バンダイナムコエンターテインメントより、2019年3月20日に発売された『スーパーロボット大戦T』。本記事では、多くのファンを持つ人気シリーズ最新作の魅力に迫る。

 『スーパーロボット大戦』(以下、『スパロボ』)シリーズは、1991年に登場して以来、根強いファンを多く持つ人気シミュレーションRPG。新旧さまざまなロボットアニメ(一部のコミック作品やSFアニメなども)が参戦し、地球の平和を守るために力を合わせて悪に立ち向かっていくのが特徴だ。

本作の主人公。ゲーム開始時にどちらかを選ぶことになる。男性のほうは業務に命を懸ける一方、そのほかのことに無頓着。女性は麗しのルックスながら性格は適当でずぼらと、どちらも個性的。しかし、戦場で決めるときはビシッと決める!

 本作でも全25作品の名作が参戦し、新たな戦いのドラマが描かれていく。『スパロボT』の魅力がどんなところにあるのか、さっそく見ていこう。

一部のシナリオでは、特殊なイラストを使用した会話が見られるのもおもしろい。

いつまでも変わることのない、不動の魅力はシナリオにあり!

 筆者は昔、知人から「『スパロボ』って毎回同じことのくり返しだし、飽きない?」と言われたことがある。『スパロボ』にあまり興味がない人はそう感じるのかと思う反面、確かに作品が変わっても“地球や人類が危機的状況に陥り、スーパーロボットの乗り手たちがそれに立ち向かう”という意味では変化はない。しかし裏を返せば、そうした王道のシチュエーションが好きな人なら半永久的に楽しめる作品、それが『スパロボ』だということにほかならない。

参戦回数が多い人物でも、ほかの作品との組み合わせによって新たな魅力が毎回生まれる。

 もうひとつ『スパロボ』ならではの魅力といえば、原作が完結した作品のキャラクターにもう1度スポットが当たることにある。本来、1度終了した原作は続編やスピンアウト作品が出ないかぎり、基本に新たな物語が描かれることはない。しかし、そうした作品が『スパロボ』に出るということは、ゲーム上で新しい活躍の場が用意されるということ。そうした期待もあり、ファンは好きな作品が『スパロボ』に参戦するのが素直にうれしいのだ。

筆者は今回の参戦作品の中だと『機動戦士クロスボーン・ガンダム』シリーズが好きなので、彼らの参戦がうれしい!
『わが青春のアルカディア 無限軌道SSX』などは、筆者がまだ生まれていない時代の作品。こういった、リアルタイムではどうあがいても見ることのできなかった、知らない作品を知る機会に恵まれるのも『スパロボ』の魅力。

 そして『スパロボ』は毎作品、参戦する作品群が異なるので、当然ストーリーも毎回違ってくる。たとえば参戦回数が多い『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を例にとっても、シャアがアクシズ落としをする作品もあれば、既に原作の物語が終了後の状態で参戦することもある。

 要は作品ごとにキャラクターの立ち位置はもちろん、原作の再現やアレンジの有無が異なるため、軸である地球の危機に立ち向かう戦士たちの物語という根っこの魅力は変わらないまま、つねに新鮮な設定の展開が見られるということ。

 たとえば本作だと、『劇場版マジンガーZ / INFINITY』が参戦している。従来の『スパロボ』だと、マジンガーZの搭乗者である兜甲児は、熱血少年という若者の立場での登場がおもだった。しかし『劇場版マジンガーZ / INFINITY』での彼は、若者を導く大人の男性ともいうべき立場の年齢になっているため、何度か別タイトルで共演しているほかの作品の人物との接しかたもガラリと変わっている。最たるものとしては、先ほど例に挙げた『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の主人公、アムロ・レイとの関係性だ。今作のふたりは同年代であり、10年前からの旧知の仲という、従来の作品では見られなかった関係性を築いている。こうした部分は、長く『スパロボ』を遊んできた人ほど、新鮮に映るだろう。

ダウンロードコンテンツで購入できるボーナスシナリオの一場面。アムロ、甲児、竜馬の、俗に言う“スパロボ御三家”が10年来の知り合いという設定に。

見応え十分の戦闘アニメーション

 『スパロボ』といえば、滑らかな戦闘アニメーションも大きな魅力。本作でもその魅力は健在、もといパワーアップし、スピーディーに動いて攻撃を仕掛けるロボットや、画面いっぱいに映されるロボットやパイロットのカットイン演出は必見のひとこと。

 原作の印象的な必殺技が炸裂するシーンを再現するかのような動きや、ゲーム独自の連続攻撃、果てには敵のHPをゼロにしたときだけ見られるトドメ演出があったりと、動きのバリエーションが豊富で見ていて飽きない。

とにかく動きが秀逸で見応えバツグン。どの武器も、1度は見てみることをオススメする。

 先ほどは『スパロボ』ならではのシナリオの魅力を語ったが、知らない原作の戦闘アニメーションに魅入られた結果、その作品が気になり、原作を視聴してみて好きになる……。そういった新しい出会いが見つかりやすいのも、『スパロボ』ならではの醍醐味だ。

筆者が子どものころ何となく見ていた覚えのある『機動武闘伝Gガンダム』などは、『スパロボ』を遊ぶようになってからより好きになった。『スパロボ』がきっかけで好きになった作品がある人も多いのでは?
ゲームオリジナル主人公たちの活躍も見どころ。とくに今回はサラリーマンが主人公という、ちょっと変わった立場にいるのも印象的。

 そしてこれらの戦闘アニメーションは、ボタンの長押しで早送りしたり、途中で終了もできる。ザコ敵の戦闘は早送りしたり、撃墜した敵の爆破モーションだけ飛ばすなど、好きなように使えるのがうれしい。もちろん、戦闘シーン突入時と終了後や、セーブ、ロードの読み込み時間も皆無で、ストレスフリーなプレイを楽しめる。

自由度の高い部隊の強化も見逃せない

 長年続いているシリーズだけあり、育成システム周りも非常に洗練されている。本作は『スパロボV』、『スパロボX』のシステムをさらにブラッシュアップしたものとなっていて、より自由なパイロット育成やユニットの改造が楽しめる。

おもに敵を倒すと手に入る“TacP(タックポイント)”を使い、スキルを生産。生産したスキルは自由にパイロットに修得させられる。
ユニットの改造には資金が必要。どの性能部分を改造するかは自分次第だ。

 こうしたパイロットの育成やユニットの改造をどう行うかは、すべてプレイヤーの裁量次第。シナリオをクリアーするごとに手持ちのTacPや資金を使ってつねに部隊を強化するもよし、ある程度資金がまとまってから段階的に強化するもよし。歯応えのある戦闘を楽しみたい人は、あえて無改造で突き進むなど、プレイヤーの好みで育成方針を決められるのだ。

“サブオーダー”という、育成を手助けする要素も。本作では、効果がより高い“スペシャルオーダー”も加わったのがポイント。

~ワンポイントアドバイス~

 自由度が高い反面、どう部隊を強化していくべきかわからない初心者のために、ちょっとしたアドバイス。

【1】ユニットごとの強みを活かす改造を行おう!
 装甲が厚いユニットは、装甲とHPの改造を優先しよう。運動性が高いユニットは、さらに運動性と照準値を改造して敵の囮となってHPの削り役にするなど、長所を伸ばしていくのが無駄のない改造となる。

ある程度資金が溜まったら、武器以外の項目を5段階改造することを目指したい。すると“カスタムボーナス”が得られ、ユニットの性能が強化される。

【2】なるべく早めにパイロットに有用なスキルを修得させる
 よく使う主力のパイロットには、有用なスキルを早くに覚えさせよう。たとえば強力な武器を持つユニットの搭乗者に“援護攻撃”を覚えさせれば、隣接した味方が敵を攻撃するときに自身も攻撃を行えるようになるため、効率よく敵を倒せるようになる。

お気に入りのパイロットには、便利な効果を持つスキルをどんどん覚えさせよう。

【3】強化パーツを装備しよう
 強化パーツは、TacPを支払って購入したり、特定の敵を倒すと手に入るアイテムで、ユニットに装備させると効果を発揮する。移動力や装甲のアップはもちろん、ユニットの改造やパイロットの育成では得られない特殊な効果をもたらすパーツもあるので、各ユニットの長所をさらに伸ばしたり、短所を補えるパーツを装備すれば、戦闘がグッと楽になる。

いろいろなパーツを付け替えて、しっくり来る装備を探すのも楽しい。

とにかくプレイしていて楽しい!

 ここ数年は、毎年新作が出ている『スパロボ』。正直、システム周りなど、革新的で派手な変化がないのは事実だ。しかしそうした部分が気にならないくらい、今作『スパロボT』もまた、先が気になる物語が紡がれていく。好きな作品が参戦している場合は言うまでもなく、ひとつでも気になる原作があるなら、本作を遊ぶ価値は十分ある。

 きっかけは何であれ、1度『スパロボ』にハマると、これから先新作が出るたびに「つぎはどんな物語が展開するんだろう」と、半永久的に楽しめるようになる。そんなお得なシリーズはそうそうないだろう。

 『スパロボT』の“T”はTERRAを指すが、筆者的には“楽しい”の“T”だとも思う。本作の難易度は低めで、気軽にプレイできるので、シリーズのファンはもちろん、新規の人も始めるならいまがチャンス!