ファミ通コラムに掲載されたオンライン戦績データを特別に一部公開!
日夜、世界中で熱い闘いがくり広げられている『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、『スマブラSP』)。そのオンラインでの膨大な戦績データの一部が、週刊ファミ通の2019年1月31日発売号掲載記事で明らかになった。その記事とは、『スマブラSP』のディレクター・桜井政博氏が執筆している人気コラム“桜井政博のゲームについて思うこと”の第572回。
なんとこのコラムでは、“オンラインの戦績を紐解く”と題して、任天堂の特別な許可のもと、本作のオンラインにおける対戦データの中から、極秘の戦績データを一部公開してくれているのだ! さすがに順位や各ファイターごとの数字など秘中の秘なデータは伏せられているが、それでも非常に興味深い内容となっている。
これらのデータは、コラム中で桜井氏が“バイアスがかからない唯一のデータ”と表現している通り、数多くのプレイヤーによる対戦の結果がそのまま数字となって表れたもの。世界規模で展開されている対戦の状況を見るうえで、これほど純粋に客観的なデータは、ほかにないと言っていいだろう。
本稿では、その一部を引用してご紹介しよう。なおここで公開されているデータは、2018年12月30日~2019年1月5日の週のものを参照したもの。また桜井氏のコラム原稿は、2019年1月上旬に執筆されたものだ。
※記事内の引用文は、すべて週刊ファミ通2019年2月14日号(1月31日発売) 「桜井政博のゲームについて思うこと 第572回」 より、桜井氏の許可を得て引用したものです。
1on1の勝率は全ファイターが4割~6割のあいだに収まっている
まずは、「図抜けて強いor弱いファイターはいるのか?」という疑問に対する端的な回答と言える部分を紹介しよう。
まず1on1の勝率ですが、すべてのファイターが4割を切ることがなく、6割以上になることもない範囲に収まっています。
VIPマッチの1on1において、最低勝率のファイターは43.7%。最高勝率のファイターは56.8%です。この部分だけ比べるとある程度の差はありますが、74ファイターの頂点と最低であることを考えると、全ファイターまんべんなく僅差だったと言えます。
それ以外を合わせた1on1における総合でも、全ファイターが勝率40%以上~54%未満のあいだに収まっており、勝率45%以上のものが全体の9割を占めています。
対戦型のゲームでは、ネット上でキャラクター性能が盛んに議論され、格付け表が作成されたりすることが多い。『スマブラSP』でも、そうした表を見たことがある人も多いだろう。
しかし、戦績という厳然たるデータと照らし合わせると、実情との乖離はかなり大きいそうだ。“格付け表”では性能下位とされているファイターが、戦績では上位の勝率を残している、といったケースも多いんだとか。
そうした例として、桜井氏のコラムでは、キングクルールについても言及されている。
ドワンゴさんのニコニコアンケートなどによると、キングクルールは強いと目されているようです。が、実際はそうでもありませんでした。勝率は全体で51.9%。VIPマッチにおいては48.9%です。
ほぼ5割! 熟練の猛者たちが集うVIPマッチでの勝率も48.9%と高くはないのだから、キングクルールが強いと聞いて初心者がこぞって使った結果、勝率が下がってしまった……というわけでもなさそうだ。