Nintendo Switch用ステルスアクション『Aragami: Shadow Edition』のプレイレビューをお届け。

影から影へとワープする忍者“アラガミ”

 アクションゲームの1ジャンルとして独自の進化を遂げてきたステルスアクションの歴史に、新たな1ページが刻まれた。

 この記事では、2019年2月21日にNintendo Switchで発売されたステルスアクション『Aragami: Shadow Edition』のプレイレビューをお届けする。

“シャドーリープ”で影から影へ

 捕らわれの身となった女性を救い出すため、忍者の霊"アラガミ"がたったひとりで立ち上がる。それが『Aragami: Shadow Edition』のストーリーの発端だ。

 敵は何十人という厳重体制で砦を防衛している。対するアラガミの味方はおとものカラスと身を隠せる影のみ。アラガミは圧倒的に不利な状況を打破し、捕らわれた女性のいる場所まで潜入しなければならない。そんなきびしい状況を打開するために必要不可欠なのが、アラガミの持つ特殊能力だ。

 まず、本作のステルスアクションの要となる“シャドーリープ”。アラガミはこの技を使って影から影へと瞬間移動できる。シャドーリープを駆使すれば、暗い場所にいる敵へ一気に近づいて一撃必殺のステルスキルを決められる。

通常では通れない扉も、向こう側の影へワープすれば通行可能

 もし敵が影の近くにいないなら、そのときはゲージを消費して任意の場所に影を作ることもできる。相手の足下に影を作って暗殺するもよし、建物の屋根に影を作って敵をやり過ごすもよし、使いかたはプレイヤー次第だ。

 ステルスキルは一撃必殺だが、同時に敵の兵士の攻撃もまた強力で一撃でも受ければゲームオーバーとなる。見つかればひとたまりもない。影と知恵とを駆使して、敵の死角を突くことが肝要だ。

 ステルスゲームでは無闇に敵をキルするとペナルティーやスコア減点が課せられるタイトルもあるが、『Aragami: Shadow Edition』ではそのような心配は無用。むしろキルすればするだけ章終了時のスコアは高くなる。哨戒兵には気の毒だが、しっかりと全員倒して回るスタイルが、攻略上有効となるわけだ。

暗殺の可能性を広げる6種のスキル

 さらに、ゲームを進めてスキルポイントを貯めれば、シャドーリープと影作成に加えて、使用回数の限られた強力なスキル"シャドーテクニック"も取得できる。6種類のシャドーテクニックの概要は以下の通り。

  • クロスナ…近くにいる敵の視界を奪う。
  • カゲ…一定時間透明になって、見つかりにくくなる。
  • クナイ…クナイを投げて敵をキルする。
  • バンコク…付近の敵の場所を表示する。
  • シネン…地面に遠隔起爆式の罠を設置する。
  • 錯覚…影でできた囮を出現させる。

 敵が集まっていてひとりキルしても見つかってしまう場合や、高台に弓兵がいるようなシャドーリープだけでは突破しづらい状況でも、シャドーテクニックを使えば切り抜けられる

 錯覚で囮を作って、その囮の足下にシネンで罠を設置するようなシャドーテクニックの組み合わせもゲームを有利に進めるためのひとつの手。

 シャドーテクニックは各スキルにつき2回まで使える。使用回数を回復するには、ステージの合間にある神社に触れるか、”シャドーキル”という特殊なキル方法で敵を倒す必要がある。

 “どのシャドーテクニックをいつ使うのか?”というリソース管理は、本作のステルスアクションの緊張感と戦略性をより高めている。

本編とは異なるスキルが使える前日譚「Nightfall」

 今回発売された『Aragami: Shadow Edition』は、2016年にプレイステーション4、PCで発売された『Aragami』にDLCを収録した完全版とも言えるもので、追加収録されたDLC「Nightfall」は本編の前日譚にあたるコンテンツだ。

 このモードではヒョウとシノブというふたりのキャラクターのどちらかを操作することになるのだが、彼らは本編の主人公であるアラガミとは異なるシャドーテクニックを習得している。

 「Nightfall」で使える4種のシャドーテクニックは本編のものよりも一層ユニークな能力で、とくにクナイを投げたあとに任意のタイミングでクナイを爆発させられる"爆発クナイ"は実用的かつ爽快。高台で群がっている弓兵3人を同時に吹き飛ばす気持ち良さを、ぜひ体感してほしい。

 また、本編では敵に見つからないように先へ先へと進んでいくだけのステージが多かったのに対して、「Nightfall」では先に進むために仕掛けを起動したり、重要人物を尾行したりとゲームの幅が拡張されている。

 本編と「Nightfall」どちらもふたりでのマルチプレイに対応しており、協力して隠密任務に挑戦可能。とくに「Nightfall」ではマルチ限定のシャドーテクニックが存在し、ひとりプレイとはひと味違ったステルスプレイが楽しめる。

 なお「Nightfall」には本編の物語のネタバレが多少含まれるため、本編クリアー後にプレイすることをオススメしたい。

シンプルながら自由度は高い良バランス。飽きさせない工夫も盛りだくさん

 『Aragami: Shadow Edition』はシンプルながら自由度の高いステルスアクションで、同ジャンルの大作にも劣らない隠密プレイの醍醐味を味わえる作品だ。

 ローカライズに不自然な点が多く、“意味はわかるが違和感のある”セリフが頻出するのでストーリーへの没入がやや削がれてしまうのが残念ではあるが、ゲームプレイに支障をきたすレベルではない。

 敵の数と場所を瞬時に把握しながら戦略を練るのはまるでパズルのようでワクワクさせられる。また、一本道でなくルート選択の自由があるマップや、徐々にアンロック・強化されていくシャドーテクニックもゲームプレイを飽きにくくしている影の立役者だ。

 『Aragami: Shadow Edition』はニンテンドーeショップにて2,980円(税込)で発売中(Steamでも同バージョンが日本語対応で発売中)。みずからの想像力を刃にして、この隠密任務を成功させよう。

■脳間 寺院(のうま・じいん)ゲーム・動画ジャンルが専門のライター。京都生まれポケモン育ち、ボンクラオタクがだいたい友達。Twitterでも面白い動画やゲームについて情報を発信中。
Twitter:@noomagame