【ファミキャリ!会社探訪(40)】グリーがセカンダリ市場に向け設立したファンプレックスを訪問!_08

“ファミキャリ!会社探訪”第40回はファンプレックス

 ファミ通ドットコム内にある、ゲーム業界専門の求人サイト“ファミキャリ!”。その“ファミキャリ!”が、ゲーム業界の最前線で活躍する各ゲームメーカーの経営陣やクリエイターの方々からお話をうかがうこのコーナー。40回目となる今回は、ファンプレックスを訪問。
 グリーが、ソーシャルゲーム運営の専門会社として、2015年10月に設立した同社。ゲーム運営の経験があるスタッフを中心に、7つのゲームを運営している(2016年6月末時点)。グリーが培ったゲーム運営のノウハウを結集した“ソーシャルゲーム運営のプロフェッショナル集団”。今回は、設立目的や会社の将来像について、代表取締役社長・下村直仁氏、スタートアップ部・佐藤洋祐氏に聞いた。


グリーがセカンダリ市場に参入

【ファミキャリ!会社探訪(40)】グリーがセカンダリ市場に向け設立したファンプレックスを訪問!_02
ファンプレックス
代表取締役社長
下村 直仁氏

――最初に、ファンプレックスという会社はどういった会社なのか、簡単に説明してください。設立された意義は、どういったところにあるとお考えですか?
下村直仁氏(以下、下村) 自分は、グリーの内製ゲームと呼ばれるゲームのプランナーの出身で、アバターなどの女性向けゲームを中心にプロデューサーをしていました。弊社の立ち上げは2015年10月15日で、最初は従業員24名でのスタートでした。現在は150名くらいに増えています。主要事業は、ゲームの運営事業で、現在は7つのゲームを運営しています。従業員の多くは、グリーの内製ゲームの開発・運営経験者です。グリーで長い期間続いているゲームの中には、すでに9年目になるものもあるのですが、我々はそれぐらい長い期間、いわばモバイルゲーム、ソーシャルゲームと呼ばれるものが始まったころから、ずっとゲームを作ってきたわけです。そうした開発や運営のノウハウを、グリー内部のゲームだけではなく、他社のゲームにも活用していくことができれば、新しい事業としてきっとおもしろくなるのではないかというのが、設立された経緯です。

――ファンプレックスはグリーの経営戦略上、発足した面があると思いますか?
下村 昨年ごろから、“セカンダリ・マーケット”という単語がソーシャルゲーム業界では語られるようになりましたが、そういった拡大傾向にある市場に対して、我々の持つノウハウを武器にして斬り込んでみるのがいいのではないか、という考えがありました。順調に新規案件の獲得もできており、設立から半年で売上も7倍ほどになりました。
 実際にほかの会社の方のお話をうかがうなかで感じるのは、人材戦略に紐付いた形で発生するタイプのニーズが多いということです。たとえば、既存ゲームの運用が続くなかで、新規のゲーム開発のために人材をスライドさせたい、というような場合です。“人材をスライド”と口で言ってしまうのは簡単ですが、人材は有限ですから、単純にスライドさせてしまうと、追加の人材を獲得するか、いま運営中のゲームのチームを縮小するか、さもなくばせっかく愛されているそのゲームをクローズするか、といった大きな判断が必要となるわけです。とはいえ、お客様が多いゲームであればあるほど、サービス目線においても、事業目線においても、おいそれと閉鎖するわけにはいきません。そんな中で、先ほどお話ししたような我々の“運営”に関する経験値が、ゲームの運営を引き継がせていただきつつ、さらにそのゲームの価値を守り続ける上で役立てられる、むしろ強みとできる、という気づきの機会をいただき、この事業を立ち上げることになりました。

――グリーで内製ゲームを手掛けていた部署が、そのままファンプレックスになったのですか?
下村 現在のファンプレックスは、全体の6~7割が直接または間接的にグリーの内製ゲームに携わったスタッフ、そして残りの約4割が、新規採用のスタッフとなっています。

――グリーにも内製ゲームを扱う部署があり、それとは別にファンプレックスが設立されたわけですね? 将来的にはどういった相互関係になるのでしょうか?
下村 ファンプレックスは、グリーの新規事業として設立された会社です。基本的には、他社からゲームの運営権などをグループとして取得し、それを100%の内容に仕上げ、運営することになります。内製の部署は引き続き、これまでの業務を続けていくことになります。

――社名の由来を教えてください。
下村 3つの単語の組み合わせた造語です。“fun(=楽しい)”、“function(=機能)”、そしてシネコンなどで使われる“complex”です。ゲームなど、楽しいものを世の中にお届けするためのいろいろな機能が私たちには宿っていて、そうした機能を持った人たちが集まり、複合体として、ワンチームでがんばっている……という意味が込められています。