『ファイナルファンタジーXIV』の人気ストリーマー(配信者)、MrHappy(ミスターハッピー)さんにインタビュー。

 『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)は、日本国内だけでなく、北米や欧州など、さまざまな地域で支持されているMMO(多人数同時参加型オンライン)RPGだ。先日開催された大規模リアルイベント“ファンフェスティバル in 東京”は、ラスベガス、パリと続くワールドツアーの締めくくりで、じつに15000人のファンが集結。大きな盛り上がりを見せていた。

 しかし、国内の情報だけでは、『FFXIV』がなぜ海外からも支持されているかという実情がわかりづらい。そこで今回は、『FFXIV』の配信で人気を博すMrHappy(ミスターハッピー)さんにインタビューを実施。『FFXIV』が海外で支持される理由や、MrHappyさんが所属する世界屈指の強豪フリーカンパニー(以下、FC)“Elysium”についてなど、興味深い話を聞けたので、その模様を余すところなくお届けしよう。

MrHappy(ミスターハッピー)

『FFXIV』を中心にさまざまなゲームの配信を行う人気ストリーマー。『FFXIV』では北米の強豪FC“Elysium”に所属しており、高難度コンテンツを攻略する様子などを配信。そのユニークな人柄から、日本国内での人気も高い。

ーーまずは、『FFXIV』のプレイ歴、そしてどのように楽しんでいるのかを教えてください。

MrHappy2010年から8年間、『FFXIV』をプレイしています。YouTubeでビデオをアップロードしたり、Twitchで『FFXIV』に関する配信を行っています。メインジョブはモンクで、殴ったり蹴ったりというジョブコンセプトが気に入っていて、とにかくダメージを与えるのが好きです。

ーー配信は『FFXIV』をプレイした当初から行っているのですか?

MrHappy『FFXIV』がリリースされる少し前から始めて、ほぼ毎日配信していますね。

ーー『FFXIV』にはさまざまなコンテンツがありますが、やはり高難度レイドが好きですか?

MrHappy挑戦のハードルが高いコンテンツが好きです。

ーーその中でもいちばん好きなコンテンツは?

MrHappy“絶”シリーズです! とにかく高難度のものが好きですね。とは言っても、トレジャーハントのようなカジュアルなコンテンツも好きです。

ーー絶シリーズは現状、絶バハムート討滅戦と絶アルテマウェポン破壊作戦のふたつがありますが、好きなほうをあえて選ぶならどちらですか?

MrHappy絶アルテマウェポン破壊作戦ですね。絶バハムート討滅戦のときはチームに所属していなかったので、日本のプレイヤーの配信を見るのがメインだったのですが、絶アルテマウェポン破壊作戦のときは配信をしながら攻略を進めていったので、すごく記憶に残っています。

ーー東京のファンフェスティバルはいかがでしたか?

MrHappy全体的に人が多くて、迷子にならないか不安でした(笑)。

ーー英語配信が行われていたブースの前にずっといらっしゃいましたよね。一方的に見ていました(笑)。

MrHappy会場全体の写真を撮り終えた後は、ずっとそこにいました。見かけたなら声をかけてくれればよかったのに!(笑)

ーー東京のファンフェスティバルではさまざまな発表がされましたが、いちばん印象的だったものは何ですか?

MrHappy新ジョブの踊り子がいちばん興味深かったです。過去に吟遊詩人をプレイしていた時期があって、同じロールということで気になりますね。もしかしたら、モンクをやめて踊り子をプレイするかもしれません(笑)。

ーーMrHappyさんの情報発信は、有志によって翻訳され、日本国内でも有名です。そもそも動画や配信などで情報発信をしていこうと思った理由は何でしょう?

MrHappyまず、日本でも認知度があるということにとても驚いています。直でコミュニケーションが取れないので、もっと日本語がしゃべれたらいいのですが……(苦笑)。情報を配信していこうと思った理由は、僕自身『FF』やMMORPGが好きで、配信や動画などを通じてほかの人の手助けをして、自分と同じくらい自信を持って楽しんでほしいという望みがあるからです。

ーーMrHappyさんのズバズバとした物言いは、日本のコミュニティにはいい刺激になっていると思います。

MrHappyそれを聞くとすごくうれしいです。ときどき、熱が入りすぎているのではないかと心配しているんです。でも、安心しました(笑)。

ーー『FFXIV』は日本国内だけでなく、北米や欧州にも多くのプレイヤーがいます。『FFXIV』のどういうところが支持されていると思いますか?

MrHappyまず、海外の人も『FF』シリーズが大好きなんです。作品とともに成長してきた人や、すごく思い入れの強い人も多いと思います。つぎに、オンラインゲームをプレイしている人の熱量が高いことです。その好きなものに対して定期的なアップデートがあるというのも、『FFXIV』が人気な理由だと思っています。

ーーちなみに、北米や欧州の方々はどのようにして日本のゲームに出会うのでしょうか?

MrHappy日本のアニメやマンガに触れるのと同じですね。私が見ていたテレビのチャンネルでは、日本のアニメだけを放送する時間帯があって、早い段階から日本のコンテンツに触れる機会があったんです。日本のカルチャーが好きな人たちは、そういったところで情報を得ています。その延長線上で日本のゲームを買ってみたら、内容がすごくよかった。それで、どんどん日本のゲームへの興味が湧いてきたという感じですね。

ーーなるほど。みずから積極的に情報を取りに行っていると。

MrHappyそうですね。つぎに流行りそうなものをいつも探しています。

ーーMrHappyさんが所属するElysiumは、強豪FCとして日本でもすごく有名です。高難度レイドに挑む際のチームメンバーのスケジューリングや、メンタルの管理をどのように行っているかを教えていただけますか?

MrHappyまず、FCの中で共通のゴールを作り、モチベーションを高めます。そのうえで、FC内でいろいろな目標ごとにチーム分けをしています。たとえば、ワールドファーストを狙うチーム、クリアーのスピードを競う(攻略を最適化する)チーム、といった具合です。もちろん、健康にもすごく気を配っています。何かに取り組む前には、食事をちゃんと準備したり、オフの時間を作ったり、寝る時間を事前にスケジューリングしています。コンテンツにアタックするときは、集中力が高い状態を保てるようにしています。

ーー日本のレイドチームと欧米のレイドチームの違いについて、どのように考えていますか?

MrHappyじつは北米ではふたつタイプがあって、ひとつは固定のグループで挑戦して、事情があったときにだけメンバーを入れ替えるというタイプ。もうひとつは、完全に野良パーティで戦うのを専門にするタイプです。日本のコミュニティは、ひとつの攻略法を決めたら、日本のレイドコミュニティ全体がその攻略にしっかり従ってクリアーを目指していくので、効率的だと思います。それに対して北米は、みんなでディスカッションをしたり、こういうやりかたもあるんじゃないかということを議論して挑戦します。ただ、あまりに議論が長すぎて、話が終わるころにはみんなのモチベーションが下がってしまうことも……(苦笑)。最近では、45分ものあいだ、どうやって攻略するかを議論したこともありました。

ーー最近のレイドレースでは欧州が優勢で、日本のチームはワールドファーストを獲れていません。その理由はどこにあると思いますか?

MrHappy日本のレイドチームがなぜワールドファーストを獲れないのか、あるいは獲りたいとは思っていないのか、その理由はわかりません。もしかしたら、リアルの生活など、ほかのことに時間を割かなければならず、レイドだけに集中できないという人が多いのかもしれませんね。ただ、日本のプレイヤーの中でも強い方はたくさんいると思っています。

 欧州は、すごく強い人だけでチームを構成して、24時間、寝食も忘れて勝ちにこだわる人たちもいます。ワールドファーストを獲りたいなら、ベストな選択肢かもしれません。それは、なかなか北米ではできないので、悔しい思いをしています。

 日本では、たとえワールドファーストは獲れなかったとしても、高難度レイドの全体のクリアー率は非常に高いという印象があります。ワールドファーストを獲ることだけが大事ではないので、それはすごくいいことだと思います。海外とは比べものにならないほどクリアー率がいいと思っています。

ーー絶バハムート討滅戦のときは、日本勢がワールドファーストを獲りましたが、そのときの感想をお聞かせください。

MrHappy昔は日本のチームと切磋琢磨し、勝ったり負けたりして、すごく楽しかったんですよ。ですので、絶バハムート討滅戦のときは昔を思い出して、とても懐かしかったです。また彼らのようなチームと競い合いたいですね。

ーーバルデシオンアーセナルはElysiumがワールドファーストでしたよね。ぜひプレイした感想を教えてください。

MrHappyバルデシオンアーセナルのワールドファーストに関しては、背景に日本のコミュニティの力があったと思います。私たちも配信を行っていましたが、日本の方々も配信を行って進捗を公開していて、そこで多くのヒントが得られました。その結果、ワールドファーストが獲れたので、モチベーションという意味でも、情報という意味でも、とても日本のチームに助けられました。また、Elysiumの人たちも、50人規模のプレイヤーの力を何日にもわたって借りることになり、人繰りに関しても調整がたいへんだったと思います。そういう意味では、彼らが真のヒーローだと思っていて、本当に感謝したいと思っています。

ーー絶シリーズやバルデシオンアーセナルに関しては、世界中のレイドコミュニティがこぞってリアルタイムで配信を行っていましたよね。これは『FFXIV』の中でも新しい流れだと感じました。なぜこうした流れが起こったと思いますか?

MrHappyじつは、ワールドファーストを獲りそうなチームは配信をしていなかったんですよ。私たちのチームはワールドファーストを獲れるとは思っていなかったので、配信をして楽しんでもらおうと。絶バハムートのときにすでにその流れはあったので、絶アルテマウェポン破壊作戦のときも配信をしたという形です。そういったチームが増えたからかもしれませんね。

ーー注目している日本のチームやキャラクターがいればぜひ教えてください。

MrHappyHaru Glory(はるぐろーりー)さんとは連絡を取り合うことが多くて、ファンフェスティバルでも実際に会って、すごく優しくしてもらいました(笑)。今後も、交流を続けていきたいと思っています。

ーー最後に、日本のコミュニティに向けてのメッセージをお願いします!

MrHappy日本のコミュニティには、すごく温かく迎えてもらってたいへん光栄に思います。自分のコンテンツを楽しんでくれているというのが本当にうれしくて。もしよろしければ、配信を見に来ていただいて、挨拶をかわしたり、いっしょに楽しんでもらえればなと。自分のコンテンツがその人の1日を少しでもよくするものになれば、これ以上うれしいことはありません。日本のコミュニティの皆さん、本当にありがとうございます!