2019年3月31日から、『龍が如く ONLINE』で初代『龍が如く』のストーリーが楽しめる “桐生一馬伝”がついに実装される。同時にSSR桐生一馬も参戦!

 2019年3月31日から、『龍が如く ONLINE』で初代『龍が如く』のストーリーが楽しめる “桐生一馬伝”がついに実装される! 実装直後はまずは第1章から第3章までが配信され、以降は『龍が如く ONLINE』のストーリーと同様に、毎月“桐生一馬伝”のストーリーが解放。多彩なキャラクターが登場することになった。

 その皮切りとして、“桐生一馬伝”はもちろん、通常のストーリーやクエスト、連合同士による対戦の“ドンパチ”でも使用できる、シリーズ待望のSSR桐生一馬が参戦! そんな大規模アップデートが行われたこの機に、セガゲームス・名越稔洋総合監督にその意図や『龍が如く ONLINE』への想いを聞いた。


名越稔洋(なごし としひろ)

セガゲームス 取締役CPO/龍が如くスタジオ総合監督 (文中は名越)

より『龍が如く』らしさを出すための“桐生一馬伝”

――『龍が如く ONLINE』がサービスインして半年ほど経ちますが、その手応えはどう感じていますか。

名越 じつはもっと早くから「『龍が如く』をスマートフォンで」という意見はあったんですけれど、そこはやはり、もともとの土壌であるコンソールでの展開にこだわりがあったんです。とは言え、ここまでゲームの市場が変わると「スマートフォンなりの『龍が如く』というものもありうるのではないか」とも考えるようになって、『龍が如く ONLINE』の開発を決めました。リリースして半年ほど経過した現在の状況を見ていると、多くのユーザーさんにはコンソールとは別軸で楽しんでいただけているように感じます。そういう意味では、手応えを感じていますね。

――“ガラケー”と呼ばれていた携帯電話でも、かつて『龍が如く』のゲームを出していましたが、あのころとは状況が違いますか。

名越 そうですね。当時のチャレンジでは、いまよりもっと「『龍が如く』というIP(知的財産)は、コンソールでの展開が求められているのだな」という感触が強かったですね。その状況が変わった理由には、コンソール以外のデバイスでゲームを遊ぶということが、ここ数年のあいだに浸透してきているという事情があると思います。単純にデバイスの性能も上がりましたしね。

――『龍が如く ONLINE』リリース後のユーザーの反応は、想定通りだったのでしょうか。

名越 最初はこれまでの『龍が如く』シリーズを愛してくださっている皆さんにどう受け止められるのか不安でした。しかし、結果を見れば楽しんでくださっている方がかなりたくさんいて。我々としては新たなチャレンジでしたが、それを応援してくださる声が多いのはありがたいです。

――『龍が如く ONLINE』は、つぎのPS4『龍が如く』最新作と主人公(春日一番)や物語の一部を共有する作品として発表されましたから、シリーズファンとしては気になったところも大きいと思います。そうした狙いのあるタイトルに初代『龍が如く』ストーリーを追体験できるコンテンツを足すということは驚きでもありました。ここにはどんな意図があるのでしょうか。

名越 そこは至ってシンプルな話で。皆さんから寄せられた「もっと『龍が如く』らしい要素が欲しい」という声に応えた形です。

――ファンからの声を活かしたのですね。

名越 その通りです。初代『龍が如く』の物語は、かつてHD版を発売し、さらにフルリメイク版である『龍が如く 極』を発売しましたが、いずれも好評でした。とくに『龍が如く 極』は、大きく作り直したとはいえ、これまで何度も遊ばれた初代『龍が如く』の物語がどのくらい受け入れられるのか不安に思うところもあったのです。ところが、蓋を開けてみると、我々の想像以上のセールスになりました。そこから見えてくるのは、「いろいろな形で初代『龍が如く』を遊びたい」という需要があるということなんです。そういった状況を考えると『龍が如く ONLINE』で初代『龍が如く』の物語に触れてもらうのもアリだなと。ある意味で、自然な流れだったと思います。

――初代『龍が如く』のストーリーが魅力的だという点も、“改めて遊びたい欲”に影響している部分は大きいと思います。

名越 何度遊んでも楽しいと言っていただけるのは、本当にうれしいですね。“桐生一馬伝”の追加は、きっと皆さんのニーズに応えられるものになるでしょうし、いい結果につながると信じています。

――ところで名越さんから見て、初代『龍が如く』が人を惹きつける要因は何だと思われますか?

名越 そのときどきで状況が違うので、なかなか分析は難しいところですね。最初に『龍が如く』をリリースしたときは、“当時のゲームにないニュアンスや雰囲気の提案”という意味合いを持っていましたし、かなり攻めた作品だったと思います。ただ、時代とともに世間の意識も変わりました。いまではファンタジーの作品ひとつとっても攻めた作品が数多く存在していますから、それだけが人気の要因ではないのかな、と。

――確かに“攻め”だけではないと思います。

名越 ひとつ考えられるのは、『龍が如く』は現代劇として物語の筋が通っていながら、要所にゲームのシナリオらしいファンタジーの要素があるというところですね。シリーズが進むにつれて物語や遊びのボリュームは増えていきましたが、その基本構造は初代『龍が如く』からずっと持ち続けていますから。誤解されがちですが、『龍が如く』シリーズはべつにリアルな極道ドキュメンタリーではないですし、筋立てを無視した荒唐無稽な物語が展開されるゲームでもない。その真ん中をいっているのが『龍が如く』だと思っていますし、そこが好まれたのではないかな? とは思っています。

――なるほど。そのテイストは“桐生一馬伝”にも引き継がれているのでしょうか。

名越 初代『龍が如く』の物語をベースにしているので基本的には変わらないです。ただ、スマートフォン向けということで、遊びのバランスは若干変えなければならないという一面もあって。これまでの『龍が如く』で作り上げてきたストーリーのおもしろさと、“桐生一馬伝”がおもしろい遊び応えになっているかは別モノですから。現場は、「単純に桐生のストーリーを手に入れたからおもしろくなるぞ」とは考えていませんし、そこはしっかりとスマートフォン向けに最適化した内容を調整していく必要があると考えています。

本編が最終章を迎えたからこそ桐生一馬の出演はアリ

――『龍が如く』のシナリオ追加に合わせてSSR桐生一馬も追加されるということで、そこに対する期待も高まっていると思います。

名越 桐生を待ってくれていた方もいるんですかね?

――います!(笑)。ただ、絶対的な強さを持つ桐生がカード化されるということは、ある意味でほかのキャラクターたちと並ぶ強さになることだとも思います。その点は名越さん的にオーケーだったのでしょうか?

名越 確かに桐生は主人公ですし、絶対的な強さを持っているキャラクターなんですけど……桐生の物語も『龍が如く6 命の詩。』で最終章を迎えたことですから、それはそれでいいんじゃないかなって(笑)。

――ある意味、ファンサービス的な?

名越 そうですね。ただ、SSR桐生を追加したことで熱心なファンの皆さんからは「桐生はもっとこうであってほしい!」というような声も当然あがってくると思います。そのあたりは丁寧に皆さんの声を聞きながら、異なるバージョンの桐生を考えるとか、そういったことも視野に入れていきたいですね。

――ところで、現時点でSSR郷田龍司が追加されることも発表されています。勘ぐれば、いずれかのタイミングで『龍が如く2』のシナリオが追加されるのでは? と思ってしまうのですが。

名越 今回の初代『龍が如く』ストーリーの追加がうまくハマれば、今後やるべきだとは思います。もちろん、うまくいかなかったからやらないという話でもなくて、その反省点を活かして、よりおもしろいものが作れるという自信があれば、充分に検討する余地があると思います。ただし、SSR郷田龍司が追加されるタイミングで、『龍が如く2』のシナリオが追加されるというわけではないですね。

――スマホゲームアプリだからこそ、遊んでいる側の意見がすぐに開発に反映されやすいという一面もあるのでしょうか?

名越 そうですね。それが既存の『龍が如く』ファンに向けての施策なのか、『龍が如く ONLINE』から『龍が如く』を楽しみ始めた新規ユーザーに向けての施策なのかで違いはあるでしょうけれど。もちろん、『龍が如く』ファンに納得してもらいながらも新規ユーザーが楽しめるというのが理想ですし、まずはそこを目指していくべきだと思います。

――なかなかの難題ですね。

名越 もともとの『龍が如く』ファンの方が遊んでいる割合が高いゲームではあると思うのですが、いろいろな入口から入ってもらっても楽しめるようにはしていきたいですね。実際、「最近の『龍が如く』は知らないけれど、昔のなら知っているよ」とか、「『JUDGE EYES:死神の遺言』をきっかけに『龍が如く ONLINE』を始めたよ」という方もいらっしゃるので。

――ちなみに、ストーリーの面で素朴な疑問が。『龍が如く ONLINE』の物語は、PS4の『龍が如く』最新作の物語とどの程度リンクしているのでしょうか。

名越 それは……PS4の『龍が如く』最新作が出たときにわかると思います(笑)。もちろん「あの話はまったく無関係でした」みたいなことにはならないので、ご安心ください。

――では最後に、『龍が如く ONLINE』を遊んでいる方、“桐生一馬伝”の追加を機に遊ぼうと思っている方にメッセージをいただけますか。

名越 初代『龍が如く』を遊んだことがある方もない方も、桐生一馬の大活躍をスマートフォンで体験していただければうれしいですね。『龍が如く ONLINE』にはスマートフォンゲームアプリならではのおもしろさがあると思いますので、この機会にぜひ遊んでみてください。