エレクトロニック・アーツから2019年2月22日発売予定の期待作『Anthem(アンセム)』。先行体験プレイやキーパーソンへのインタビューを交えつつ、同作の魅力にぐぐっと迫る。

 2019年2月22日にエレクトロニック・アーツからプレイステーション4/Xbox One/PC向けに発売予定のオンライン専用アクションRPG『Anthem』。その発売に先駆けて体験できた先行プレイ(プレイ動画あり!)や開発元であるバイオウェアのリードプロデューサー、マイケル・ギャンブル氏へのインタビューから、この期待作の全容にぐいっと迫る。

“ジャベリン”で敵をなぎ倒す快感は唯一無二!

 エレクトロニック・アーツ傘下のスタジオ、バイオウェアが手掛ける本作は、人類の自由のために戦う“フリーランサー”となって、強力なパワードアーマー“ジャベリン・エグゾスーツ”(以下、ジャベリン)の力を駆使して戦うアクションRPG。体験プレイではチュートリアル部分と、エンドコンテンツをプレイすることができた。

 プレイしてまず感じたのは、アクションの圧倒的なまでの爽快感。それほど難しくない操作で思いのままにキャラクターを動かせるため、あまりゲームの腕前に自信のない筆者でも、プレイがうまくなったような錯覚を覚えるほど気持ちよくプレイできる。

2段ジャンプで一気に高所に上ったり、高速で飛んで目的地に向かったりと、移動しているだけでも楽しい。

 搭乗できるジャベリンは、汎用性に優れた“レンジャー”、防御の堅い“コロッサス”、高い機動力を持つ“インターセプター”、多彩な技を使える“ストーム”の4種類。

 インターセプターは3段ジャンプを行えるほか、ストームは長時間空中にとどまることができるなど、種類によってアクションの性能も異なる。さらに、メインで使う銃器のほかに、それぞれ特色のあるスキルを使えるため、戦闘でのプレイ感覚は乗るジャベリンによってひと味もふた味も違ってくる。

 ちなみに、レンジャーには最初から搭乗することが可能。チュートリアル終了後にそのほかのジャベリンの中からひとつを入手でき、その後はプレイで経験値を獲得して“パイロットレベル”を上げていくことで新たな種類を手に入れられるという仕組みだった。

ジャベリンの色や材質は自由に変更可能。外見も個性的にカスタマイズできる。

 どのジャベリンも非常に高い性能を持っているが、その性能に甘んじて何も考えずにゴリ押すだけではすぐに倒されてしまう。とくに、“ストロングホールド”というコンテンツでは、通常の敵の比にならないほど強いボスが登場するため、より慎重な立ち回りが必要となる。

 体験プレイではストロングホールドの一種である“タイラントの坑道”というエンドコンテンツに挑戦したのだが、ひとりではなかなかボスを倒せずパーティープレイでリベンジ。

 先述した通り、ジャベリンごとに得意とする役割があるため、協力プレイ時にはそれぞれの長所がとくに光る。互いの弱点をカバーし合ったり、息を合わせてギミックに対応したりと、味方と連携を取りながらボスを倒せたときの達成感はすさまじい。

 敵を倒すと、武器や防具などのアイテムを入手できることがある。アイテムには“コモン”、“アンコモン”、“レア”、“エピック”、“マスターワーク”、“レジェンダリー”といった具合にレアリティーがあり、レアリティーが高いほど性能もいい。

 このハック&スラッシュ要素と、爽快感溢れるアクション性が非常にマッチしており、より高いレアリティーの装備を集めるために、体験プレイではプレイ時間終了ギリギリまで画面に張り付いてプレイしてしまった。

『Anthem』の核心をリードプロデューサーに直撃!

マイケル・ギャンブル

バイオウェア『Anthem』リードプロデューサー

プレイヤーの納得する物語とゲームを作る

――体験版ではアクションが「気持ちいい」と好評でした。そうした気持ちよさを実現するために苦労したことはありますか?

マイケルものすごくたくさんの苦労がありました……(笑)。まずひとつ目がアニメーションです。たとえば、ダッシュでの移動から急にジャンプしたりするときなどの急激なアクションの変化を滑らかに表現するのは、とても骨の折れる作業でした。また、本作では最大4人のプレイヤーがいっしょに飛ぶことになるので、4人がバラバラになってしまわないような作りにすることを心掛けたりもしています。そして、飛び回るだけでも気持ちいいと思えるよう、世界を十分な広さにして、かつリアルに作り込むのもたいへんなことでした。本作の開発にあたっては、小さなものから大きなものまで、そういった課題をひとつひとつをていねいに解決していったんですよ。

――世界を飛んでまわるだけでも気持ちよさを感じられるようにするということは、かなりたいへんだったと思うのですが。

マイケルそれでも、そうして苦労した結果、高低差に富んだ密度のある世界を作ることができました。本作では、水中にも入ることができるんですよ。

――フレンドといっしょにプレイする際は、任務の途中から参加できるそうですね。

マイケルはい。『Anthem』では敵を倒したときにアイテムなどを獲得できるので、途中から参加しても、その分だけの報酬を手に入れることができます。もし途中で不慮の退席などがあっても、3分間以内であれば、もとの任務に戻ってくることが可能です。

――たとえば、ボスを倒すところだけ参加して、質のいいアイテムだけかっさらっていくということもできるのですか?(笑)

マイケルそれはできないようになっています(笑)。というのも、ボスが登場するのは現状ではストロングホールドのモードのみで、そのモードではゲームを開始する前にあらかじめ挑戦するパーティーを決定するからです。

――なるほど。ところで、ゲームの世界には“Anthem”というものがあり、それがストーリーのキーになるそうですが、“Anthem”とはどういう存在なのでしょうか?

マイケル本作で舞台となる世界を作った神々が、世界創造のときに使っていた無限の力です。神々は、世界の創造を終える前にいなくなってしまったのですが、“Anthem”はいまも残っていて、あらゆる空間に漂っています。つまり、エネルギーとして存在しているわけです。フリーランサーたちと敵対する“ドミニオン”という組織は、このエネルギーを使って世界を牛耳ろうとしているので、それを阻止するために戦うことになります。

――“Anthem”は物語の核となる存在なんですね。

マイケルストーリーテリングの側面から見ると、“Anthem”は“混沌”を生み出す装置のようなものです。人々には制御不能なものなので、“Anthem”を中心にいろいろな物語を展開することができるんです。たとえば、世界のどこかで“Anthem”が噴出してしまったので、フリーランサーがどうにか対処する、というような突発的なイベントで物語を作っていくこともできます。物語の核としてだけでなく、ストーリーを作るためのツールとしても機能しているとも言えますね。

――そのエネルギーの名称が“Anthem”になったのはなぜでしょうか?

マイケルもともと“Anthem”という単語は、“賛歌”や、“国歌”などの意味で使われることが多いのですが、“協力して進んでいくヒロイズム”というような意味を示すこともあるんです。そうした意味合いが、本作の協力プレイの内容にもかかると思って採用しました。

――ぴったりの名前ですね。ちなみに、本作の発売時点では、ストーリーをクリアーするにはどのくらいかかるものでしょう?

マイケルストーリーをひたすら進める人もいますし、ストーリーにはわき目もふらず、ジャベリンをとにかく強化する人もいます。プレイヤーによって遊びかたはかなり違うので、明確なクリアー時間を断言することはできません。ただ、本作では1度クリアーしたミッションでも、何度でもやり直しができるようになるので、やり込みたい人にとっては何時間でもとことん深くまで楽しめます。また、ストーリーは今後も追加していく予定です。その追加のペースは、現状の理想では週単位、あるいは1ヵ月単位でコンスタントに無料でリリースしていきたいと考えています。

――それはかなりのペースですね。シナリオチームはたいへんなのでは?

マイケルじつはストーリーを作るチームはふたつあって、メイン部分はカナダのエドモントンで作られたのですが、発売後に追加していくストーリーについては、アメリカのオースティンで作られています。だから、オースティンのチームは半年後にはボロボロになっているかもしれませんね(笑)。

――(笑)。それにしてもゲームのストーリーがドラマのように短い間隔で追加されいていくというのは新鮮ですね。

マイケルそのコンスタントな更新が継続的に実現可能になっているのは、そもそもゲームを作るうえでのフレームワークがきっちりしているからですね。さらに、我々はサーバーが稼動した状態でゲーム内の要素を変更できるような仕組みもすでに構築しています。たとえば、特定の敵の出現率を上げるといった調整も、サーバーをメンテナンス状態にしなくてもそのまま行えるんです。

――その技術を使って、ストーリーもメンテナンスなしで追加されていくのですね。ところで、プレイヤーの選択が全体のストーリー展開に影響を及ぼすことはありますか?

マイケルメインストーリーでは、そのアプローチは採用しないことにしています。というのも、プレイヤーの選択が世界に影響を及ぼしていくという仕組みは、フォート・タルシスでのNPC(ノンプレイヤーキャラクター)との会話に盛り込んでいるからです。それに、もしストーリーの展開がプレイヤーの選択によって変化したとしたら、「Aの選択肢に投票したのに、Bが選ばれた……もうこんなゲームやりたくない!」というプレイヤーも出てきてしまうかもしれません。そうなると、ユーザーコミュニティーの中で選択肢を巡るいさかいが起きることも考えられます。それを避けるためにも、“ストーリーを描くのはバイオウェアだ”という確固たる意志を持って『Anthem』の物語の制作にあたっています。

――ずばり、本作でバイオウェアが語りたいテーマとは何でしょう?

マイケル“抑圧に抗い、同じ志を持つ者とともに戦う”ということです。

――最後に、日本のファンにひと言メッセージをお願いいたします。

マイケル先ほどお話したテーマは、誰の心にも響くはずですし、日本のファンの方にも、楽しんでいただけるゲームになっていると思います。また、じつは『Anthem』の開発チームは小島秀夫監督の『ZONE OF THE ENDERS』が大好きで、本作からもその影響を感じられると思います。プレイヤーの皆さんには、遊びながらぜひそれを見つけていただけたらと思います!