任天堂から2019年4月12日発売予定のNintendo Switch用ソフト『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』。『Nintendo Labo』第4弾となる本作をひと足早く体験してみた。

 “つくる、あそぶ、わかる”を切り口に、ダンボールシートから切り離したパーツを中心に組み立てたコントローラ“Toy-Con”による新しい遊びが詰まったソフトとして、幅広いユーザーから注目を集めているNintendo Switch用ソフト『Nintendo Labo』。その第4弾となる『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』が、任天堂より2019年4月12日に発売される。本作のコンセプトは、そのタイトルからも明らかなとおり、ダンボール型のゴーグルを用いたさまざまなVR(バーチャルリアリティー)体験ができるキットとなっている。“バズーカ”、“カメラ”、“ゾウ”、“トリ”、“風”と呼ばれるToy-Con”をダンボールで制作して、それぞれに対応したゲームでVRの世界に浸れるのだ。

 『Nintendo Labo』が提案する新たなVRの世界が気になる! ということで、発売を間近に控えて『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』を体験する機会を得たので、各Toy-Conの対応ゲームを実際に遊んでみての感想を中心に紹介していこう。任天堂ならではの“アソビゴコロ”が詰まったVR世界の魅力を感じてほしい。 

 なお、フルセットとなる『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』は7980円[税抜](8618円[税込])だが、まずはちょっとだけVRの世界を試してみたいという方のために『VR Kit ちょびっと版 』が用意されている、これは“VRゴーグル”に“バズーカ”の2種類のToy-Conが同梱された、いわばお試し版で価格は3980円[税抜](4298円[税込])。そのほかに、『カメラ&ゾウ』と『トリ&風』が用意されているので、必要に応じて買い足すといいかも。こちらの価格は各2000円[税抜](各2160円[税込])となっている。

『Nintendo Labo Toy-Con 04:VR Kit』
『ちょびっと版 VR Kit』
『カメラ&ゾウ』
『トリ&風』

VRゴーグル

組み立てたその瞬間から機能するVR世界の“入り口”

◆持った時の感触
 レンズを固定するプラスチックパーツが主幹となった堅牢な作りは、まさに“箱!”といった印象。単体使用ではグリップになる部分がないため、手の大きさによっては、しっくりくる持ち位置を見つけにくいかも。

◆ギミックの特徴
 Nintendo Switch本体をセットするときの、スロット部にスッと収まっていく感覚が心地よいです。決定やゲームプレイ中の中断メニュー表示などの操作は、本体上辺部をコンコンとノックして行うのですが(※各Toy-Con使用時共通)、この強さの加減がなかなか難しい。現時点でのベストは、憎しみや苛立ちといった負の感情を込めずに強打、です(笑)。

まさにVR世界の入り口。ちなみにモデルは新人ライターの紅葉つかさ。『VR Kit』のクオリティーに驚愕。

◆対応ゲームのインパクト
 実写映像中心の“おためしVRムービー”は、ゴーグルを組み立て終わって「とりあえず何かそれっぽい体験をしてみたい!」という時にもってこいのコンテンツ。「すぐそこにいるみたい!」、「近っ!」といった定番(?)のリアクションをお手軽に体験できます。VR初体験の知人にプレイさせてその反応を見ては初心に返るのもいいでしょう。

バズーカToy-Con

VR空間に鮮やかな弾道を描く魅惑の筒

◆持った時の感触
 拳銃とバズーカの中間……たとえるならば“抱え大筒(戦国時代に使われた、手持ち式の大砲)”のような、武器としてのしっかりした持ち応えは、大人子どもに限らずテンションが上がります。グリップの付け根部分に重心がくる形状のため、調子に乗って片手持ちでブンブン振り回しながらポーズを決めるのは控えたほうがよさそうです。

◆ギミックの特徴
 フォアグリップ(砲身下部の出っ張り)を手前にスライドさせるポンプアクションが、バズーカToy-Conの醍醐味。ゴムの力で戻るフォアグリップの勢いも小気味よく、無闇にガシャガシャしたくなります。グリップ後方に配置されているトリガーを押す際には、フォアグリップにしっかり手を添えていないとバランスを崩すので注意。
 ゴーグル脇のJoy-Conホルダーは、前方90度に倒すことが可能。イメージとしては、特殊スコープをセットしたり、セーフティ(安全装置)を解除したりといったミリタリー気分を盛り上げるギミックです。

こんなの持たされたら、それはワクワクしちゃうよね。

◆対応ゲームのインパクト
 『バズーカ』は、決まったルートをオートで進んでいく道すがら、登場する敵を撃破していく3Dシューティング。「どこを向いても敵がウジャウジャ」「巨大なボスキャラがグイグイ迫ってくる」などのわかりやすい見せ場が満載です。緩やかな放物線を描き、地面や壁でバウンドするバズーカの弾道からも、VR空間の臨場感を感じられるでしょう。

対応ソフトの『バズーカ』(左)と『対戦!カバズーカ』。

カメラToy-Con

視界=ファインダーのシンプルなカメラマン体験

◆持った時の感触
 左手はレンズ(を模した筒の部分)に、右手はカメラのシャッターに相当する、スロットにセットしたJoy-ConのLボタンの位置に自然とくる作り。VRゴーグルに合わせたサイズのため、本物の一眼レフカメラにくらべるとやや大きめですが、持ちにくいということはありません。

◆ギミックの特徴
 レンズを回転させる際、“カリカリ……”という音がToy-Con内部から聞こえるとともに、ほのかな振動が手に伝わってきます。ズームイン・アウト操作時にそんな挙動をするカメラは昨今なかなかありませんが、“機械をいじっている”という漠然とした行為のリアリティ演出としては、おおいにアリです! 実際にどんな仕組みで音や感触が再現されているかは、Toy-Con組み立て時にバッチリわかるのでお楽しみに。

レンズを回すギミックが楽しいカメラ。

◆対応ゲームのインパクト
 『水中カメラ』は、海面からの景色や深海まで、あらゆる海のシーンを定点観察できる撮影ゲーム。被写体の中にはかなりふざけたものも混じっていますが、基本的にはさまざまな種類の魚を間近で見ることができる、環境ソフトとしての魅力も十分な内容です。運がいいと、魚とカメラマンの身体が“ゴスッ”と衝突する演出も見られます。
 また、『水中カメラ』には専用オプションとして、メガネ状のアイテム“シュノーケル”が用意されています。シュノーケルを装着した人が『水中カメラ』をプレイしている人の前に立つと、装着者の動きをトレースする魚がVR空間上に出現する……というオマケ要素で、何も知らない人にいきなり仕掛けるといいリアクションを見せてくれそうです(笑)。

対応ソフトの『水中カメラ』(左)と『おうちでカメラ』(右)。
専用オプションのメガネ状のアイテム“シュノーケル”。ゲーム中に出現させられるのが楽しい。けっして変質者なのではない!
シュノーケルを使うと友だちがこのようにゲーム中に出現する。動きがリンクするのは楽しい。

ゾウToy-Con

“鼻”を器用に動かして創ゾウ性を発揮

◆持った時の感触
  ゴーグルに連結させた象のお面は、両手ではなく、下に突き出ている柄の部分を片手で持って顔面に固定します。さながらマスカレードパーティーの参加者か溶接工かといった様相ですが、もう一方の手で多関節状の鼻を持つと、俄然、後者の印象になります。形状的に左右どちらの手でどっちを持っても問題ない点はよいのですが、どちらの持ち手もかなり早い段階で疲れがきます。

◆ギミックの特徴
 ゴムで連結された鼻の先端を手で持って動かす……というシンプル構造。鼻がフルに伸びる範囲の3D空間内でポインタを自由に動かし、トリガーで選択or物体の移動/離す操作を行います。鼻先端部のひねり動作もしっかり再現するなど、トレースの精度が思った以上に高く、力触覚伝達こそないものの、ロボットアームの遠隔操作気分を味わえます。

ダイナミックなギミックが特徴の“ゾウ Toy-Con”。「すごいんだゾウ」とオヤジギャクを飛ばしそうになるのを必死でこらえる。

◆対応ゲームのインパクト
 『らくがき』は、3Dお絵描きをおどろくほど簡単に実現できるソフト。ひたすらメチャクチャに線を引いているだけでもアートな気分に浸れます。もうひとつの『つみきパズル』は、幼児向けの知育玩具のようなことをVR空間上でやるだけでこんなにおもしろくなるなんて! という気づきを実感できます。ある意味、ゾウToy-Conが“近未来ガジェット感”をもっともわかりやすく実感できるかもしれません。

対応ソフトの『らくがき』(左)と『つみきパズル』(右)。「絵が描けるんだゾウ」と、つい言ってしまった……。

トリToy-Con

3D空間を飛翔できる“自由の翼”

◆持った時の感触
 ストレートに鳥を模した外見のインパクトに怯むものの、いざ持ってみると、昔のゴテッとした大きさのポラロイドカメラのような、不思議なフィット感があります。左右両側の持ち手のような凹み部分に備え付けられているレバーも押しやすいですね。

◆ギミックの特徴
 押し倒してから手を離すと、ゴムの力で元の位置にピョコンと戻るレバーを連続で押すことで、鳥が大空をバッサバッサと羽ばたいている気分を擬似体験できます。Toy-Con全体がガサガサするのと、両手にわずかにかかる風が、臨場感の隠し味です。翼の動きに連動して鳥の首がひょこひょこ動くさまは、傍目には微笑ましい限りですが、実際には頭部に設置されたJoy-Conのジャイロセンサーで、羽ばたきの速度を計測している……という合理的な設計です。

Joy-Conの目がかわいい“トリ Toy-Con”。

◆対応ゲームのインパクト
 視線を向けた方向に直進、首を傾けた方向に旋回、羽ばたきで推力アップ。つまり、広大な3D空間を自由自在に飛び回れるというわけです! ほかのToy-Con対応ゲームでは味わえない解放感を満喫できるだけに、ついつい長居したくなりますが、こまめな休憩は忘れずに。

対応ソフトは『トリ』(左)と『トリラリー』(右)。

風Toy-Con

肌感覚のリアリティを高めるスーパー・サブ

◆持った時の感触
 もともと持って遊ぶタイプのToy-Conではありませんが、とにかくデカい! とくにダンボール1枚でできたうちわ部分がタテ・ヨコ・高さともに幅をとり、散らかった狭い室内でのスムーズな移動を阻みます(掃除すればいいだけ、という話も)。

◆ギミックの特徴
 椅子に腰かけた姿勢での使用を前提とした機構。フットペダル部分を左右どちらかの足で押し込むごとに、大きなうちわが手前に持ち上がり、使用者の顔付近に風を送ります。この風の強さ、「春先、調子に乗って半袖姿でバタバタやっていたら風邪を引いてしまうほど」とでも表現すれば、いかに強力かがおわかりいただけるかと思います。
 フットペダルはゴム+ダンボールパーツの接合によって固定されています。あまりに乱暴に踏みつけるとさすがに壊れるので、ほかのToy-Con以上に丁寧に扱うのがよいでしょう。

想像以上に強い風がくる“風 Toy-Con”。VRとの相乗効果と言えるだろう。“トリ Toy-Con”の補助的な役割も果たす。

◆対応ゲームのインパクト
 風Toy-Con単体で遊べる標準の対応ゲームはありません。『ノリノリジャンプ』は単体使用のVRゴーグル、『トリラリー』はトリToy-Conとの併用……といった具合に遊びます。それぞれ、急激な加速で風をきって空中を移動する感覚を味わえるようにまっています。未経験の状態では「ただの風じゃん」と思うかもしれませんが、迫力のある3D映像を見ながら絶妙なタイミングでそれが吹きつけてくると、視覚だけでは足りなかった情報として、体験に染み込んでくるのです!

対応ソフトの『ノリノリジャンプ』。

かざぐるまToy-Con

肺活量がモノを言う体育会系(?)Toy-con

◆持った時の感触
 パッケージで大々的に紹介されているメインのToy-Conと違って、サブ的な位置づけのToy-Conです。Joy-Conをスロットにセットしておかないと、クニャッとしおれてしまいそうな“儚さ”さえ感じます。使用時は、VRゴーグルの安全キャップや、トリToy-Conの前面に差し込んで固定させる必要があります。

◆ギミックの特徴
 モーションIRカメラ(右Joy-Con下部のセンサー)で風車の回る速度を読み取って、VR空間に何らかの形でリアルタイム反映させる……というのが、基本的な働き。他のキットにセットする際、風車の羽根部分がちょうど口元にくるようになっているので、必然的に息をふきかけて回すことになります。

かわいい“かざぐるまToy-Con”。

◆対応ゲームのインパクト
 “VRひろば”に収録されているいくつかのミニゲームで、“弾を吹き矢の要領で飛ばす”、“風船を膨らませる”などのアクションを体験できます。息を吹きかけることでゲーム画面に影響を及ぼすギミック自体は、ニンテンドーDSなどの液晶携帯ゲーム時代から存在しますが、その結果が空間的に説得力のある形で表現される物珍しさは、かざぐるまToy-conならではでしょう。あまり熱中してやり過ぎると息切れするので、文字通り十分な休息をとりましょう。

Toy-Con ガレージVR

3D&VRゲームクリエイターの登竜門!!

◆ギミックの特徴
 従来の『Nintendo Labo』シリーズにもあった、Joy-ConやNintendo Switch本体に連動させた新たな遊びをクリエイトできるビジュアルプログラミング環境“Toy-Conガレージ”に加え、VR空間を舞台にした遊びも作れてしまう“Toy-Con ガレージVR ”が収録されています。タッチ操作やJoy-Conでノード(各種命令パネル)をつないで遊びのルールを構築していく“2D編集モード”と、遊びの舞台であるVR空間内での物体配置をできる“3D編集モード”を切り替えながら、ゲーム画面内で完結するコンテンツを作れるこのモード。本格的なゲームを一から作るのはなかなかハードルが高めですが、“VRひろば”に収録されている、各種Toy-ConやVRゴーグル単体、はたまたNintendo Switch本体だけで遊べる全64種類のミニゲームのプログラムを“ひな型”にすることで、改造・アレンジといった方向から、オリジナルゲームの制作法を学ぶこともできます!

 ガレージVRでは、2D、3Dそれぞれの編集モードをVRゴーグルを装着した状態で操作できます。現状はまだ実用面がもうひとつといった印象ですが、いずれVR空間に入り浸った状態でゲームを作り続けることができるバラ色(?)の未来が訪れるに違いありません。

従来の『Nintendo Labo』にもあった、“ノード”と呼ばれる命令パネルをつないでオリジナルの遊びを発明できる“Toy-Conガレージ”の強化版。VR空間を舞台にしたゲームを作れたり、他のVR kit用Toy-Conを入力装置として設定できたりと、新機能が目白押し。

VRひろばに収録されている64のあそびもガレージ製!

 “あそぶ”メニューから選択できる“VRひろば”には、VR空間を舞台にしたさまざまなタイプのミニゲームが収録されている。任天堂の開発スタッフが、ガレージVRで作ったというこれらの作品は、起動中いつでも編集モードに移行できる。改造・アレンジし放題なのだ。

1対1のエアホッケー風競技。
本体を傾けて物理演算制御のボールを転がす。
パンチで相手を突き落とす。
相手の動きに合わせてコマンド入力していくリズムアクション。
ひとりがキャラクター、ひとりがオブジェクトを動かす2人プレイアクション。
3Dドライブゲームの雛型。