陸・海・空が揃い踏み

 2019年3月27日、WargamingはPC用オンライン空戦アクション『World of Warplanes』(以下、WoWP)の記者発表会を開催し、2019年4月17日に正式サービス開始であると発表した。

 『WoWP』は最大12対12でドッグファイトが楽しめる空戦ゲームだ。『World of Tanaks』と『World of Warships』に加えて本作が登場したことで、陸・海・空の対戦ゲームが揃ったことになる。

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パブリッシング・プロダクト・ディレクターを務めるアンドリュー・ズガー氏。

 『WoWP』は北米とヨーロッパ、CIS(ロシアなどの独立国家共同体)では2013年に正式サービスがスタートしており、全世界でのプレイヤー数はおよそ1300万人を誇る。現時点で7国家・250種以上の戦闘機や登場し、世界中の地域をモチーフにしたマップは40種類。

 2018年にはアジア・太平洋地域でのサービスが視野に入り、最初にテストが実施されたのが日本だった。テストの結果を受け、晴れて4月19日の正式サービスが決まったのである。

 と、このようにキーマンたちが順番に『WoWP』の魅力を紹介していくかたちで発表会は進行した。アンドリュー・ズガー氏のつぎに出てきたのは、

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この人。

 メタルバンドのギタリストではない。グローバル・ブランド・ディレクターのアル・キング氏だ。氏はマーケティングの視点から本作を解説した。

 日本で展開するにあたり、スローガンが変更された。ほかの地域では“GET AIRBORNE”だが、日本ではなじみがないということで、同じ意味の“SCRUMBLE”にしたという。『WoWP』はグローバルで展開するタイトルだが、各地域に合わせた打ち出しをしていくのだろう。

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 そして、つぎの言葉は「アイアン・メイデン(世界的なメタルバンド)をご存知の方はいらっしゃいますか?」だった。この人、きっとふつうにメタル好きだな。

 『WoWP』はロック系の音楽とコラボを行っているとのこと。2018年6月にはアイアン・メイデンの空戦をテーマにした楽曲“Aces High”をフィーチャーし、直近の2019年3月にはスラッシュメタルバンドのクリエイターともコラボを実施している。

 気分を高揚させるロックサウンドと対戦ゲームは相性がいい。スライドには“航空機に対するパッションを共感する日本のバンドともコラボしたい!”とあったので、続報を待ちたいところである。

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 アル・キング氏は「『WoWP』の記事を書くとき、ブルース・ディッキンソンさん(アイアン・メイデンのボーカリスト)に向けて、日本に来てほしいというメッセージを書いてください。もしかしたら来日してくれる可能性もあるかもしれません」とも言っていた。やっぱりメタル好きなんだろうな。

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開発ディレクターのアレクサンダー・カシアネンコ氏。

 開発ディレクターのアレクサンダー・カシアネンコ氏からは、『WoWP』の2019年の開発予定ロードマップについて説明。

 テールガンナーとして搭乗して楽しむキャンペーンやアイアン・メイデンのイメージキャラである“エディ”とのコラボを実施するほか、ソ連とアメリカの爆撃機といった機体も実装される。

 また、日本テストのフィードバックをきっかけにチュートリアルが改善された経緯があるように、今後も日本のプレイヤーの意見を参考にしながら開発方針を決めていくという。

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 やはり、ユーザーの声が大切だ。アレクサンダー・カシアネンコ氏は“ゲーム開発にとって大切なもうひとつの要素を紹介した。

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 である。ものすごく鋭角なアクロバット飛行で猫情報が飛び込んできた。

 里子でもらわれてきた黒猫のナディアは、開発チームにとって欠かせない存在。お昼寝やお菓子のおねだりの合間に、一生懸命チームを監視してくれるのだそうだ。僕は何を書いているのだろう。

 ナディア用のメールアドレスも用意されていて、ときどきメディアやプレイヤーからナディアにメールが届くらしい。返事も返ってくるらしいです。

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ナディアを紹介するときはすごい笑顔でした。

 パブリッシング・アジアパシフィック・プロデューサーの藤田健氏は、日本版テストについて説明。日本版テストは2019年7月~10月に渡って開催し、その際のサーバーはアジア(香港)に設置していたそうだ。

 テストには5000人が参加し、プレイヤーの継続率はほかの地域と比べても上のほうだったという。Twitterなどの声やアンケートを見る限りはポジティブな反応が多かったが、“ルールの理解しにくさ”については不満の声も。その結果を受け、正式サービス時にはチュートリアルの刷新が行われている。

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パブリッシング・アジアパシフィック・プロデューサーの藤田健氏。
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 これらの結果から多くのプレイヤーから期待されていると判断し、2019年4月17日から正式サービスがスタート。4月15日まで、紙飛行機を作って写真をTwitterに投稿すると豪華なグッズがもらえるキャンペーンを実施中だ。

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 ここで、スペシャルゲストとして、Wargamingとも縁の深い人気アニメ『ガールズ&パンツァー』でプロデュサーを務める杉山潔氏が登壇した。

 長く戦車アニメに関わりながらも、「本籍地は航空機関係」だという杉山氏。「日本でのサービス開始、おめでとうございます。ちょっとクレームをつけたいんですけど、私、カーっと熱くなるタイプで、夢中になってしまうんですね。(正式サービスが)始まると会社に行けなくなるんじゃないかと。心配なんですけど、どのタイミングでタブーを解除するか、真剣に悩んでいるところです」と、最大限の期待を述べた。

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杉山氏の経歴を見ると、たしかに航空機関連の仕事が多い。
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発表会の会場にはサードウェーブのゲーミングPC・Galleriaが並べられていた。エキシビションマッチも実施。

アニメコラボは検討していますか? → 「Yes!」

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発表会後に少しだけインタビューの時間をもらえた。アレクサンダー・カシアネンコ氏がめちゃくちゃカメラ目線してくる。

 空戦ゲームはライバルの多いジャンルだ。それはWargamingとしても把握しているものの、『WoWP』には十分な強みがあると胸を張る。

 リアリティーが重要な空戦ゲームは操作が複雑になりがちだが、『WoWP』はカジュアルに楽しめるのがウリのひとつ。また、日本人プレイヤーはほかの地域と比べて機体のコレクションを楽しむ傾向があるそうで(たまごっちや『ポケモン』の影響かもしれませんね、とのこと)、機体数の多い本作とは相性がよさそうだ。

 「アニメなどとのコラボは検討していますか?」という質問には、アル・キング氏が食い気味に「Yes!」と回答。勢いがすごい。兄弟タイトルの『World of Tanaks』と『World of Warships』はアニメコラボが成功している。実施は未定だが、日本の特性に合わせたプロモーションを行うため、リサーチを進めているらしい。

 質問者がアニメライターもやっていることを知ったアル・キング氏は「Perfect!」と言いつつ名刺を渡していた。勢いがすごい。「おすすめ作品があったらぜひ教えてください」だそうだ。

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