“ファンフェスティバル 2018-2019 in Paris”の終了後、吉田直樹プロデューサー兼ディレクターに緊急取材を敢行!

 2019年2月2日、3日(現地時間)の2日間、フランス・パリで開催された『ファイナルファンタジーXIV』(以下、『FFXIV』)の大規模ファンイベント“ファンフェスティバル 2018-2019 in Paris”。イベント終了後、日本のメディア向けに取材が急遽決定。その内容をお届けする。

 なお、当初伝えられていた時間がかなり短めだったので、質問内容は脈絡なしにいきなり変わることがある。また、時間ギリギリまで質問をするために、最後の締めのメッセージも割愛させていただいている。質問順は編集の段階で少し入れ替えたが、多少読みづらいのはご容赦いただきたい。

吉田直樹(よしだなおき)

スクウェア・エニックス 取締役 第5ビジネス・ディビジョン ディビジョンエグゼクティブ。『ドラゴンクエスト』初のアーケードタイトルである『ドラゴンクエストモンスターバトルロード』シリーズのゲームデザインとディレクションを担当。2010年12月に『ファイナルファンタジーXIV』のプロデューサー兼ディレクターに就任。

──新ジョブのガンブレイカーは、なぜDPSではなく、タンクロールになったのでしょうか?

吉田意味はふたつあって、そもそも現状のジョブの数に対して、これ以上近接DPSを足すと、バランスが取りきれなくなります。ただでさえ近接DPSが多いので。ですから、近接DPSを足すという案は、ゲーム体験的にないという状態でした。ただ、そろそろ世界中でリクエストされるような『FF』シリーズのジョブは青魔道士も含めて実装することができてきたというのもあって。格好よさや見た目を考えたときに、ガンブレードを使うジョブというのは、引きも強いだろうと。あと、これでタンクを4つにして、きれいにバランスを取りたいというのもありました。であれば、先頭に立って戦う、これまでとは違うタンクが作れるんじゃないかというところが噛み合ったので、ガンブレードを使うタンクでいこうということになった感じですね。でも、意外とタンクと予想されていた方も多く、コミュニティの方の7割くらいは「タンクだろう」という感じでした。そういう意味だと、プレイヤーの方もジョブの数のバランスとか、『FFXIV』のゲームデザインのポリシーみたいなものは、わかってくださっているのかなと感じました。

──現状のタンクは、3つのジョブが絶妙なバランスにあると思うのですが、そこに加わるガンブレイカーはどういう特徴を持つタンクなのでしょうか?

吉田これは正直、5月までお待ちいただきたいかなというところはあって。現在、4タンクで最終的にどういう住み分けにするのか、当然新しいアクションも含めて考えているところで。また、4.5までやってきた中で、タンクを使う方の好みとか、メインタンクとサブタンク(の適正)、防御バフの有無など、現状の3タンクだとバランスが三角形になってしまうので、ちょっとよろしくないなと。これらを4タンクにすることで、メインタンク適正を2、サブタンク適正を2にするのか、全タンクどちらもいける方向にするのか、いま最終アクションを調整しながら、落としどころを決めようとしているところです。結論としてどういう方向性でいくかは、5月にバトルに関しての詳細を発表しようと思っていますので、そのタイミングまでお待ちいただけると助かります。

──ガンブレイカーのバトルスタイルについて、斬った瞬間にトリガーを弾くといったことをおっしゃっていましたが、それは実際にアクションとしてやるのでしょうか? それとも、そういう設定なのでしょうか?

吉田トリガーを弾くのを毎回プレイヤーの方にやっていただくと、ゲームパッドの方が腱鞘炎になってしまうので(苦笑)。基本的には、絵作りのほうでやりつつ、それが体感できるようなアクションは、味付けとして入れていくつもりではあります。僕らがベースコンセプトにしている“ジョブごとにゲーム体験が違う”というのは、タンクに限らず全部でそうしているつもりではあるので、ガンブレイカーならでのはのシステムを持った状態でリリースします。そこも、バトルアクションといっしょに5月のタイミングである程度はお披露目できるかなと。

──武器のガンブレードですが、ガレマール帝国のものとは違うという言及がありましたが、それはなぜなのでしょうか?

吉田それは、1.0(旧『FFXIV』)の設定に僕が絡んでいないからです(苦笑)。帝国式のガンブレードって、僕が『FFXIV』チームに入る前に使われていて。「え? これガンブレードなの? みんなが見たがるガンブレードとは違うよね?」というのが僕が『FFXIV』を引き継いだときのイメージでした。帝国式のガンブレードは銃剣なんですよね。いわゆる銃は銃、それに対して刃が付いている。たぶんプレイヤーの方が望んでいるのは、『FFVIII』のスコールから始まったあのガンブレードだろうなあという思いはずっとあって。ガンブレードでいくのであれば、どちらかいえばそっちのほうがプレイヤーの方は喜ぶだろうというのがストレートな理由です。でも、ちゃんと世界設定の中に取り込んでいます。なぜ帝国式ではないのかとか、なぜ帝国式ではないガンブレードという武器がいままで日の目を見なかったのかみたいなところは、ジョブクエストで綺麗に補完するつもりでいますので、そちらをご覧いただければと思います。

──パッチ4.xのストーリーの流れから、つぎの敵は帝国になるんだろうと予測できましたが、その時点でガンブレードを使ったジョブが追加されるのでは? という噂が増えてきたと思います。いつごろガンブレイカーの実装を決めたのでしょうか?

吉田パッチ4.1くらいのころには決めています。だいたいそのくらいの時期に僕がつぎの拡張パッケージのゲームデザインをやっているタイミングなので、そこでほぼほぼですね。それくらい長期計画をきっちりやって、進めてはいるので。ファンフェスのステージでも言いましたけど、今月(2月)中につぎの2年間の計画を全部立てなくてはいけないので(苦笑)。皆さんには数年先にお伝えするようなことも決めていくタイミングではあります。

──ガンブレイカーの魔弾の仕組みをお聞きしたいのですが……。

吉田5月にお願いします(笑)。

──残りの新ジョブのヒントがまったくないのはなぜでしょうか?

吉田(以下、笑みを浮かべながら)なぜ皆さん、ヒントなるものが出るとお考えなんでしょうか。なぜか、僕のTシャツがヒントになっていると言われるのも、よくわからないんですよ……。皆さん、よくいろいろ妄想されるなあと思っていて。とくに、そんな意識は……。(以下、もとの表情に戻って)東京のファンフェスまで1ヵ月ちょっとありますし、「新ジョブ、なんだろうね?」と考えていただく時間も必要なのではないかと。「あ、知ってた」よりは、そろそろいいのかなと思っています。あと、世界観的なところも含めていろいろあるので、今回はまだ出せないことが多いのは確かです。やはり、サプライズは一番最初にプレイヤーの皆さんに感じていただきたいので。

──『漆黒のヴィランズ』の発売日が2019年7月2日に決まったということで、PCのベンチマークソフトが気になるのですが。

吉田現在制作をしています。1回目のVコンテチェックが終わって、僕のフィードバックを渡した状態でいまフランスに来ています。Vコンテの第2弾が上がったというメールは来ていたので、帰国次第すぐ確認します。基本、日本のファンフェスの前に出ることはありませんが、ローンチよりもそれなりに前、おそらく春のPC買い替えのタイミングなどに合わせて、媒体露出も絡めて出していこうと思っています。間違いなく、新しいバージョンのベンチマークはありますので、それはお話ししても大丈夫かなと思います。

──そのベンチマークソフトでヴィエラのキャラメイクを試せるのでしょうか?

吉田そうですね。キャラメイクができるというのもひとつのウリですので、そこはしっかり搭載した状態でというのはベースルールにしています。

──おもにPC版の話になると思いますが、『漆黒のヴィランズ』では最低スペックの引き上げも含めて、グラフィクスの水準は上がるのでしょうか?

吉田今回はやらないです。『紅蓮のリベレーター』のときにやっているので。今回は、32ビットOSのサポートを終了するところが一番大きいですね。それによって、2ギガのメモリ制限からは解放されるので、デバッグも含めて随分楽になります。32ビットOSのサポート終了については、世界中のPCの水準も調べて、大丈夫だろうということになったので。それによって上がるゲーム体験もあると思います。最低スペックの話は、いまはぜんぜん気にしなくて大丈夫だと思います。あと、意外なほどグラフィクスに期待する声があるんだなあというのは、ファンフェスで世界を回って思うところでもあって。MMOのグラフィクスエンジンの載せ替えって、いい面もあれば悪い面もあるので。一気にユーザーを振り落としてしまう可能性もありますしね。あと、収益につながらない可能性もけっこう高いので。この辺のジャッジは慎重にするべきだなあと思っています。まだ計画があるわけではありませんが、つねに市場の動向を見ながらという感じではあります。

──『漆黒のヴィランズ』予約特典のエーテライトイヤリングは、既存の経験値獲得量アップ系の装備と効果は重複するのでしょうか?

吉田一定数値までは重複するものもあります。ただ、効果の上限は決まっています。

──エーテライトイヤリングのアイテムレベルはいくつですか?

吉田プレイヤーのレベルが上がると、自動的にアイテムレベルが上がるという新しい仕組みのアイテムです。ですから、レベル1から付けっ放しで、レベル70まではずっとジョブレベルが上がるたびに自動的に強さも上がっていくというものです。そのほうが皆さん使いやすいでしょうし。これは、かねてから開発チームに話をしていて、なんとか拡張のタイミングに間に合ったと。予約をしていただければ、『漆黒のヴィランズ』リリースの前にお届けしますので、準備のために使っていただければと思います。

──こういう新しい仕組みができたということは、これを活用した装備が出てくるのでしょうか?

吉田いや、ある意味で特定の部位のアイテムを無価値にしてしまうシステムでもあるので、乱用はしないという前提にしています。たとえば、エウレカのような特定の地域でしか効果を発揮しないというものなら使えるので、そういった運用の可能性はあるとは思います。それ以外では、基本的に僕の確認が必要という状態にはしてあります。

──メディア向けの質疑応答で男性のヴィエラについての話がありましたが、はぐらかす感じでしたよね。あれは、吉田さんの性格からしたら認めたように思えるのですが。

吉田さあ、どうでしょうね……? 僕、天邪鬼ですから(笑)。煽りに取られたくはないのですが、「きっとこうだろう、吉田のことだから」と言われると、外したくなるんですよね(笑)。そう言われるなら、こうしちゃおうかなと。

──もともと『FFXII』の設定では、男性のヴィエラは存在するものの、希少なのでなかなか姿を見せないといったところでしたが、仮に『FFXIV』に実装するとしたら、そうした設定をどう反映していくのでしょうか?

吉田じつは松野さん(ゲームデザイナーの松野泰己氏)にシナリオを書いていただいた“リターン・トゥ・イヴァリース”の中で、『FFXIV』の世界のヴィエラの設定はものすごく詳細に語られています。すでにゲームの中に実装されていて、だいぶヒントがその中に含まれていますので、そちらをチェックしてみてください。

──『漆黒のヴィランズ』のアライアンスレイド“YoRHa:Dark Apocalypse”の開発には、プラチナゲームズは参画するのでしょうか?

吉田当然ですが、リソースデータの共有はしていただきますし、そういう意味では参画に近いのかもしれないですけど、“リターン・トゥ・イヴァリース”でもそうだったように、ボスバトルはすべて『FFXIV』のチームが作りますので、“開発”という意味では参画はされないと思います。

──ヨコオタロウさんの印象は?

吉田第一印象は、ものすごく頭のいい方だなという感じでしたね。発言もものすごく計算されているというのを感じますし。あとは、“傷跡”というか、何かを残そうとされる方だなとは思いますね。ご自身が作ったものを、プレイされた方や読んだ方に、何でもいいからガリッと引っ掻いたような跡を残したい、それがモノを作ることの意味と捉えていそうというか。そこまでストレートにおっしゃるかは、ヨコオさんの性格もあってわからないですけど、少なくともそう考えているだろうなとすごく感じますね。とにかく、おもしろいですよ。お食事に行きましたけど、話もいろいろな方向に飛びますしね。ゲームの話をして盛り上がれる、数少ない知り合いのおひとりだなとは思います。

──“YoRHa:Dark Apocalypse”発表後のプレイヤーの反応をご覧になっているかと思いますけど、賛否ある状態についてどのようにお考えですか?

吉田これも、『漆黒のヴィランズ』の情報公開が進めば「ああ、なるほどね」という部分も出てくると思いますので、そこはご安心いただいて大丈夫です。

──メディア向けの質疑応答でもありましたが、『FFXIV』のコンテンツとして作る以上は、『FFXIV』の中にあって自然なものにすると。

吉田そうです。『FFXIV』に溶けるように作ります。そこは齊藤さん(齊藤陽介氏。スクウェア・エニックスのプロデューサー)もヨコオさんものすごく大事に考えてくださっています。やはり、『FFXIV』のコミュニティから拒否反応を受けたくないというところと、そのうえで『FFXIV』のプレイヤーに何かひとつ残したいという思いがあるのは強く感じます。それは僕らも同じで、『NieR』シリーズのコミュニティの皆さんに“余計なこと”とは思われたくないですし。どちらのコミュニティも喜べる内容にしたいというのは全員共通で考えていることなので、それはしっかりゲーム体験に落とし込んでいきたいです。予想つかないなあという感じでお待ちいただけるとうれしいです。

──松野さんは「ヨコオさんにバトンタッチ」とツイートをされていましたが、“リターン・トゥ・イヴァリース”が完全に終わるとは思えないですよね?

吉田(笑)。松野さんの作品群のすばらしいところって、その作品だけが完結すればいいという作りかたをされていないじゃないですか。歴史もの、時代もの、キャラクターものとしても、存在感を作るというのが松野さんのゲームデザインだと思います。広がりという意味では、松野さん考えてくださったこと、書いてくださったことが、いい意味でエオルゼアの歴史や設定を侵食しているので。それがまた絡めあって、新しい何かを生む可能性はあるんじゃないかとは思います。逆に、僕からは(今後の展開については)何も注文してはおらず、松野さんご自身があのテキストを書かれて、確認させていただいうえで実装しているので、機会があれば違った形でやれるとおもしろいなとは思いますね。なにせ、僕は松野信者ですから(笑)。

──ファンも喜びますね。

吉田“リターン・トゥ・イヴァリース”は本当によかったです。けっこう拒否反応をされる方もいるのかなあと、松野さんもギリギリを攻めたと思うので。『ファイナルファンタジータクティクス』をプレイされていた方が、今回の結末を喜んでくださっていたのはすごくうれしかったですね。

──齊藤さんと仕事をされるのは久しぶりですか?

吉田ゲーム制作では『ドラゴンクエストX』以来ですね。

──齊藤さんは立場的にはプロデューサーですよね?

吉田はい。たぶんスクウェア・エニックスいちのプロデューサーですね。

──“YoRHa:Dark Apocalypse”ではどんな役割分担になるのでしょうか?

吉田そういう意味だと、お互いあまりプロデューサーだとは思っていないんですよ。ただおもしろいことをやりたいというだけなんです。それを職業分類上、プロデューサーという肩書きにしているだけで。齊藤さんはゲームデザインだってできる人だし、そのくらい引き出しが多くて、ものを考えることに長けている人です。それが、役割もあって仕掛けをする側に回っていますけど、ものすごく懐が広いですし。齊藤さんは、プロデューサーというのはディレクターを信じるものだと言っているんです。まわりが何をどうこう言おうと、自分が信じたディレクターが「これがおもしろい」と言うのであれば、100%信じるべきだし、それを作る人を集めると。それに反対する人がいるなら、時には説き伏せるし、むしろ双方が幸せじゃないなら外れたほうがいいんじゃない? と言うくらい、人に懸けるタイプの方です。今回、どっちが何をするみたいなことはいっさい話していなくて、「こんなのやったらおもしろいよね」ということをお互いに言っているだけですね。ふたりとも忙しくて、飲みに行く機会が年に1〜2回だったのですが、増えそうでうれしいよね、みたいな感じではあります(笑)

──ビデオレターでは“YoRHa:Dark Apocalypse”は全然できていないという話でしたが、実際はどこまでできているんですか?

吉田少なくとも、ヨコオさんの頭の中には「こうやってみたい」というのは明確にあって、その話は聞いています。それをベースに、どうやってそれを『FFXIV』の世界の中でなじませるか、実現させるかというのは僕らのほうでも話し合いが終わっています。結論のキャッチボールをより詳細に始めるという段階ですね。

──ヨコオさんのアイデアを見たとき、どんな印象を持ちましたか?

吉田「あ、さすが」と。僕らでは確かにやらないだろうなと。本当におもしろいことができそうではあります。これ以上は、せっかくなので齊藤さんとヨコオさんと3人で話せる機会をこれから作ろうと思っています。

──『漆黒のヴィランズ』のトレーラーについてですが、出しかたが従来とは違っていて、どんどん見せかたが変わっていってますよね。

吉田3回目が一番違います(笑)。

──かなりミスリードを誘うような見せかたに感じますが、ストレートに解釈するときっと間違うんだろうなあと。

吉田その通りです(笑)。今回のトレーラーは、そもそも前回までのトレーラーのパターンに僕が飽きたというところが強くて。また、予測もされがちになってきているので、これも天邪鬼な性格で、パターンを崩したいと。今回は、映画の予告編のように、出来上がったひとつの物語から、いい場所だけを抜いてくるという手法です。ハリウッドドラマの新しいシーズンが始まるときのトレーラーもそんな感じですよね。シーズンが終わってみると、「あのシーン、8話のラストじゃん」と(笑)。あれを意識していて。初めてトレーラーの中にボイスを入れるということもしているので。あのセリフ一字一句、僕が書いていて、こう取られる(解釈される)だろうな、みたいなものは最初から全部考えています。全体の脚本を書いてから、1回目はこことここをつなぐ、2回目はここを入れ替えて……みたいな。祖堅(祖堅正慶氏。『FFXIV』のサウンドディレクター)には、トレーラーで使う曲について北米と欧州で公開するぶんはある程度共通化できるけど、日本で公開するのは全然違うので、最初から「悪いんだけど、2回は書いてもらうからね」と(苦笑)。もう、入りからして日本で公開されるトレーラーは違うので。あとは、ヴィジュアルワークスの作業が間に合うのかだけが心配です。

──まだ作業中なんですね。

吉田今回の欧州版だって、上がったのファンフェス出発の前日ですよ(苦笑)。

──エウレカのヒュダトス編に存在するパブリックダンジョン“バルデシオン・アーセナル”では、『FFXI』の当時最強クラスのモンスターが登場するなど、とんでもない難度になりそうですが、コンセプトはどのようにして決まったのでしょうか?

吉田そこは中川(中川誠貴氏。バトルコンテンツ班)任せで、ゲームデザインを託しています。僕は大枠のコンセプトの部分しか話していません。あの敵を選んだのは、中川はガチの『FFXI』経験者ですから。『FFXI』のいろいろなエッセンスを取り込んでいます。あとは、僕がこれまで遊んできたMMOのネタを「これやってみたら?」と話をしたくらいですね。

──挑戦する前に確認というか、警告が出るようですが。

吉田ディアブロ3』のハードコアだとキャラをロストするじゃないですか。あれに警告が出るので、同じようなイメージですね。ショックがでかいと思うんですよ。ワイプをして、レベルダウンして、外に放り出されて。「3分で終わったけど……」とか(苦笑)。デスペナルティへの恐怖と蘇生できないところもあって、緊張感も大きい。ふだん、気楽に避けられているAoEも避けられないかもしれないじゃないですか(笑)。でも、ボス単体のギミック自体はそこまでは難しくはないです。ただ、リトライが簡単ではないので、そこの落としどころは開発チームで調整しているところではあります。

──フェイスは情報のアップデートがありませんでしたが、開発が難航しているのでしょうか? それとも、東京のファンフェスに残した感じでしょうか?

吉田まだ話せないことが多いというのがポイントです。主要NPCたちが参戦する仕組みなので、暁のメンバーが全員倒れている状態の中、誰が参戦するのかはやっぱり……。いち早く倒れたサンクレッド、ヤ・シュトラ、ウリエンジェは少なくとも活躍の機会がありそうだなということはわかりますが、ほかにも倒れているメンバーがいますので。

──今回のファンフェスの開発パネルですが、キャラクターコンセプトアーティストの生江亜由美さんに声をかけた理由は?

吉田基本的にはファンフェスのステージ内容の企画は、各リージョンに責任を持たせるためにも、自分たちで考えるようにと伝えています。たとえば、日本のプレイヤーはレイドまで行っている方がすごく多いので、バトルコンテンツの詳しいセッションをやったときも、反応がすごくいい。かなりコアなところまで話したとしても、「あのギミック、確かにああだったよね」とわかってもらえるんです。一方でヨーロッパは、絵のイメージのほうが気になる方や、遊んでいる内容がいろいろなコミュニティなので、バトルにフォーカスしすぎてもポカンとなってしまう。北米はレイドコミュニティもあるので、バトルの人間を出してほしいと言ってきます。そんな感じで、地域に企画をしてもらうと。つぎに問題になるのが、僕らは拡張の作業がすごく詰まっているので、動かせるセクションと、動かせないセクションがあるんです。プロデューサーレターLIVEで生江も言っていましたが、キャラクターアートセクションは、5.0の作業がほぼ終わっているんです。なので、リクエストをもらったうえで、アートセクションなら稼働できるかなという話をして。前回の欧州ファンフェスでも、もうひとりのリードキャラクターコンセプトアーティストの茂木(茂木雄介氏)だったので、生江が受けてくれるならいいかなと。すごくヨーロッパのデザインに刺激を受けている人で、それにもかかわらず海外に行ったことがないというので、「フランスも見られるしどう?」と声を掛けました。イヤだったらいいんだよとは言っていましたが、ギリギリまで悩んでいたみたいです。最終的には、「来てよかった」といってくれましたので。10年以上の誤解も解けましたし。

──欧州でこれだけの盛り上がりですから、東京ファンフェスはもっと盛り上がてくれるだろうと期待があると思うのですが、いかがでしょうか?

吉田まず、規模ですね。15000人ですから。今回の欧州ファンフェスは4500人。この3倍です。

──北米が5000人ですから、『FFXIV』のファンフェス史上最大ですか?

吉田そうです。幕張メッセの3、4、5ホールぶち抜きですから。ひとりTGS(東京ゲームショウ)みたいな(笑)。ステージがまたおかしな作りになっていますので、会場に来られたら「はあ?」という感じで受け取ってもらえると思います。規模が大きいのもありますが、すごい作りになっています。単独のゲームでこれだけやるんだ! という感じは来ていただいた方にはすぐ感じてもらえると思います。

──新ジョブ、レイド、ギャザクラ向けのエンドコンテンツ、フェイスなど、話さなければいけないネタが多いと思うのですが、基調講演の中で収まりますか?

吉田どうでしょうね。逆に主要トピックスしか話さないと思います。その後、ローンチまで時間がありますからね。4月、5月、6月とどんどん情報を濃くしていきながら、マスPRも垂直でやります。そのために、フルオープンにするつもりはなくて。なぜなら、多すぎてもダメなので。ピンポイントに、プレイヤーの皆さんにも刺さるし、『FFXIV』に触れていない方にもわかりやすい盛り上がりをファンフェスで出したうえで、そこからより濃くしていく。最後にもう1回マスPRして、全体にばら撒くというということをやっていこうと思っています。まずは大ネタからですね。細かいところはいくらでもありますので。フェイスあたりは基調講演ではなく、プロデューサーレターLIVEなどで話したほうがより伝わるんじゃないかなと思っています。まだ、東京の基調講演の内容、1ミリも書いていないんですが(苦笑)。『FFXIV』をプレイしていてよかったと思えるファンフェスにしようと思っています。惜しくもチケットが外れてしまってお越しいただけない方にも、Twitchで精一杯おもしろいステージ盛りだくさんでいこうと思いますので、視聴のほうもお願いできればと思います。ゲストもけっこうすごいので。

──東京だけのゲストもいらっしゃる?

吉田もちろん。

──歌とかありそうだなと思っているんですが……?

吉田ねえ。あるといいですね。

──吉田さんは日本では歌うんですか?

吉田何がですか? 夢でも見ていたんじゃないですか? そんな、プロデューサーが歌うなんてありえないじゃないですか(苦笑)。

(タイムアップ!!)