末尾が“9”の年ゲーム業界はビッグニュースが豊富!?

 ミレニアムイヤー(2000年)から数えて、今年で早20年。数字的には末番号となる“9”が末尾につく2019年となったわけだが、末尾に9がつく年には、ゲーム業界でどんな出来事があったのだろうか? 10年前、20年前、さらに30年前のゲーム業界を振り返ってみた。9=苦など、あまりいいイメージで使われることの少ない数字だが、ゲーム業界的にはビッグニュースが多いことが判明。今年もさまざまな出来事で賑わうか!?

2009年 2大RPGの新作が揃い踏み

 いまから10年前の2009年は、ハード関連のニュースこそやや少なかったものの(ニンテンドーDSiやPSP goの発売などはあったが)、ソフト面では大充実。主役となったのが、ニンテンドーDS用ソフト『ドラゴンクエストIX 星空の守り人』(以下、『DQIX』)と、プレイステーション3用ソフト『ファイナルファンタジーXIII』(以下、『FFXIII』)の2本だ。日本を代表する国民的RPGのナンバリングタイトルが揃って発売された珍しい年だった(ちなみにその前は、『DQVII』と『FFIX』が発売された2000年までさかのぼる)。
 『DQIX』が発売された7月11日は土曜日とあって、発売日当日は同ソフトを求めて家電量販店を訪れる親子連れの姿も目立った。販売本数も絶好調で、発売初週(土日の2日間のみ)で234万3440本という、驚異的な数字を記録。ちなみに本作は、2009年でもっとも売れたソフトとなった(410万968本)。

※販売本数はファミ通調べ

末尾が“9”の年は大作ソフトや新型ハードが発売される!? 10年前、20年前、30年前のゲーム業界の出来事_01
堀井雄二氏ら開発陣も駆けつけて行われた『DQIX』の発売カウントダウンイベントには、多数のユーザーが集結。

 『DQIX』が7月発売だったのに対して、12月17日に発売されたのが『FFXIII』だ。間もなく新年を迎えようかというタイミングでの発売となったが、PS3では初の『FF』シリーズであることから、多くのPS3ユーザーが待ち望んだタイトルということもあって、同年の年末年始商戦の目玉に。わずか2週間の販売期間で約170万本の販売本数を記録し、2019年の年間販売ランキングで5位に入るという快挙を見せた。なお、本作はPS3用ソフトとしては初のミリオンセラーソフトである。
 ユーザーとして何より幸いだったのは、『DQIX』と『FFXIII』の販売期間が大きくずれていたことだろう。おかげで『DQIX』と『FFXIII』、どちらもじっくりプレイできたという人多かったのではないだろうか。

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プロデューサーの北瀬佳範氏やタレントなどが多数参加し盛大に行われた、SHIBUYA TSUTAYAの発売記念イベント。

1999年 ワンダースワン発売

 20年前の1999年には、携帯ゲーム機にニューフェイスが誕生した。それが、バンダイから3月4日に発売されたワンダースワンだ。同ハードは、ゲームボーイやバーチャルボーイの設計を手掛けた横井軍平氏(故人)が独立し、バンダイと共同開発した携帯ゲーム機。軽量ボディーと、縦持ち、横持ちのいずれにも対応したボタン配置が特徴で、ゲーム機としては破格の4800円[税抜]というお手ごろ価格も話題となった。翌2000年にはカラー表示に対応したワンダースワンカラーが、さらに2002年には上位モデルとなるスワンクリスタルが発売。対応ソフトは、本体と同時に発売された『GUNPEY(グンペイ)』や、人気シリーズのワンダースワンオリジナル版『スーパーロボット大戦COMPACT』のほか、移植作品となる『ファイナルファンタジー』、『ファイナルファンタジーII』などが人気を集めた。
 ハードとしての寿命はそれほど長くはなかったワンダースワンだが、これまでにはないコンセプトを打ち出し、任天堂一強時代が続いていた携帯ゲーム機市場に殴り込みをかけたのは、称賛に値するだろう。

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スケルトンカラーの本体は、カラーバリエーションが7色と豊富だった。かなり激しい起動音も記憶に新しい。

1989年 ゲームボーイ発売

 1999年ではワンダースワンを扱ったが、そもそも30年前にこの携帯ゲーム機が誕生していなかったら、日本の、いや、世界のゲーム市場はまったく違うものになっていたかもしれない。それくらい世界のゲーム市場に影響を与えたのが、任天堂から1989年4月21日に発売されたゲームボーイだ。テレビに接続しないと遊べないファミリーコンピュータ(ファミコン)とは違い、いつでもどこでも遊べるゲーム機として、小中学生を中心に支持され、『ポケットモンスター』シリーズや『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズなどの人気タイトルを数多く生み出した。ゲームボーイポケット、ゲームボーイライト、ゲームボーイカラーを経て、現在のニンテンドー3DSまで続く任天堂の携帯ゲーム機の歴史を30年前に作ったのが、初代ゲームボーイなのである。

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そのサイズ感から“弁当箱”とも言われた初代ゲームボーイ。通信ケーブルを使って対戦プレイやデータの交換が楽しめるなど、当時としては画期的な仕様も。