モバイルゲームを長く遊んでもらうために重要さを増す“運営”に特化! 業界の最先端を走るファンプレックスを訪問【ファミキャリ!会社訪問(71)】_07

“ファミキャリ!会社探訪”第71回はファンプレックス!

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍している、各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。今回はファンプレックスを訪問した。

 このコーナーには、2016年8月以来2度目の登場となる同社は、グリー100%子会社として、モバイルゲームの運営を専門に行ってきた。2018年には、『戦国アスカZERO』などを開発しているORATTAを子会社化したほか、オルトプラスとの協業を発表するなど、新規タイトルの獲得や体制強化を行ってきた。

 ゲーム業界でも徐々に認知されてきた“ゲーム運営”を専門に行うプロフェッショナル集団として、高い信頼と確かな実績を積み上げてきた現状と今後について、代表取締役社長・下村直仁氏と執行役員の佐藤洋祐氏に話を聞いた。

下村 直仁(しもむら なおひと)

ファンプレックス 代表取締役社長

佐藤 洋祐(さとう ようすけ)

ファンプレックス 執行役員 ゲームアライアンス本部長

積極的な運営タイトル獲得で業績もアップ

――“ファミキャリ!会社探訪”には2度目の登場となりますが、前回(2016年8月)から約2年半が経過しました。まずはその間の会社の動向について、簡単に振り返っていただけますか?

下村ありがたいことに、事業は一定のペースで拡大を続けています。象徴的な出来事として、2018年1月のオフィス移転やORATTAの買収、オルトプラスとの協業やパートナーシップの開拓など、会社として幅広く経験させていただきました。従業員数としては、ORATTAを含めて250名近くのメンバーが集まる規模になっています。

 もうひとつ、昨年から関わらせていただいているあるネイティブタイトルにおいて、我々に運営が移管されてから半年ほど過ぎたタイミングで、それまでと比べて約2.5倍の売上増というアウトプットを出すことができました。その際はゲーム内での大型イベントを実施したこともあり、ゲームを遊んでくださるお客さまや移管元の会社さまからも驚きの声をいただき、大変ポジティブな反応をいただきました。本件を通じて、ファンプレックスが運営に関与することでタイトルのパフォーマンスやアウトプットが好転するという劇的な証左を示すことができましたし、こういった事例を重ねることによって、ネイティブの領域でも月商規模で1億円から2~3億円へ運営できる案件のレンジを広げられるようになりつつあることは、際立ってよいことではないかと思います。

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――オルトプラスとの協業など、パートナーシップの開拓や事業拡大については、どのような目的で取り組んでいるのでしょうか?

下村まず、現在のゲーム業界には、新作タイトルの開発をする会社と、我々のように運営を主とする会社がある、と私は捉えています。ファンプレックスとして重きを置いているのが、“運営専門の会社が責任を持ってタイトルを預かることの価値”を世に実証していくことです。たとえば、あるチームの方々が新作タイトルをリリースしたとします。現在のスタンダードは、そのチームの方々がそのまま運営フェーズを担当するという形だと思いますが、ここで運営フェーズに入ったタイトルをファンプレックスに渡すことができれば、その方々は別の新作により早いサイクルで取り組めるようになります。

 このように、“ゲームをより長く、より楽しく、安心して楽しめるものとしてお客さまにお届けし続ける”という価値以外にも、我々がゲーム運営を通じてゲーム業界に提供できる価値にはさまざまな形があると考えており、そういった価値をより広く、多様にお届けできるようになっていこうと考えたとき、パートナーシップの拡大は意義のある選択肢であると考えました。

 いまお話ししたような価値を我々自身が実証していくためにも、パートナー会社の方々には、運営のクオリティを重視するという姿勢にきちんと共感いただくことが重要ですし、中長期的には我々が目指す運営クオリティを社外にもお伝えできるような形で定義し、それらがある種のスタンダードになっていければと考えています。

――買収やパートナーシップの拡充において、関連するスタッフも増えたかと思いますが、それに対する相乗効果はどのように感じていますか?

佐藤毎回自分たちとは違う文化や空気に触れることができる点については、会社として大きなメリットを感じています。設立当初は、グリーグループの一員として、自分たちの価値観の中で突き進んできた部分がありましたが、移管やパートナーシップを通じて、いろいろな会社のやりかたや考えかたを吸収し、事業や組織としての拡がりを感じています。このような体験ができるというのは、この事業のポジティブな側面だと思います。

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