TGS2019のテーマは、“もっとつながる。もっと楽しい。”に決定!

 今回実施されたTGS2019 開催発表会は、TGSへの出展を検討している企業と、メディア向けに行われるイベント。
 テクノロジーの目覚ましい進歩によって、場所や時間を問わずに瞬時に世界の人たちとつながるようになったゲームに対して、友人や仲間といっしょに楽しむことで共有できる新たな体験や感動が人と人との繋がりをさらに強め、ゲームはもっと楽しくなるというゲーム本来の価値とその可能性を伝えたいとの思いから、今回のTGS2019のテーマは“もっとつながる。もっと楽しい。”に決定したことが明かされた。

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 発表会の最初は、一般社団法人コンピュータエンタテインメント協会(CESA)の会長、早川英樹氏が登壇。主催者挨拶が行われた。今年のTGSの開催期間はこれまでより1週間前倒しで行われるため、2019年9月12日〜15日に、千葉・幕張メッセで開催。早川会長によると、幕張メッセはTGS2019の終了後、東京オリンピックの準備に入ってしまうとのことで、「ゲーム産業の熱気を、そのまま東京オリンピックにバトンタッチする気持ちで盛り上げていきたい」と、TGS2019開催の意気込みを語っていた。

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一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会 会長 早川英樹氏

 続いて登壇したのは、TGS2019の共催者を務める日経BP社 代表取締役社長の新実 傑氏。アジアNo.1のゲームショーとしてのTGSの地位をより強固にすべく、さらなる飛躍を目指していきたいと語る新実氏は、TGS2019のキーワードとして“エンゲージメント”(=業界関係者・ユーザーの繋がりの強化/拡散力の向上)を掲げた。

 繋がりの強化に関しては、これまでも日経BP社はTGSの出展誘致のために海外に赴いていたが、今年はそのネットワークをさらに強化していくとのこと。
 また、拡散力の向上のカギを握るのは“動画配信”であると新実氏。会場のキャパシティ的に、これ以上の来場者増を考慮するのは困難が予想されることから、今年も国内外の有力な動画プラットフォームと連携して、世界の視聴数拡大を目指していくと語る。
 動画配信についてはライブ配信だけでなく、ニュースを含む短編動画や、事前企画番組の製作にも取り組み、早い段階からTGSの情報拡散を計っていきたいとも述べていた。

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日経BP社 代表取締役社長 新実傑氏

 新実氏による説明が行われたあとは、日経BP社の秦和俊氏が登壇し、東京ゲームショウ事務局による“TGS2018結果報告”が行われた。
 昨年のTGS2018は、“新たなステージ、開幕。”のテーマの元に、2018年9月20日〜23日の4日間、幕張メッセの全ホールを使用して開催。esportsの盛り上がりも大きかったこともあり、出展規模、来場者数、ネット動画視聴者数で過去最高記録を更新したことが明かされた。

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日経BP社 東京ゲームショウ事務局 秦和俊氏
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出展社数は、これまで最多だった2016年の614社を大きく上回る668社を記録。とくに出展社数は2016年に大きく増えてから、3年連続で600社超えを達成。
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出展タイトル数も最多だった2016年を上回り、1568タイトルを記録している。その内訳も、特定のプラットフォームに片寄ることなく出展されているという結果に。
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来場者数に関しては、やはり過去最多を記録していた2016年を超え、約30万人を動員。2013年から、6年連続で25万人を超えている。
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ネット視聴者数も、グローバル規模で拡大。全体では2017年の3.2倍となる1896万アクセスを記録している。
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プレス来場者数に関しては、国内メディアが4764人、海外メディアが1499人来場。合計6263人は2016年に次ぐ歴代2位の記録。
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歴代2位とは言うものの、土日の一般公開日はプレス来場者数が急増。昨年、一昨年を大幅に超える結果に。esportsの大会が土日に集中したため、このような結果になったのではないかと分析していた。
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2017年にリニューアルした会場内大型ステージ“e-Sports X”については、日本eスポーツ連合の発足・協力により、さらに注目が集まった点をアピール。会場での観覧者数は2017年の約6000人から、1.5倍増の9492人。ネット中継視聴数も2016年の83万アクセスの2.5倍近い195万アクセスと、大きく盛り上がっていたことが語られた。
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国内外のインディペンデント開発者のための出展コーナー、インディーゲームコーナーについても言及。同コーナーは、過去最高となる154小間の出展を記録。さらに、協賛により出展料が全額サポートされるエリアでは、295件の応募作品の中から、22の国と地域/86のインディー開発出展社が参加。
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86のインディー開発出展社の中から、さらに選ばれたデベロッパーが、自身のゲームタイトルをプレゼン、アピールする機会を与えられる“SENSE OF WONDER NIGHT”や、CESAが優れた才能や人物の発掘を目的に主催している日本ゲーム大賞アマチュア部門など、未来のクリエイターの人材育成の場としての意義もTGSは持ち合わせていると、秦氏は語る。

 秦氏のあとに続く形で、東京ゲームショウ事務局 事務局長の田辺太陽氏が登壇。TGS2019の開催概要・募集要項に関する説明が行われていった。

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日経BP社 東京ゲームショウ事務局 事務局長 田辺太陽氏

 今回のTGS2019の会期は前述の通り、2019年9月12日〜15日に、例年と同じく千葉県・幕張メッセにて開催。開催規模は、来場予定者数は25万人以上、募集小間数は2000小間を予定しているとのことで、今年も世界最大のゲームイベントに相応しい盛り上がりを見せると田辺氏は説明。

 田辺氏が語る、TGS2019の注力ポイントは以下の4つ。

動画配信のさらなる拡大
eスポーツの成長を促進
ゲームを面白くする新技術をクローズアップ
世界のゲーム関係者が一堂に

 これより、4つの注力ポイントについての解説が行われていった。まず、最初の注力ポイントは“動画配信のさらなる拡大”。
 昨年は、国内向けにはniconico、海外向けにはTwitch、Douyuをメインに配信を行い、過去最高の1800万を超える視聴数を獲得。今年は動画による情報発信力をさらに強化するため、配信プラットフォームと、動画コンテンツのバリエーションを拡大。TGSに来場できないゲームファン、ゲーム業界関係者に向けて、さまざまな情報を発信していくとのこと。

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TGS2019では、昨年実績があったものに加え、ほかの主要プラットフォームにおける配信にも尽力。
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メディアパートナーも国内、アジア中心だったところ、今年は欧米にも手を広げ、各地域で勢いのあるメディアの協力を得て、動画によるニュース配信に力を入れていきたいと田辺氏。

 ふたつ目の注力ポイントは、“eスポーツの成長を加速”。
 昨年、流行語にも選ばれたesportsの、国内成長に対する期待は大きく、TGSはその勢いをさらに加速させるべく、より力を入れた施策を用意。その一環として、e-Sportsコーナーと、大型ステージ“e-Sports X”を拡大。また、海外の視聴者向けに、英語などの実況も充実させるほか、昨年香港で試験的に実施したパブリックビューイングも、アジア各地で実施する予定があるとのこと。

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“e-Sports X”に関しては、大会と大会のインターバルの時間の見直しや、来場者がより観戦しやすいステージ作りなど、抜本から改善を目指していく。

 3つめの注力ポイント“ゲームを面白くする新技術のクローズアップ”については、2019年9月よりプレサービスの開始が予定されている“5G”(次世代モバイル通信)や、近年注目を集めている“ブロックチェーン”(仮想通貨などを用いた次世代型のエコシステム)、“AI”(人工知能)など、ゲームを大きく変えていく可能性のある技術にフォーカス。

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ビジネスデーに開催するセミナー“TGSフォーラム”では、“5G”や“ブロックチェーン”などの新技術に関するセッションを実施予定。また、大手通信キャリアと連携して、“5G”が体験できる企画も検討しているとのこと。

 最後の注力ポイント、“世界のゲーム関係者が一堂に”では、世界中から集まるゲーム関係者に向けて、さまざまな企画をブラッシュアップ。前述の“SENSE OF WONDER NIGHT”のリニューアルや、海外からの出展社や来場者との交流を目的にした“International Party”の環境をより快適にする施策を用意していくとのこと。

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アジアにおけるゲーム業界のハブとしてのTGSの役割を、より強固にするための施策を行い、海外からの出展や来場も促進していくと田辺氏。

 最後に、田辺氏は「ゲームの世界は国境やプラットフォームの壁、リアルとバーチャルの境界線を越えて、ますます広がりを見せています。東京ゲームショウも会場内のさまざまな企画を充実させ、さらにネットでの配信に力をいれて、世界への情報発進力、世界からの注目度をいっそう高めて参ります。それによって、出展いただける皆さまのビジネスに貢献できればと考えています。ぜひ、今年の東京ゲームショウにご期待ください」と語り、本発表会は締めくくられた。

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