事を知らないくらい、語り尽くせないことをやっていました。とっても苦労しました。

 ですが、一方で、いまのゲームというのは本当にスゴイんですね。私も、今回受賞している大作ゲームはどれも最後までプレイして、その“規模”を知っています。「どれだけ作ったら気が済むんだ」と言いたくなるような、すごい工数が掛かっていることがわかるんですね、とくに、世界に向けて作っているようなものは。

 皆さん苦労されていることと思います。でも、ここで、スタッフにたまに言うことをひとつだけお話しておきます。“苦労は忘れる、作品は残る”。これです」(桜井氏)

ゲーム・オブ・ザ・イヤー

 ファミ通グループ代表の浜村弘一から、ファミ通アワード2018のゲーム・オブ・ザ・イヤーが『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』と『モンスターハンター:ワールド』のダブル受賞が発表されると、会場からは大きな拍手が贈られた。

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』

桜井氏は、メッセージBOOKを贈る読者プレゼンターとしゃがみこんで握手。

 この日、優秀賞、MVPの受賞に続いて3度目の登壇となった桜井氏は

「非常に光栄です、ありがとうございます! 

 このゲームってある意味、“紅白歌合戦”みたいなものですから、賞をもらうことに対して適切なところはないのかもしれないです。

 ですが、“全員参戦”とか、無理なコラボを実現したというところに関して、高く評価いただいた、その結果だと思っております。

 最初にもお話させていただきましたが、本作はいろいろなコンテンツをお借りして作っています。開発の人も、開発以外のスタッフも多く、様々な方の協力をいただき、この作品はできています。いろいろなものを一手に預かり、ゲームを作っているのは、とっても楽しいです。本当です。

 ダウンロードコンテンツをいま作っておりまして、スミマセン、ジョーカーの配信とかお待たせしておりますが、もうそろそろです。しばらくお待ちください。これからにも、ご期待ください! どうもありがとうございました」

 と、最新情報も加えながらコメントし、ゲームづくりの楽しさ、そして受賞の喜びを表現した。

『モンスターハンター:ワールド』

辻本氏、徳田氏に加え、藤岡要氏(写真右から2番目)も登壇した

 壇上に上がった徳田氏、藤岡氏、辻本氏はそれぞれ

「苦労する部分もあったのですが、評価されまして、報われた気持ちでいっぱいです」(徳田氏)

「優秀賞のノミネート作品を眺めますと、グローバルでゲームファンからもメディアからも高い評価を受けている作品ばかりで、その中で僕たち『モンスターハンター:ワールド』が選ばれたというのは本当に日本のファンの方々に支えられているタイトルだなと感じました。

 立ち上げのときからチーム体制からワークフロー、いちから見直しまして、社外の方にもかなり無理を言って協力いただいたタイトルなのですが、“かならず代表作にします、ご協力ください”と言って、最後まで粘り強くご協力いただけました。こんな賞をいただけて、うそつきにならずによかったなと安心しています」(藤岡氏)

「『モンスターハンター』シリーズは今年で15周年を迎え、本当に日本のプレイヤーの方に育てていただいたタイトルだと思っています。ゲームを広めていただいて、僕たちにもアイデアをいただいて、『モンスターハンター:ワールド』では世界同時発売など、世界を意識して制作をしましたが、(世界的ヒットも)本当に日本の皆さんのおかげです。

 そんな中で、日本でこういった賞をいただけたのを、本当にうれしく思っています。15周年になりましたけど、当然、ここで歩みを終わらせるつもりはないので、これからもプレイヤーの皆さんと走り続けていきますので、よろしくお願いします!」(辻本氏)

 と、喜びと展望を語り、万雷の拍手に包まれた。

最後に、受賞者、読者プレゼンターそろって記念撮影。最後まで温かな雰囲気の中、授賞式の幕は降ろされたのだった。